『ペプシマン』『スター・ウォーズ』のフィギュアに対抗したのは、超人気ゲームのキャラクターフィギュアだった。
コカ・コーラも『ファイナルファンタジー』のキャラクターで参戦!
ペプシのライバル、コカ・コーラが目を付けたのは、人気ゲームシリーズ『ファイナルファンタジー』のキャラクター。プレイステーション用ソフト『ファイナルファンタジー9』の発売に合わせたキャンペーンとしての登場である。
ペプシのようなボトルキャップの形ではなく、台座付きで飾る仕様のフィギュアとなっていたのが大きな特徴。しかも、キャラクターがデフォルメされた第1弾が24種、リアルな等身の第2弾が48種と、一挙72種もラインナップされていた。
その内の半分はコカ・コーラのイメージカラーの赤を使ったクリアータイプの無彩色バージョン。後発ゆえの試行錯誤がうかがえる。
もっとも、赤のクリアータイプは不人気だった印象が強い。やはり、緻密な彩色、塗装あってこそのフィギュアではないだろうか。
恐竜フィギュアvs恐竜フィギュア! 激化するオマケフィギュア市場
これを機に両社の競争は激化の一途をたどることになる。
2001年7月、ペプシが映画『猿の惑星(THE PLANET OF APES)』のフィギュアを出すと、8月にはコカ・コーラが映画『ジュラシックパーク3』のフィギュアで応戦した。
当時、フルタ製菓の『チョコエッグ』の動物フィギュアが、リアルな造形に定評がある海洋堂とのコラボにより大ブレイクしていた。その「食玩ブーム」の火付け役である海洋堂と組んで、ハイレベルな恐竜フィギュアを制作したのである。
マニア垂涎の事態に盛り上がる中、12月にはペプシが映画『ダイナソー』のボトルキャップで逆襲。
W杯公式スポンサーの強みを生かしたコカ・コーラ
2002年、サッカーワールドカップの日本開催に合わせ、公式スポンサーであるコカ・コーラは、サッカーをモチーフにしたLEGOや、サッカー選手のフィギュアで攻めに攻めまくる。
特に、世界中にコレクターが存在するサッカーフィギュアメーカー『コリンシアン』が手掛けた選手のフィギュアは大人気に。市販のものと比べても遜色ないクオリティであり、ヨーロッパで活躍する一流プレイヤーがラインナップ。日本からは、当時大活躍していた小野や稲本も登場とあって、その人気は凄まじいものがあった。
対するペプシは、再び『スター・ウォーズ』で勝負に出るが、ワールドカップの熱狂には押されがち。そこで、根強いファンに支えられているアニメ『機動戦士ガンダム』も追加し、新たなファンの拡大を図っている。
イチローやスニーカーもボトルキャップ化したペプシ
ペプシはこの時期、様々なモチーフをボトルキャップにしている。
変わったところでは、ファッションブランド『A BATHING APE』のキャラクターや『アディダス』のスニーカーといったラインナップも。また、シアトル・マリナーズ時代のイチローのみで構成されたものもあった。
アニメ『フランダースの犬』『あらいぐまラスカル』などの『世界名作劇場』をオマケフィギュアにしたサッポロ、深海生物フィギュアをシリーズ化したダイドードリンコなど、他社もオマケフィギュア市場に参戦するが、ブームに乗った打ち上げ花火の印象が強かった。
ペプシは、前述の『スター・ウォーズ』『ガンダム』を始め、『ピーナッツ(スヌーピーの漫画)など、シリーズ化も得意としており、トータルの人気では他社を圧倒していたのは間違いない。
2005年、公正取引委員会の注意が端を発する形となり、中身が見えない「ブラインド方式」だったオマケフィギュアは、各社が自主規制することで中身が見える「オープン形式」に変更となっている。つまり、現在は購入前にオマケの中身が確認できるのだ。
思わぬハズレフィギュアを引いてしまった際の悔しさも今となってはイイ思い出である。
※イメージ画像はamazonよりペプシ ボトルキャップ イチロー 全26種