これまで多様な進歩を続けてきた携帯型通信機器。なかでもモバイル通信の歴史において、異彩を放つ過去の遺物といえば、「ポケベル」でしょう。
ポケベルことポケットベルは、完全受信型の通信端末。日本では、1968年に日本電信電話公社よりサービスが開始し、80年代後半から通信速度の高速化・低料金化が進み、利用者数が拡大。
90年代に入ると、女子高生を中心に一大ブームとなり、数字を使った語呂合わせでメッセージを送るという暗号のような言葉遊びが流行します。
若者の間でブームになったポケベル
たとえば、「0833=おやすみ」「114106=あいしてる」などの基本的なものから、「999=サンキュー」、果ては、「-015=ボウリング行こ」まで(「-0」はボウリングを意味)。
今の常識から考えると、なんとも不便。けれども、手紙と固定・公衆電話しか連絡手段がなく、好きな子の家に電話しようにも、親御さんが出たらどうしよう……などとビクビクしなければならなかった時代。
当時の若者にとって、気軽に持ち歩けていつでも連絡を受けられるポケベルが、いかに画期的なものだったのかは、想像に難くないというものでしょう。
そんなポケベルが隆盛を誇っていた90年代前半。一つの象徴的なメディアコンテンツがつくられて、大きな話題を呼びました。それが本稿で紹介する『ポケベルが鳴らなくて』です。
ポケベルの全盛期は1993年ではありません。ポケベルの契約数が最大だったのは1996年であり、数字の語呂合わせではなくカナでメッセージのやりとりが出来たこの年が全盛期と言えます。
96年の頃 携帯電話のPHSとポケベル所有してなかったです。テレフォンカードしか持っなかったのと小銭で電話かけてたくらい あと自宅の固定電話から電話うけてました。