今年でデビュー20周年を迎えるKinKi Kids。去る5月14日、彼らのアニバーサリーイヤーを飾るにふさわしい、楽しみな特番の放送が発表されました。


かつて、堂本光一×堂本剛のW主演で話題になった連続ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』(日本テレビ系)がこの夏、スペシャルドラマとして復活を果たすというのです。

同作は、1997年放送の最終回に「20年後、またこの場所で会おう」と言って別れた仲間たちがその誓いを果たすべく、再集結する設定になっているのだとか。
演出・堤幸彦×プロデュース・櫨山裕子など、主要スタッフも当時のままということで、果たしてどんな内容に仕上がっているのか……。ファンならずとも、期待せずにはいられないというものでしょう。

このように、キンキ20周年記念で華やかにも脚光を浴びている『未満都市』。
ですがこのドラマ、さまざまなトラブルに見舞われた挙句、再放送もDVD化もされていない“幻の作品”として、長らく日の目を浴びずにいたことをご存知でしょうか?

バイオハザードによって荒廃した街が舞台の『未満都市』


まずは、『未満都市』がどんな内容のドラマなのか、簡単に説明していきましょう。

ある日、千葉県の臨海幕原地区(幕張がモデル)で、大規模な地震が発生したとのニュースが流れます。けれども、地震というのは政府による情報操作。本当は、大人が感染すると数時間余りで死んでしまう微生物「T幕原型」に街全体が汚染されるという、未曾有のバイオハザードが発生したのです。

被害拡大を防ぐべく、街はただちに封鎖。陸の孤島となった幕原地区は、大人が死に絶えた末に未成年が支配する不法地帯と化します。
そんな荒廃しきった街を舞台に、ヤマト(堂本光一)とタケル(堂本剛)を中心とした少年たちが、さまざまな事件を乗り越えて成長し結束を深め、街に秩序を与えていくのです。

漫画『チャイルド★プラネット』に酷似していると批判


多くの人にとって、「大地震」「汚染」という事象が、20年前よりもリアルな危機として捉えられている昨今。いち早くこれらのテーマを描いていた『未満都市』には、先見の明があったと言わざるを得ません。
しかし、同作は放送開始当初より、ある漫画に似ていると盛んに指摘されていました。

それは当時、『週刊ヤングサンデー』に連載していた『チャイルド★プラネット』という作品です。ちょっと共通点があるレベルの話なら、見て見ぬふりもできたのでしょう。
ですが、「成人だけが感染する殺人ウイルスにより、街の大人たちが全員死ぬ」「街が封鎖されて、子供たちだけのゲットーができる」という物語の根幹を成す設定部分が酷似していたため、さすがにそうもいきませんでした。

この批判を受けて『未満都市』では放送途中から、作者である竹熊健太郎と永福一成の名前が「協力」として、クレジットされるようになったのでした。

出演ジャニーズタレントの不祥事・退所問題も


そして同作へ、さらなる追い討ちがかかります。

放送終了後、出演者の一人が飲酒・喫煙している姿をフライデーされ、ジャニーズ事務所を解雇。さらには、同事務所所属の別の出演者が学業に専念するため、芸能界を引退しました。
これら要因も重なり、現在まで再放送もDVD化も見送られるという憂き目に遭っているのです。

以上のように、問題続きだった『未満都市』。しかし、若き日のキンキの2人や宝生舞、矢田亜希子、加えてこれが連ドラデビュー作となった嵐加入前の松潤と相葉雅紀の初々しい演技を見られる同作は、いまだファンの間で根強い人気を誇っているのも事実です。
20年目の新作公開を機に、なんとか諸般の事情を乗り越えて、再放送やオンデマンド配信でもして欲しいものです。

(こじへい)
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