火曜ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)が話題だ。

ヒロインの夫役を演じる東出昌大の狂気的な演技も話題だが、同じく注目が集まっているのが、ヒロインの不倫相手の妻を演じる仲里依紗の怪演。

ドラマ「あなそれ」の中で仲里依紗が演じる有島麗華は、地味めなルックスの、賢い妻でありやさしい母である女性だが、夫の不倫に気づいてからは彼を冷静に追いつめていく。

女優・仲里依紗が久々に本領を発揮した!という印象を感じさせるこのドラマは、彼女の代表作として今後も挙げられることは間違いなさそうだ。

2013年に結婚した仲里依紗


2013年に俳優の中尾明慶と結婚し、一児の母となってからも、「ママ感」はそれほど前面に出さず、数々のドラマやテレビ番組などに出演してきた仲里依紗。
Instagramでは派手な個性派ファッションを日々更新したり、鍛え上げたボディを披露したりと、プライベートにもゆずれないこだわりが垣間見える。

一方で、夫の中尾のSNSでの発言などによると、仲は家事や育児にも手を抜かず、見えないところでストイックな日々を送っているようだ。
ルックスと演技力にはますます磨きがかかりつつ、妻や母としての演技の広がりにも期待できそうな仲里依紗だが、ここでデビュー当時の仲の活動について振り返ってみたい。

仲里依紗のティーンズモデル時代


仲里依紗のデビューは、雑誌モデルとして登場した2002年にさかのぼる。

漫画雑誌『ちゃお』で連載されていた人気漫画『シンデレラコレクション』(今井康絵)のヒロイン・ニーナに似た女の子を探す、という主旨のオーディションで特別賞を受賞したのがデビューのきっかけ。その後、ティーン向けファッション雑誌『CANDy』の専属モデルになった。

『CANDy』は2001年から2006年という短い期間に刊行されていた雑誌だが、CANDyモデル(通称「CANモ」)の中には蒼井優、大政絢、森絵梨佳など、その後もモデルや女優として活躍することになる原石が多かったのも特徴だ。

清純派からセクシー路線へ!?


仲里依紗が女優としてのキャリアを積み上げていくきっかけになったのが、声優として主演をつとめたアニメ映画『時をかける少女』(2006年)だろう。
その後、2010年の実写版でも仲はヒロインを演じ、さわやかなイメージで人気を得た。しかし清純派だけにとどまらず、仲の演技の幅は広い。

時代は前後するが、仲里依紗の知名度を一気に上げたドラマが、2008年の『ハチワンダイバー』(フジテレビ系)だろう。

胸の谷間を強調するセクシーなメイド衣装がインパクト抜群だったドラマだが、その後の仲がたびたびお色気路線でも注目を集めるきっかけになったのではないだろうか。

たとえば、映画『ゼブラーマン −ゼブラシティの逆襲−』(2010年)ではかなり露出度の高い衣装で悪役・ゼブラクイーンを演じきった。同時にこの映画の主題歌もゼブラクイーンとして担当し、セクシーなスタイルと悪役全開の濃いメイクで歌手デビューも果たした。

2010年には、この『ゼブラーマン~』と『時をかける少女』で日本アカデミー賞(新人俳優賞)はじめ、複数の映画賞を受賞。テレビドラマでも、『ヤンキー君とメガネちゃん』(TBS系)や『日本人の知らない日本語』(読売テレビ)など人気作への出演も続いた。
2010年は仲里依紗の女優人生「前半」の、クライマックスとなった1年だといえる。

その後映画『ハラがコレなんで』(2011年)とドラマ『つるかめ助産院~南の島から~』(2012年 NHK)と妊婦の役を演じることが続いたが、奇しくも『つるかめ助産院』での共演がきっかけとなり中尾明慶と出会ったことで、自身も妊娠・出産を経験することになる。

出演作品がとても多いわけではないわりに、強い存在感を放ってきた仲里依紗。
現在27歳だが、30代、40代と年齢を重ねるほどに役の幅が広がり、味のある演技を見せてくれそうな気もする。かっこいいおばあちゃんになりそうな予感もあるので、祖母役を演じる年齢になるまで女優業を続けていてほしいものだ。
(空町餡子)

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