
今年110年ぶりに性犯罪についての刑法が改正され、法定刑の下限が懲役5年に引き上げられるなど、厳罰化の方針が反映されることになった。6月21日の『あさイチ』(NHK系)では今注目を集めている「性暴力被害」というテーマを取り上げた。
「性暴力被害」についての意見にジョン・カビラが反論
番組ではまず、ロシアで性暴力への偏見に一石を投じるファッションショーが行われたことを紹介。ショーは性暴力被害者の女性たちが、その被害を受けた時に着用していたのと同じ服装で登場するというもの。しかし彼女たちが披露したのは普段着にしか見えない服装ばかりで、「性暴力を受ける女性は過激な服を着ているわけではない」と訴える内容になっていた。
さらに「15人に1人の女性が異性に無理やり性交されたことがある」「加害者の75%が面識のある人物」といった内閣府の調査データも取り上げられ、性暴力被害をめぐる実態と偏見とのギャップについて問題提起している。
番組には実際に性暴力被害を受けた女性など、さまざまな人からFAXで意見が寄せられたのだが、中には60代男性による「被害に遭ったときに激しく抵抗し、大声を出せば避けられるのではないかと思う」といった意見、70代男性からの「死ぬ気で抵抗すれば防げる。性交が成し遂げられたのは女が途中で諦め、許すからである」といった意見も。
こうした意見に対してタレントのジョン・カビラさんは「ありえないですね」と一刀両断。「例えばですよ、70代の男性には娘さんがいるかもしれない。もしくは奥さまがいるかもしれない。その被害に遭ったら娘さんや奥さんに同じ言葉を言えますか? 最後まで抵抗しなかった君が悪いって言えますか?」と反論した。
続けてカビラさんは、「プロレスラー並みの体格の男性にレイプされる可能性もありえるわけですよね。その時にあなたは命がけで最後まで戦えますか? そんなことは無理ですよね」とコメントしている。
カビラさんの反論に対して、ネット上では「あさイチでやってた性暴力の視聴者FAXにムカムカしたけど、その後にジョン・カビラ氏が反論を述べた内容がすごく正論で良かった」「あさイチで性暴力について討論があったけど、コメンテーターだったカビラさんの言葉は女性として嬉しく思った」といった声が続出した。
「性行為の同意」も関心を集める
また番組では性行為前にお互いに同意したことを記録できる海外のアプリが紹介され、「日本語版も出ればいいのに」といった反響が上がっている。ネット上では「性行為の同意」というテーマが度々話題を呼び、今年5月にはTwitter上で“性行為の同意を紅茶に例えた動画”が注目を集めていた。
その動画は元々イギリスの警察署が制作し、ツイートの投稿者が日本語字幕をつけたもの。「紅茶を淹れてあげたとしても、相手にそれを飲む義務はない」「飲みたいとはっきり言った時にだけ飲ませる」といった内容がイラストつきで解説されていて、約11万のリツイート、約15万の「いいね!」が寄せられている。