6月17日に行われた「第9回AKB48選抜総選挙」において、NMB48の須藤凜々花が結婚を発表した。
須藤は将来の夢に哲学者を掲げ、著書『人生を危険にさらせ!』(幻冬舎)を発表するなど、アイドルらしからぬ活動を行ってきた。
今回のサプライズ結婚発表もそのひとつなのだろうか。

20歳で結婚・引退したアイドル


90年代には須藤に同じく、20歳で結婚を発表し突然引退したアイドルがいる。それが井出薫だ。
1976年生まれの井出は、中学在学中の1991年、15歳でドラマ『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)に出演し、芸能界デビューを果たす。その後、JRの青春18きっぷのポスターや、代々木ゼミナールのCMに出演し、黒髪の似合うはっきりとした顔立ちの正統派美少女として人気を獲得してゆく。

1994年に発売された1冊目の写真集『17歳・セブンティーン』(コンパス)にアイドル研究家の北川昌弘が寄せた文章では、井出薫は当時の流行りであったハーフ系やモデルっぽい顔立ちとも違う「丸顔の純日本的な存在」であり、「笑顔や愛想をふりまいてコビを売ってしまうような既成のアイドル路線とはまるで違う存在」と位置づけられている。

女優としても活躍した井出薫


井出薫は女優としても活躍した。1994年に放送された『幕末高校生』(フジテレビ系)では、高校生の主人公たちがタイムスリップした江戸時代で出会う遊女・おかよ役を好演する。

さらに同年にフジテレビ系の深夜番組として放送された『文學ト云フ事』では、イメージモデルを務めた。
この番組は、古くさいイメージの近代文学作品を、芸能人が出演する予告編映像などを用いて、ポップに紹介する演出が話題となり、放送翌日には書店で紹介された作品が売り切れることもあった。

さらに1995年に東山紀之主演で放送された『ザ・シェフ』(日本テレビ系)では生まれつき目の見えない盲目の美少女、柏木紀子役を演じたかと思えば、1996年の『将太の寿司』(テレビ朝日系)では、主人公の幼なじみで活発な女性、渡辺久美子役を演じている。

クリスマスイブに入籍……芸能界を電撃引退


1996年の9月には、イタリアのシチリア島で撮影された2冊目の写真集『fiato』(ワニブックス)を発売。少女のあどけなさと、大人の魅力が混ざった10代最後の姿が映し出されている。

ところが、これからの活躍が期待された矢先、1997年1月に前年のクリスマスイブの入籍が報じられると、そのまま芸能界を電撃引退してしまう。
お相手は『文學ト云フ事』で演出を担当した片岡Kであった。

その後、井出薫は表舞台にほとんど出ることがないため、まさに幻の美少女アイドルとなっている。
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