座ってPC作業は禁止 アイリスオーヤマの「働き方改革」に賛否両論
画像はアイリスオーヤマのプレスリリースより

生活用品を手がける「アイリスオーヤマ」が、働き方改革の一環として、オフィスで座ったままPC操作することを禁止した。この施策について、ネット上では賛否両論の声が上がっている。



「働かせ方改革だ」と批判も


アイリスオーヤマでは健全なワークライフバランスを実現し、労働生産性を高めるという目的のため、自分の席で座ったままPC作業を禁止。自席の隣にPC用のスタンディングテーブルを設置し、立ったまま作業させる取り組みを始めた。ただし、業務上PCが必須の部署や、身体的に問題がある場合は対象外となる。

もちろん全てが立ち仕事になるというわけではなく、PC作業をする時以外は自分の机で座って仕事をすることになる。同社の発表によると、主な狙いは「集中力と作業効率を高めて、労働生産性の向上を図る」「眠くなることを防ぎ、独創的なアイデアの創出を促す」「血流と代謝が改善され、健康維持につながる」といった点にあるという。

朝日新聞の取材に答えた社員は「クリエーティブになり、残業も減ったような気がします」と話している。

同社では2007年から自席にPCを置くことを禁止し、使用する際は専用のデスクまで移動する必要があった。
一回あたりのPC使用時間も45分までと決められていたが、スタンディングテーブルに移行することで順次撤廃されるという。
座ってPC作業は禁止 アイリスオーヤマの「働き方改革」に賛否両論
画像はアイリスオーヤマのプレスリリースより

ネット上ではこの働き方改革に賛否両論。
「選択肢を増やすのは良いけど強制は最悪やん」「これは『働き方改革』じゃないよ。 『働かせ方改革』だよ」「むしろ効率下がってない?」といった否定的な意見が見受けられた。また「女性のヒールも止めさせればいいのに」と女性に同情する声も。

一方で「立ち作業意外とはかどるからおすすめ」「全てをPCの前でしなくても良いという考えには賛同」「確かにヒールはきついかもしれないけど、健康のためには立ち仕事が良い」といった肯定的な反応もある。



座って仕事するのは時代遅れ?


立ったまま働く「スタンディングワーク」は欧米を中心に流行していて、日本でも様々な企業が導入してきた。キヤノン電子も2000年以降、一部工場のオフィスから椅子を撤廃する取り組みを行ってきたことで知られ、会議時間が短縮されるなどの成果があったと言われている。

また2012年には、化粧品会社・中野製薬がオフィスの椅子をバランスボールに変える取り組みを導入。社員の健康増進を目的に社長が発案したアイディアだが、ネット上では報道を見た人から「机が低すぎて猫背になるし、長時間座ると腰痛めそうだなぁ」「腰に負担が掛かって、かえって腰痛が悪化しそうな気がする」と疑問の声も上がっていた。