第16週「アイアイ傘とノック」第92回 7月18日(火)放送より。
脚本:岡田惠和 演出:堀内裕介

92話はこんな話
三男(泉澤祐希)の兄・角谷太郎(尾上寛之)と時子(佐久間由衣)の兄・助川豊作(渋谷謙人)が東京にやって来た。
サブタイトルの「ノック」の意味がわかる回。
「愛しちゃったのよ♪」と無邪気に相合傘を書いているみね子(有村架純)と、うなだれている島谷(竹内涼真)の対比が不安を煽る。
すずふり亭では、お客様が店内でプロポーズして、それを見たみね子は、いつか自分もプロポーズされる日を夢に見てしまう。ああ、もう完全に舞い上がっている。
一方、実家のある佐賀か帰ってきた島谷は、まっすぐ帰りたくないと、結婚もしてないのに、家庭持ちのサラリーマンみたいなことを言って、バー月時計で時間を潰す。タイミングよく、早苗(シシド・カフカ)がやってきて話の聞き役に。
島谷は、親が年をとったことを目の当たりにしてショックを受けた話を吐露、しかも、会社の経営がうまくいってないらしい。これは、“お金持ちのお坊ちゃん”というレッテルを外すチャンスだが、どうなのか?
恋がいっぱい
「奥茨城の人はハヤシライスが好きですね」と言われながら、三男と奥茨城の兄貴達は、ハヤシライスを食べる。
それを見守る厨房では、愛子(和久井映見)に一目惚れされた省吾(佐々木蔵之介)の様子がおかしい。茨城弁をしゃべったり、少々浮かれ気分で「言われただけだもん」などという言葉遣いに。
また、太郎に、リンゴのニオイがするといった高子(佐藤仁美)は、角谷家の嫁候補に?
その流れから、みね子の恋の話が兄たちにもバレる。
仕事が終わって、部屋に戻ったみね子は、夜遅いので遠慮していると、島谷が隣の部屋からノックして、話しかけてくる。恋愛初期のドキドキが続きます。
それにしても、鈴子(宮本信子)は、奥茨城の青年団のことも知っていた。本当にみね子はどこまで喋ってるのか。
少女漫画への転向をはかり、みね子をモデルに漫画を描こうとしている漫画家くんたちには、「みね子はおしゃべり」とかいう漫画を描いてほしい。
おまけ 不定期 昼ドラとの比較
昼の帯ドラ「やすらぎの郷」(テレビ朝日)と微妙にかぶる点を、このレビューでは、時々あげているが、「やすらぎの郷」も今週は恋の週だ。それも、「やすらぎ」は年齢差、「ひよっこ」では身分差の恋。
そして、先週、病床に臥せっている老女の、「ゴーヤ」「サータアンダギー」(72話)と言う寝言は、岡田惠和作「ちゅらさん」を思い出させる。とりわけ、「サータアンダギー」は、「ひよっこ」にも参加しはじめた菅野美穂演じるメルヘン作家のエピソードとして描かれているので、気になってならなかった。
なんでこんなに微妙にかぶるんだろう。
(木俣冬)