ニンテンドーDS/3DSで人気を博し、今年で10周年を迎えた本シリーズ。

これまでの「レイトン」に忠実な作り
今作の主人公は英国紳士のレイトン教授……ではなく、その娘、カトリーエイル・レイトン(CV 有村架純)。物語はカトリーが「レイトン探偵社」を開くところから始まる。なぜか人間の言葉をしゃべる犬のシャーロ(CV 役所広司)、押しかけ助手のノア(CV 坂口健太郎)と共に、ロンドンに巻き起こる様々な「謎」を解き明かすカトリー。オープニングではテーマ曲の西野カナ「Girls」がガッツリ流れ、頑張る女子を完全バックアップする構えである。

ゲーム画面はスマホの縦画面を上下に二分割した構成になっている。ロンドンの街を探索するモードでは、上画面でキャラクターたちが会話し、下画面で探索に使う虫眼鏡カーソルの操作やマップ移動を行う。3DSの2画面を縦画面ひとつでこなしているのだ。
ゲームの途中にはムービーも頻繁に流れるのだが、初期設定では横画面で再生されるので、ゲームとムービーで縦横が切り替わって忙しい。ムービー再生中に画面をタップすると縦横を切り替えるボタンが現れるので、気になる人は縦に統一するといい。

エピソード1「時計仕掛けのスウィーツ」では、ビックベンの短針が1本盗まれるという事件が発生。事件現場や探偵社付近を移動しながら、街の人に聞き込みをしたり、怪しいところを調べたりと調査を進める。

これまでのレイトン教授シリーズは、『頭の体操』でお馴染み多湖輝がナゾを監修していた。今回は「ゴースト暗算」開発者の岩波邦明がナゾを監修している。まだエピソード2にさしかかったところだが、文章題よりも、ジグソーパズルやマッチ棒パズルといった手を動かすパズルが多い印象を受けた。
とはいえ、コインを使うヒントや、メモを取れる画面、正解時の「ピカラット」の獲得など、ナゾ解きのシステムはこれまで通りで、「久しぶりにレイトン教授を遊んでる……!」という楽しさがある。ストーリーを進めるだけならそれほどナゾを解かなくてもいいのだけど、街に隠されているナゾを余すとこなく探し回ってしまう。
ちなみに、エピソードをクリアした後、もう一度同じエピソードをプレイするとナゾが増えているらしい。クリア後のお楽しみが多いのもレイトンファンには嬉しい。

新要素は「着替え」と「模様替え」
主人公が女子ということもあってか、今回新たに「カトリーの着替え」と「ルームコーディネート」の要素が追加されている。
「カトリーの着替え」では、カトリーに好きな衣装を着せ、そのままゲーム画面に登場させることが可能。新しい衣装は3DS版ならゲーム内の「スペシャルコイン」を使って交換できるが、スマホ版では課金して購入する。

「ルームコーディネート」はレイトン探偵社の壁や床、調度品など8カ所のインテリアを好みの物に変更可能。新たなインテリアはナゾ10問正解ごとに1枚もらえる「インテリアチケット」を使って入手する。こちらは3DS版もスマホ版も同様だ。

このインテリア、実はチケット以外にも入手方法がある。本作の発売を記念したキャンペーンサイト「レイトンミステリージャーニー 世界ナゾトキ大冒険」だ。「リアル脱出ゲーム」を手がけるSCRAPが協力し、3ヶ月間に渡って世界10カ国に50問のナゾを仕掛けるという、壮大なキャンペーンを行っている。

執筆時点でオープンされているナゾはまだ18問。ナゾを解くと「ルーレットチケット」がもらえ、サイト内でルーレットを回すとアイテムが手に入る。なかにはゲームに引き継げるインテリアもあるので、レアインテリアが欲しい人はチェックしておこう。

3DS版とスマホ版が同じ内容で同時に発売されるというニュースを聞いたときは驚いたが、スマホでプレイしてみるととてもしっくりくる。元々タッチインターフェイスに特化したゲームなので、スマホ画面のタップ操作でもなんら違和感なくプレイできる。
シリーズの世界観はそのまま、エピソードごとにボリュームもあり、「シャーロはなぜしゃべれるのか?」という大きな謎も残っている。スマホ版の価格1900円は他のゲームアプリに比べれば高額だが、3DS版が4800円であることを思えば納得できる範囲だ。あと……あとですね、有村架純のカトリー、ちょっと気だるい感じの声がすごくいいですよ……。
『レイトン ミステリージャーニー カトリーエイルと大富豪の陰謀』
ニンテンドー3DS版/iOS版/Android版
(井上マサキ)