最近、日本で26人しか取得者がいないという「インド政府公認のヨガインストラクター」に合格した片岡鶴太郎。ヨガの効果で自らの体重を65kgから43kgまでに減らしたというほど。
熱心でハングリーなその姿はニュースでも話題を集めた。

最近では主に画家や俳優として活動している片岡鶴太郎だが、そもそも彼は一世を風靡しお茶の間を沸かせていたお笑い芸人・バラエティタレントだった。「片岡鶴太郎=鶴ちゃん」としての活躍が印象深い人も多いのではないだろうか。

「元祖マルチ芸人」だった片岡鶴太郎


片岡鶴太郎がお笑い芸人として、一気に世に知られたのは伝説の番組「オレたちひょうきん族」への出演だった。

片岡鶴太郎は正統派のお笑いというより、モノマネ芸においての評判が高く、そのレパートリーも近藤真彦、小森和子(小森のおばちゃま)、具志堅用高、たこ八郎など、様々に個性的なキャラクターの身振りや口ぶりをマネしてブレイク。
「マッチでえーーーす!」や「た、こ、ですぅっ!」など、子供もマネしやすいフレーズを連呼して、人気を得ていたのが印象深い。

また同じ「オレたちひょうきん族」での身体を張ったリアクション芸も話題になり、のちにダチョウ倶楽部の鉄板ネタとなる“アツアツおでん”の芸なども片岡鶴太郎が先駆けと言われている。

流行語「プッツン」の元祖?


そんななか、深夜番組や若者むけの番組での司会が人気となり、日本テレビ系で土曜夕方に始まったバラエティ番組が「鶴ちゃんのプッツン5」だった。
この頃には「鶴ちゃん」という愛称が定着し、「鶴ちゃんの~」という自名がついた冠番組をいくつかもつほど、マルチタレント、司会者としてのイメージが強くなっていた。

「鶴ちゃんのプッツン5」は1992年まで6年にわたり放送されたが、その番組では、西田ひかるや石田ひかりが番組アシスタントを経験していたり、まだ下積みだった笑福亭笑瓶がレギュラー出演していたり、番組の美少女オーディションに当時8歳だった安達祐実が参加していたりと、振り返るとたくさんの逸材を輩出している。

また今では死語となっているが、この番組できっかけとなりブームとなった「キレる」「おかしくなる」という意味の“プッツン”というフレーズで、片岡鶴太郎が流行語大賞を受賞した。

その後、片岡は司会者やお笑い芸人としての活動を控えていき、俳優業の仕事が増えていく。
そして俳優業のかたわら、ボクシングトレーニングへの傾倒、さらには岡本太郎に触発されて始めたという画家としても活動も精力的であり、個展を開催するまでに至った。


今ではお笑い芸人の枠におさまらない活動を繰り広げているようだが、未だお笑いタレントの肩書きは健在。そのうち、「ひょうきん鶴ちゃん」時代のような姿をまた見られる機会も増えるかもしれない。
(空町餡子)

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