ファミコンのIIコントローラ搭載マイクの懐かしき(恥ずかしき)思い出
画像はAmazonより

ファミコンのIIコントローラ(通称ツーコン)には、多くの人にとって思い出深い機能が搭載されていた。それが「マイク」である。
なぜIIコントローラにだけ搭載されていたのか、なぜ「マイク」だったのか、そんな疑問はファミコン全盛当時から我々の頭に浮かんでいたが、それはそれ。なんだかんだいってマイクを使った思い出を持っている人は多いだろう。

マイクを使って裏技的発見をしたあの日


ファミコンソフトのなかには、マイクを使うことでしかゲームを進めることができないものが存在した。クソゲーの名を欲しいものした伝説のタイトル『たけしの挑戦状』では、カラオケイベントでこの機能を必要としたことが有名だ。

そのほかにも『ドラえもん』では特定のステージにおいてマイクで声を発するとボーナススコアを獲得できたり、アイテムを獲得できるといった攻略ができた。

なかには、ソフトの説明書にIIコントローラのマイクに関する記載があったゲームもあったのかもしれない。しかし、筆者が物心ついてファミコンで遊ぶようになった時代は中古ファミコンショップ全盛の時代、箱・説明書なしのソフトのみで購入することが多かった。
マイクを使った攻略=裏技の発見だったのだ。

マイクで喋ると裏技が発見できたという成功体験がある者は、ゲームの進行に行き詰まったら“とりあえずマイクで喋ってみよう”とマイクにすがることも少なくなかった。

なお、個人的に最も興奮したのは、『仮面ライダー倶楽部』でマイクを使うとアイテムの風車を回す(体力回復)ことができるという事実を発見したときだ。あの興奮は今でも忘れないが、案外多くの人が知るところだった。

ツーコンマイクと懐かしき思い出


IIコントローラのマイクは小学生だった筆者にとって裏技以外でも様々な場面で活躍してくれた。例えばゲームに飽きたときに、ゲームのBGMに合わせて歌ってみたり、友だちや兄弟のプレイの邪魔をするために使ってみたり。
無論、多くの場合はケンカに発展したことは言うまでもないだろう。

また、懐かしき(恥ずかしき)思い出も少なからずある。それは『ドラゴンボール』を遊んでいたときのこと。ドラゴンボールを7つ集めると願いが叶うはずなのだが、一向に神龍が出てくる様子がない。これはマイクの出番だと、得意気に「いでよ神龍!」とIIコントローラのマイクに口を近づけて語りかけた。「絶対そうだ! この方法以外ない」と確信しながら。
それほど自信満々だった。

神龍は現れなかった。

(空閑叉京/HEW)