「ワールドヒーローズ」シリーズの濃すぎるキャラと設定が多くのゲーマーを虜にした
『ワールドヒーローズ』画像はAmazonより

SNKの格闘ゲームは数あれど、『ワールドヒーローズ』シリーズほどプレイヤーに強烈なインパクトを与えた格闘ゲームはそう多くはないだろう。

すごい設定、そしてキャラクター


同ゲームは、“歴史上で最強の英雄は誰なのか?”という疑問を持った博士が、その疑問を解決するためにタイムマシーンを作ってそれぞれの時代の最強の英雄同士を戦わせるという設定。なんの大義名分もなく、なんだかよくわからない博士の興味で戦わせられることになってしまった時代の英雄たちが不憫でならない…。


主に歴史上の偉人たちをモデルに作り込まれたキャラクターは、それぞれが非常に特徴的だ。忍びとはなんぞ…と思わず考えさせられるほど「オラオラ!」うるさい忍者や、「ワチョー!」を連呼するブルー○・リーを完コピしたような武闘家、力は強いがとにかく動きが遅すぎるプロレスラーなど、一癖も二癖もあるヤツばかりだった。

「うるさい」「動きが遅い」ならまだいい。秘密の花園に連れ込んで性別問わずにニャンニャンしてしまう超必殺技を持つ愛の伝道者や、自爆してしまう改造人間など、90年代前半にしてすでにクラシックとして完成されたかのような濃すぎるキャラクターの面々は、毎プレイごとに誰を使うかが楽しみで仕方なかった。

容赦なき「デスマッチ」バトル


個性派揃いのキャラクターも魅力だったがそれより魅力的だったのがバトルシステムだ。『ワールドヒーローズ』シリーズ全4作のうち、最初の2作にだけ搭載された「デスマッチ」は特に熱中できるシステムだった。

それまでの格闘ゲームはシンプルに目の前のキャラクターと戦って勝敗を競うものだったが、『ワールドヒーローズ』シリーズのデスマッチでは、相手以外にステージ上のトラップにも注意しながら敵と戦うというスタイルになっており、勝負をより白熱するものにした。

さらに無慈悲なデスマッチとして「髪切りデスマッチ」というものもあった。このデスマッチでは、システムの特徴でもあるトラップなどは出現しないが、負けたら髪を切られてしまうのだ。男であろうが女であろうがお構いなしに。勝負後に見られるキャラクターたちの負け顔は、通常は鼻血ブーなり泣き顔だったりするものだが、この髪切りデスマッチ後は泣きっ面にツルッパゲだった。

女性キャラすら負ければツルッパゲにしてしまう「髪切りデスマッチ」バトルは、世が世なら炎上案件だろう。
90年代だったからこそできたバトルだったのかもしれない。

(空閑叉京/HEW)
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