ドラクエシリーズの最新タイトル『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(PS4 / 3DS)が発売された。早くも国内におけるパッケージ出荷とダウンロード販売本数が、300万本を突破するなど、大きな話題となっている。


学校を休む子ども、カツアゲ……社会問題となったブーム


1986年に第一作が発売されたドラクエシリーズの人気を決定的なものとしたのは、1988年発売の『ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 』だ。
「ドラクエ3」はあまりの人気ぶりから、社会問題を引き起こしたことでも知られる。

■学校を休む子どもが続出
ソフトの発売日が平日であったため、学校を休む子どもが続出した(ついでに言えば会社を休む大人も存在した)。前作の「ドラクエ2」が生産が追いつかず、品薄状態となったこともあって、確実に入手しようとする人間が量販店に殺到する形となった。

■「抱き合わせ商法」が横行
量販店の中には不人気ソフトとセット販売する悪徳業者も。これは「抱き合わせ商法」と呼ばれる違法行為である。

■「ドラクエ狩り」
やっと手に入れたソフトを不良にカツアゲされ奪われる悲惨な事件も起こった。
90年代にも品薄状態となったナイキのスニーカー、エアマックスが奪われる「エアマックス狩り」が問題となったが、それ以前には「ドラクエ狩り」も存在したのだ。

90年代もトラブルが……


『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(1990年発売)では前作で起きた問題を考慮し、発売日を日曜に設定したほか、発売本数を増やす対策がとられたが、今作でも違法な「抱き合わせ商法」が行われた。

また、ソフトの値段が8500円と高額に設定(当時のファミコンソフトの相場は5000~6000千円程度)されたこともあり、前作に続く「ドラクエ狩り」も発生した。
そのため、「ドラクエ=お騒がせソフト」というイメージは続くことになる。

しかし、ハードがファミコンからスーパーファミコンへと移った『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(1992年発売)では、事前に十分な生産本数が確保され、「ドラクエ3」「ドラクエ4」で起きたようなトラブルは減少した。

昨今、テレビゲームが全国的な一大ブームを起こすことはほとんどない。
だが、80年代~90年代の「ドラクエ」は、社会現象を引き起こしていたといえるだろう。

※文中の画像はamazonよりドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて (早期購入特典「しあわせのベスト」「なりきんベスト」を先行入手することができるアイテムコード 同梱)