第6週「ふたりの夢の寄席」第31回 11月6日(月)放送より。
現在、オンデマンドで、1〜6話、無料配信中。
脚本:吉田智子 演出: 東山充裕
![「わろてんか」31話。鈴木京香with貧乏芸人の活躍に期待する](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FExcite_review%252Freviewmov%252F2017%252FE1509980940452_0751_1.jpg,quality=70,type=jpg)
31話はこんな話
啄子(鈴木京香)に1ヶ月の猶予をもらった藤吉(松坂桃李)とてん(葵わかな)は、寄席にする物件を探しまわる。
芸人たちとごりょんさん、意外と気が合うのでは
いよいよ芸人長屋での生活がはじまった。
売れない芸人の集まりだけあって、役者のアサリ(前野朋哉)、「暗闇仕留人」(74年)の大吉みたいにくるみを潰す、怪力の岩さん(岡大介)、後面の吉蔵(藤井隆)、メガネにレンズがはいってないキース(大野拓朗)と、なんだか華のない(演じている方々のことではありません、役のことです)、あやしげな人たちばかりで、啄子は不愉快そう。
「酒でなくて、お茶け」というダジャレを笑えない啄子に対して、てんは“ゲラてん”の面目躍如とばかりに嬉しそうに笑う。
藤吉郎は彼らのことを家族だと言い、てんは「毎日笑うて過ごせそうだす」とのんき。さすが惹かれ合うだけはある。
ひとりまったく馴染めず、ぴりぴりモードの啄子に、アサリが「なんやこのおばはん」と暴言を振るう。
前途多難と思ったが、始末の仕方で、芸人たちから一目置かれた感じもある。
米の代わりに草をつき、塩で味付けするという貧乏芸人に対して、梅干しのほうが経済的という啄子。
梅干しは梅干しでも、見るだけ。「これがほんとの始末の極意」と言って去っていく啄子に、貧乏芸人たちは「すげえ」と目を見張るのだった。
鈴木京香with貧乏芸人 意外といい組み合わせになるかもしれない。
早くも、寄席物件を発見
啄子に、一か月の猶予をもらった藤吉とてんは、まず、ハコこと寄席小屋を探すことにする。
またしても無策でむやみやたらに動き回るふたり。
寄席を手放す話はないかと、聞いて歩く。
それを知った貧乏芸人たちは、大笑い(そりゃそーだ)。
しかも、小屋を手に入れるお金は少しずつコツコツ返していくつもりと言うが、破産して家土地手放したばかりでそんな余裕あるのだろうか・・・と言いたいが、これはファンタジーなので、リアリティーは求めちゃいけない。
「赤ずきんちゃん」でおばあさんに化けたオオカミに気づかないわけがないとか、「ラプンツェル」で、髪の毛をつたって塔を登れるわけはないとか、「桃太郎」で桃から子供が生まれるわけないなんていうのはナンセンスであることと同じだ(たぶん、きっと)。
現にファンタジーらしく、ふいにてんの履物の鼻緒が切れて、そのそばにあった祠にお参りをすると、
その向かいに端席(あまり立地のいいところにない寄席小屋)を見つける。
ここから、いよいよ動き出す感じ。
30話ののれんに続き、ここでも、背後のお正月飾り・紙垂と裏白が風で揺れていた。
今日の、わろ点
女中部屋から開放されて、同じ部屋で過ごせるようになった藤吉とてん。
手を握りみつめあい、気持ちが盛り上がったところで、啄子が入ってくる。
夜は夜で、ふたりの間で啄子が寝る、いやな川の字。
なんてベタなんだ!
それよりなにより、
お正月がやってきて、「いつかお客さんがいっぱい入る日本一の席主になりたいな」といつの間にか藤吉は、てんの悪魔のささやきにすっかり洗脳されていたことが、こわ面白い。
(木俣冬)