世界中の羊料理が大集合
大集合した世界中の羊肉料理を味わいつくす「羊フェスタ2017』」は二日間続けての開催です。JR中野駅から歩いてすぐの広大な芝生の公園に、青い屋根のテントがずらっと並んでいます。東京は2週続けて週末に台風の直撃を受けていましたが、今週は晴天に恵まれて、初日開幕の11時からたくさんの人が集まっています。

イベントを主催する羊齧協会(ひつじかじりきょうかい)は、およそ1200名の会員からなる羊肉をこよなく愛する消費者の集団。中立と公平を重んじるため、幹部に飲食業界関係者はおらず、消費者主導で羊肉を美味しく、楽しく、どこでも食べられる世の中を実現するための理想実現機関とのことです。
イベントでは幹部と義勇軍(ボランティア)の人たちが赤い腕章を着けて運営にあたっています。羊フェスタは今年で4回目。毎年、来場者が増え数万人規模のイベントにまで成長しました

開会式では、ゲスとしてMLA豪州食肉家畜生産者事業団の代表も登壇。この日、横浜では日本とオーストラリアがラグビーで対決していましたが、羊フェスタではノーサイド精神で仲良く羊をいただきます。

日本ではまだまだメジャーではない羊肉ですが、世界を見渡せば伝統的に羊料理を食べてきた地域が多くあります。そのため、テント屋台で出店しているお店は国際色豊か。

羊のイメージがあるオーストラリア以外にもヨーロッパ代表では牧畜が盛んなアイルランドやアイルランド。中国からは遊牧の伝統がある内モンゴル系に四川風。
素朴な味付けが美味しい羊肉
さっそく何品か食べてみました。まずは中国内モンゴル自治区の羊肉の塩ゆで。現地では「チャンスンマハ」と呼ぶそうです。骨付きの羊肉を塩味でゆで上げた豪快な直球料理。弾力のある羊肉のしっかりとした歯ごたえが魅力です。塩だけで味付けた素朴さが羊肉を引き立てています。

続けていただいたのは、カザンカボブという中央アジアの肉じゃが。大鍋で汁気がなくなるまでじっくり煮込んであるため、日本の肉じゃがと違って汁気はありません。香辛料のクミンが入っていて、香ばしい辛みがアクセントになっています。

少し変わったところでアイルランドのアイリッシュ・ラムシチューも食べてみました。羊肉から出るだしの風味に塩を振っただけのシンプルな半透明のスープ。
じっくり煮込んであるためか、固いという印象のあった羊肉もほろほろと崩れるくらい柔らかくなっています。クラフトビールもよく合います。できればコクがあるビールがおすすめです。

基本的にはラムチョップなどシンプルで豪快な焼き料理が中心の羊肉ですが、味付けやソースに工夫をすることでいろいろな味が楽しめます。ほかにも、カレーパンや麻婆風味の羊肉豆腐、焼きそば、唐揚げなど工夫をこらした料理も並んでいます。どの料理もよく言われているような「くさい」という印象はまったくありませんでした。

羊肉に合うお酒も気になる
お天気に恵まれたこともあって、正午過ぎになるとかなり混み合ってきました。ブースの前にはどこも長蛇の列ができています。

このタイミングで北海道のジンギスカンをPRするゆるキャラ、ジンギスカンのジンくんがお練りを開始。握手をしたい人、写真を撮りたい人たちが集まってきて、混雑にさらに拍車をかけています。

羊フェスタには食べる以外のコンテンツもあります。

ところで気になったのは、羊肉に合うお酒のこと。会場内では各ブースでいろんなお酒を売っていました。羊肉といえば何となくビールかな?と思うのは北海道ジンギスカンの影響かもしれません。
中国代表では紹興酒。南欧からは赤ワインのススメ。そして、この日は日本酒も参戦し、熱燗と羊肉の組み合わせをアピールしていました。世界中の羊料理の食べ比べだけでもお腹いっぱいになりますが、ここにお酒の組み合わせが加わると無限大に可能性が広がっていきます。

開始からわずか3時間後、14時の時点で売り切れが出るブースも発生しました。スタッフの方に聞いても昨年以上の大盛況とのこと。




(山根大地/イベニア)