「やっぱり」って、多くの視聴者は伊早山勇輝(西島秀俊)に“裏”があると確信していたのかしら? まあ、たしかにそんな匂いはプンプンしてたもんな……。

綾瀬はるかの大立ち回りを目撃していた本田翼
毎回、伊早山菜美(綾瀬はるか)のモノローグで始まるのがこのドラマの定型だったが、第8話は珍しく佐藤京子(本田翼)のモノローグからスタート。彼女が何を語っているかというと「私の夫は、たぶん浮気をしている」である。
とは言え、大原優里(広末涼子)から「ダンナさんの浮気の件、どうなった?」と問われたら「私の勘違いでした」と返答する京子。なぜか彼女、ごまかそうとするのだ。まあ、洞察力の鋭い菜美には「明らかに嘘をついていた」とバレてしまっているのだが。
あと、もう一つ。第5話にてクラブで大立ち回りした菜美の姿を見ていたと、京子は告白している。菜美は菜美で、主婦友に素性がバレかけているようだ。
西島秀俊の異様な目つき
佐藤家だけじゃない。今回は、伊早山家の妻も夫に対して疑心暗鬼だ。
「この前の出張から帰ってきて以来、勇輝さんの様子がどこかおかしく感じられる。ちょっとした微笑みにもウソが混じっているような、そんな気がする」(菜美)
もし本当に勇輝が“裏”を持っているとしたら、それが菜美にバレかけているということか。
自宅の防犯レベルを上げたいと相談するも、夫に却下された大原家と佐藤家。
今回は、この“いい夫”ぶりが裏目に出た。夫婦2人で買い物に出かけるも、財布を忘れ家へ戻った勇輝が空き巣と鉢合わせになってしまったのだ。
この空き巣、見るからにプロ。いきなり、上下打ち分けた拳を勇輝にお見舞いせんと鋭いコンビネーションを見せるし、一つ一つの動きがいちいち鋭い。
しかし、そんな相手の攻撃を的確にガードしてみせる勇輝。結局は顔面への打撃2発を喰らい崩れ落ちてしまうのだが、勇輝がただの一般人じゃないことは明らかだ。空き巣の存在を察した際、勇輝が見せた目つきは尋常じゃなかったし……。
綾瀬はるか、ヘッドスプリングを披露する
第8話で主軸となるのは、政治家・三浦広大(冨家規政)主催ホームパーティで坂崎藍子(笛木優子)が盗聴を仕掛けた件である。これを契機に、三浦の贈収賄は発覚する。
実はこの事件、一年前から騒がれていたものの証拠不十分ゆえ“クロ”判定を免れたグレー案件であった。しかし、藍子が仕掛けた盗聴器には「そろそろほとぼりが冷めるから、またお金がほしい」「内部告発者が出ないように気をつけろ」と、誰かへ電話する三浦の肉声が収められていた。盗聴により、グレー案件の真相が藍子にバレてしまったわけだ。
今回の菜美は燃えている。坂崎宅で待ち伏せし、空き巣の来宅を待ち続けた。
「愛する人が傷つけられたことが許せない」
すると案の定、空き巣が坂崎宅に現れた!
いつもの肉弾戦では敵を一方的に撃退する菜美だが、今回は珍しく攻防がある。刃物で服を裂かれたり、打撃を入れられて唇から血が滲んだり、いつになく追い込まれる菜美。
というか、肉弾戦の最中に綾瀬はるかが見せたヘッドスプリングには驚いた! 明らかにあのシーンはアテレコじゃなかったもの。アクション女優としての綾瀬はるか株が、筆者の中で急上昇しました。彼女、密かに運動のできるタイプだったんだなあ。
兎にも角にもなんとか戦いに勝利した菜美は、三浦の肉声が入ったUSBを藍子から受け取った。そして、同僚・小雪(西尾まり)に拡散を依頼。こうして、厚生労働省のホームページへ件の音声ファイルがアップロードされることとなる。
嘘が妻にバレ始めていると確信する西島秀俊
今回の肉弾戦にて、珍しく一進一退の展開を見せた菜美。彼女は、対戦相手となった空き巣のことを「間違いなく一流のプロだった」と確信する。だからこそ、空き巣と相まみえ、ほぼ無傷で済んだ夫に対し疑いを深めてしまうのだ。
「たくましいだけと思っていたこの人の肉体が、今ではウソで身を固めている証拠のようにも思える」(菜美)
第8話を締めたのは、勇輝のこんなモノローグだった。
「間違いない。彼女は気付き始めている」
勇輝は菜美の敵なのか、味方なのか? あの時に見せた鋭い目が、菜美にも向けられることはあるのだろうか? 勇輝の“裏”も、いよいよ菜美にバレ始めている。
(寺西ジャジューカ)
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