
年末特番が終われば、そのままお正月特番へ突入。この時ばかりは頻ぱんにテレビを視聴するという人も多いことでしょう。
さて、大晦日に『紅白歌合戦』『絶対に笑ってはいけない』などを見終えたあとの深夜0:30ごろ、日本テレビにチャンネルを合わせるとやっている恒例の番組といえば、ご存じ『新春おもしろ荘』です。ナインティナインや出川哲朗が見守る傍らで、無名芸人たちが自慢のネタをハイテンションで披露する……。元日のお祭りムードをどこよりも早く体感できるこの番組は、これまでに何組もの売れっ子芸人を輩出したことでも知られています。ということで、正月の『おもしろ荘』をきっかけにブレイクしたお笑い芸人を振り返っていきましょう。
2008年 オードリー
「『おもしろ荘』に出演すれば売れる」という定説が語られるようになったのは、2007年に『ぐるナイ』のレギュラー放送回に出演した小島よしおと、2008年元日放送回に出演したオードリーが相次いでブレイクしたことに端を発します。
この年の正月、オードリーは、はじめてテレビの生放送で漫才を披露。緊張しながらも普段通りの実力を発揮して、会場は笑いの渦に。ネタ終了後、ナイナイの矢部からは「オードリー、やったね」と声をかけられ、共演していたはなわからも「お前ら、街に出たら大変なことになるぞ!」と大絶賛されたといいます。その言葉を信じて、実際オードリーの2人は日テレから明治神宮へ直行し、参拝客でごった返す中を4往復くらいしたのだとか。しかし、誰にも気づかれずにおでんを食べて帰ったといいます。
2009年 ハライチ
ハライチが「ノリボケ漫才」のスタイルを確立したのは、2008年の『M-1グランプリ』予選から。そこから徐々に頭角を現し、2009年の元日に『おもしろ荘』でネタを披露したことで一躍脚光を浴びるようになりました。
2012年 横澤夏子
当時芸歴2年・21歳の横澤夏子は、この年のトップバッターとして参加。十八番「音楽教師」で笑いをかっさらい、見事、優勝を果たします。これによって「ゴチになります」の出場権を獲得し、勢いに乗ってそのままブレイク!……とはいかず、彼女が売れ始めたのは、2016年ごろからでした。
2013年 あばれる君
この年はモンブランズ、流れ星、あばれる君の3組が同率1位で優勝。なかでもひときわ目を引いたのが「あばれる君」。鉄板ネタ「ホールスタッフのクレーム」を、ゴルゴ松本直伝だという目力いっぱいの状態で披露し、ゲストの有吉から絶賛されていました。
それにしても、この年の優勝コンビで流れ星はまだ生き残っていますが、モンブランズはどこに行ってしまったんだろう……と思い調べてみたら、2016年1月末に解散していたみたいです。
2014年 日本エレキテル連合 和牛
モンブランズの例からも分かるように、優勝したからといって必ずしも売れるわけではないのが、お笑いコンペティションの難しいところ。この年も、優勝したポラロイドマガジンよりも、2位にランクインした「ダメよ~ダメダメ」で同年ブレイクした日本エレキテル連合や、同じく2位だった2016・2017年連続M-1準優勝の和牛のほうが、広く世に知られる存在となりました。
2015年 おかずクラブ
もちろん、順当に優勝者が売れっ子になる年もあり、2015年はその典型。というかこの年はかなりの豊作年で、優勝したおかずクラブ以外にも、第3位のクマムシ、選外ながらも8.6秒バズーカーがブレイク。おかずクラブ以外はテレビで見なくなってしまいましたが……。
2017年 ブルゾンちえみ with B
2016年は、よしもとのトリオ・ネルソンズが優勝したものの、未だブレイクせず。他の芸人を見渡しても、有望株は尼神インターくらいで、やや不作の年でした。
が、2017年元旦は、ブルゾンちえみが登場。瞬く間に旋風を巻き起こし、8月には24時間テレビのマラソンランナー、12月には「35億」で流行語大賞を獲得するなど、年間通して失速することなく売れ続けるという快挙を成し遂げたのでした。
このブルゾンの社会現象的人気により、大きく箔がついた『おもしろ荘』。新年早々に始まる、次の大ブレイクを狙う若手たちの熱い戦いに、今年も目が離せません。
(こじへい)