今回のドラマでは、みなもと太郎の長編歴史マンガ『風雲児たち』から『解体新書』をめぐる物語(ワイド版の単行本では4巻と5巻に収録。ドラマ化にあたって刊行された『風雲児たち~蘭学革命篇~』では1冊にまとめて再録)をとりあげ、それをもとに三谷幸喜が脚本を書いた。劇中では、前野良沢・杉田玄白をそれぞれ片岡愛之助と新納慎也が演じる。いずれも三谷脚本による一昨年の大河ドラマ「真田丸」の出演者だ。そのほかのキャスト、さらにスタッフもすべて「真田丸」の制作チームから再結集している。

三谷幸喜に影響を与えた『風雲児たち』
ドラマの原作となる『風雲児たち』は、約40年前の1979年に雑誌連載が始まった。同作は当初より幕末物として構想されたが、みなもとは、幕末を理解するためにはまず1600年の関ヶ原の戦いまでさかのぼらなければならないと考え、そこから連載を始めている。おかげで幕末にたどり着くまで20年近くを要し、2001年にやっと始まった『風雲児たち 幕末編』の連載もいまなお継続中である。
三谷幸喜は、少年時代にみなもとの『冗談新選組』(1970年)を読んで大ファンとなり、のちにはそれを下地に大河ドラマ「新選組!」(2004年)の脚本を手がけた。『風雲児たち』も連載が始まったころから愛読していたという。後年、みなもととの対談で