1000万円貯金するには何年かかる?年齢別にシミュレーション
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2016年の統計によると、一世帯あたり金融資産保有額で20代の中央値は0円。つまり預貯金も何もしていない人が一般的という結果が出ています。
しかし、年齢を重ねていくと将来を見据えて貯蓄を始める人が多いようです。
目標金額の目安としては、よく1000万円があげられます。そこで、25歳、30歳、35歳から始めた場合、月々どれくらいの金額を積み立てていけば1000万円貯めることができるのかシミュレーションしてみました。


1000万円貯蓄できると今後の生活はどう変わるか


人間、生きていくのにはお金が掛かります。

なかでも人生三大出費と言われる「住宅取得費」「教育費」「老後の生活費」は普段の生活とは桁違いの1000万単位の金額が掛かるため、お金が必要になって初めて、数十年単位で長く続く支払いが家計を圧迫することに気付く方も多いのです。

ローンや保険商品などでひと月の支払金額を抑えていくことはできます。では、1000万円貯蓄できているとどう変わるのでしょうか?

今回は、上記の三大出費のなかでも金額が比較的リアルにイメージしやすい「住宅所得費」を例にとって考えてみましょう。

1000万円貯金するには何年かかる?年齢別にシミュレーション
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現在の住宅の平均購入価格は住宅金融支援機構「2016年度フラット35利用者調査報告」によりますと、建売住宅で約3340万円です。

3340万円の物件を、35年ローン、ボーナス返済なしで組んだ場合、どれだけの差が出るでしょうか? 頭金なしで住宅ローンを組んで購入した場合と、一般的に言われる資金の2割の668万円を頭金として入れた場合の返済額の差を比べてみます。

全額住宅ローンの場合、年1.8%の固定金利で月々の返済額は107,244円。総返済額は45,042,480 円となり、利息分は11,642,480 円となります。

頭金を2割用意した場合の住宅ローンは、借入額が2672万円となり、金利も少し下がり年1.360%となります。月々の返済額は79,992円。
総返済額 は33,596,640 円 となり利息分は6,876,640 円の負担で済ますことができます。
(2018年1月現在の「フラット35での最も多い金利」を参考に算出)

毎月27,252円の返済金額の差があり、支払う利息の差は470万円以上です。このお金は利息ですので、資産にはならない、つまり自分の手元には残りません。

さらに、1000万円貯めてから住宅購入した方は、頭金2割を出してもなお、けがや病気など急な出費の備えも自己資金で確保できています。

サラリーマンの方は大きく収入を上げるのは難しい時代です。出費の無駄にきちんと目を向ける方が、お金を貯めやすくなるのです。



25歳から始めた場合、月いくら貯めて何年かかる?


まだ収入もさほど多くはなく、奨学金の返還をされている方も多い世代です。しかし、独身で扶養家族もなく、社会に出て年数も浅いため、貯める習慣は付けやすい時期です。

住宅取得や、教育費のために45歳までの20年間で1000万円を貯めようとすると、現在の都市銀行の円定期預金(複利型)ですと、金利は0.01%。毎月41,666円の積立(税金控除前)、総積立金額は9,999,840円が必要になります。


30歳から始めた場合、月いくら貯めて何年かかる?


45歳までは15年。1000万円貯めようとすると、同条件では55,555円、総積立金額は9,999,900円となります。25歳の人と比べると5年の差が、月々の負担増になるのです。

20代に比べると、多少の収入アップはしている頃かもしれません。
使い方のスタイルも決まってくる時期です。毎月、収入に対してお金をどれくらいの比率で使っているか、一度見てクセを見つけると対策が打ちやすく、月々貯める金額が捻出しやすい時期でもあります。


35歳から始めた場合、月いくら貯めて何年かかる?


45歳まではあと10年。月83,333円、総積立金額は9,999,960円が必要になります。

20代の頃よりは収入も上がり、奨学金の返還などはないかもしれませんが、住宅ローンや車のローン、教育費の発生も増えてくる時期です。1000万円を貯めるためには、所得のなかから毎月8万円以上を貯金用によけておく必要があります。25歳、30歳から貯金をスタートする場合と比べて、毎月の貯金額はやはりそれなりに高額になってくると言えます。



貯蓄から投資へ 非課税制度もうまく利用してリスクを取る時代


10年よりもっと短い期間、例えば5年(60カ月)といった限られた期間であっても、投資信託など金融商品を運用し時間を味方につけることで、月々貯める金額を少なくすることは可能です。現在はマイナス金利の導入もあり、金利はほぼゼロの時代。今後もこの傾向はしばらく続くでしょう。ですので、投資信託などで「お金にも働いて(稼いで)もらう」という方法を活用することが重要になります。

国際通貨基金(IMF)が2017年10月に発表した世界の経済成長見通しは2017年3.6%、2018年3.7%です。

自分の毎月貯めているお金を、この世界の経済成長と同じように動く世界経済に分散したインデックス投資信託で運用するとして考えてみましょう。
手数料を考慮し見通しを下げて年3%だとして計算してみると、それぞれ20年、15年、10年で考えると、毎月必要な積立金額は20年で32,272円(30,518円)、15年で46,019円(44,090円)、10年で73,649円(71,530円)になります。(最後に一括課税20.315%で計算。カッコ内は非課税の場合の金額)

現在、投資信託などの金融商品に対する利益や銀行預金の利息には、20.315%の税金が掛かります。

今年から始まった「つみたてNISA」であれば、金融庁に届け出が出されている投資信託・ETF135134本(2018年1月12日現在)の金融商品に対する利益が非課税になります。金融庁が長期の積立・分散投資に適した条件を設定し、その条件を満たしているものだけが対象商品です。非課税枠は貯めるお金の年間40万円まで、20年間続ければ、800万円までの非課税枠内でお金を貯めながら増やすことができる制度です。

総積立金額は20年で7,324,320円、15年で7,936,200円、10年で8,583,600円となります。10年の場合は、800万円越えますので、2014年からあるNISA(少額投資非課税制度)を使うと良いでしょう。

20年で比べると、毎月コツコツとやっていれば3%の運用で差は200万円以上付くのです。時間を掛けて、お金を成長させることで自分のお財布の中身も成長させていきましょう。

1000万円貯金するには何年かかる?年齢別にシミュレーション

プロフィール
マネー・スタイリスト株式会社 杉山夏子
1974年、東京生まれ。私立女子学院中学校・高等学校、立教大学卒業。2016年にマネー・スタイリスト株式会社創立。「ファイナンシャルスタイリストR」として、資産形成から保全にいたる多くの知識と経験を駆使し、お客様の安心をコーディネートしている。 対応言語は日本語、英語。

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