
2月6日放送の「クローズアップ現代+」(NHK)では“精子も老化する”という衝撃の事実が報じられ、SNSで男性たちに衝撃が走っているようだ。
6人に1人がWHOの基準を下回った
都内のあるクリニックで3年間で564人の精子の濃度や運動率を調べたところ、6人に1人がWHOの基準を下回ったという(平均年齢35歳)。番組に登場した獨協医科大学の岡田弘教授は、35歳を過ぎると細胞分裂を促す精子の力が衰えてしまう人たちがいると解説。
マウスでの実験の結果、精子が衰えていると受精卵は分裂に必要な活性化に至らないことが発覚。例え見た目が元気な精子でも、“中身”の方が老化しているというのだ。「細胞分裂を促す精子の力」が衰える原因の1つとして考えられているのは、精子の中にあるDNAの損傷。通常だと精子が卵子に入りこみ互いのDNAが結びつくことで細胞分裂が進むのだが、DNAが傷ついているとうまく結合できないため正常な分裂が不可能に。精子の濃度や運動率が基準を満たしていても、精子の“損傷率”が30%を超えていると自然妊娠が難しくなってしまうという。
岡田教授は「精子の質というものの検定がこれからは大事になってくるんだろうと思います。いつまでも男の場合は精子さえいれば子どもができるかといえば、なかなかそうはいかない。年齢的に子どもができにくくなることに関して、女性だけではなくて男性にも責任の一端がある」と番組で語った。不妊治療の際にも、男性の“精子の力”を診察することが重要になってくるようだ。
また、獨協医科大学埼玉医療センターの講師・小堀善友さんは、現代人のライフスタイルがDNAを損傷させているとスタジオでコメント。近年問題視されている肥満や睡眠不足などを挙げながら、「『老化のストレス』というものを増やすような生活習慣、そういうものが精子の所見を悪化させて、さらに精子の中のDNAを傷つけていくという可能性がある」と解説していた。
「加齢で精子がダメになるとか怖すぎ」
年齢と共に“精子の力”が衰えるという事実に、SNSなどでは「35歳って… おれもうタイムリミット近いんだけど」「なんとなく『男性は結婚を焦らなくていい』みたいな風潮があるけど、やっぱり晩婚は避けるべきなんだな」「20代で子ども作るのが正解ってことか」「加齢で精子がダメになるとか怖すぎ」と驚きの声が続出。番組を見て結婚に焦りを覚える人も現れた。
リクルートライフスタイルが20代~40代の男女2000人を対象に実施した「男性の不妊に関する意識調査」では、一定の期間を経過しても子どもができなかった場合、原因について「自分に不妊の原因があるのでは」と思う女性が65.7%なのに対し、男性が44.7%という結果が出ている。