第20週「ボンのご乱心」第113回 2月15日(木)放送より。
脚本:吉田智子 演出:鈴木 航

113話はこんな話
隼也(成田凌)がマーチン・ショウの手つき金として5千円(いまの一千万円)を払ってしまう。
諦めんと頑張ったら必ず夢は叶います
「今のやり方やと あんたが功を焦ってるようにしか見えまへんえ。地に足つけて働きよし」
てん(葵わかな)がいいことを言った。
でも隼也は聞く耳もたず、マーチン・ショウの興行権獲得に盲目的に向かっていく。
代理人の通訳として知り合ったつばき(水上京香)が、
「諦めんと頑張ったら必ず夢は叶います。決められた道を行くより挑戦するほうはええと思うんです」と朝ドラヒロインのようなセリフで隼也の背中を押すものだから、隼也がますます朝ドラヒロインの道を歩んでしまう。
父子そろって目のつけどころだけは良い
「ひゃ〜えらいもん出てきた!」
てんのこのセリフ、飄々として最高だった。「なんや楽しそうやなあ」も。
社史編纂にあたって、昔の資料を万丈目(藤井隆)が引きずり出していたところ、藤吉(松坂桃李)がしでかしたパーマネント事件(騙されて大量のパーマネント機を、実家と土地を担保にして購入してしまった。それが北村笑店のはじまりになる)の思い出の物(チラシ)が出てきた(26、27話あたりのエピ)。
あの悪夢の思い出をとっているほうもとっているほうだが。でも、たくさん買ったパチモン・パーマネント機はすべて処分してしまったのかな。それが残念。
喉元過ぎれば熱さ忘れるとはよく言ったもの。あのときの苦労を、藤吉は目のつけどころだけは良かったと笑い飛ばせるようになったいま、再び悪夢が近づいてきていた。
ふと、てんは隼也のマーチン・ショウへの傾倒ぶりが気になって、目のつけどころだけは良かった藤吉(松坂桃李)の仏壇に「見守っておくれやす」と祈る。
ところが隼也は、代理人から競合相手がいると聞かされて、父が息子のために遺したお金(ええなぁ、そんな大金遺してもろうて)を手付金に使ってしまった。
「僕が父親なら殴っているところだ」と栞(高橋一生)。
てんたちに深く深く頭を下げるところで、栞の謝罪の気持ちの強さが伝わってくる。相変わらず誠実やわぁ。
案の定、隼也がお金を払った代理人は行方をくらましていて・・・。
藤吉のパーマネント事件の二の舞いである。
それにつけても、てん・・・。夫と息子も詐欺に合うって、業が深すぎる。
今日の、わろ点 裏を取れ
楓(岡本玲)にインタビューされて、アサリ(前野朋哉)が、どつき漫才を自分が考案したと自慢するが、
歌子(枝元萌)が、嘘や嘘!とツッコむ。インタビューは、その人の主観で語られるため、ときには思い違いや嘘が交じる。だからこそ裏を取らないといけません。
アサリがリリコ(広瀬アリス)に俺の相方にならないかと誘ったとき、そばにいたシロー(松尾諭)が「いやいやいや」と止めに入る間合いが最高。そのあとの「うちの相方はシローだけや」というときのリリコの一瞬ちょっとためた顔もシローへの気持ちが感じられて良い。ひとつひとつの動きがきちっと決まっていると気持ち良いものだ。
(木俣冬)