中古車を売るホームページはよく見かける。だがある日、こんなサイトを見つけた。
「日本最大級の事故車・故障車・廃車専用マーケットプレイス リンカーダイレクトオークション」
……事故車、故障車のオークション!? 事故車を買う人って、そもそもいるのだろうか? 誰がどんな目的で買うのか。そこで、このオークションサイトを運営している株式会社イードリーマー・山下亮社長に聞いてみた。
――このサイトの概要について教えてください。
2009年から本格始動した、事故車・故障車・廃車を扱う会員制のオークションサイトです。事故車を出品するのは、損害保険会社や全国の新車ディーラー、中古車店、自動車整備業者、修理業者など。全損事故や、修理を出しても高額になってしまうと判断したドライバーから引き取っています。対する落札者は、自動車整備業者、修理業者、中古車輸出業者、解体業者などになります。車の99%はリサイクルできますから。
――オークションということは一番高値をつけた法人が落札する?
いま申したように多くの業者が登録していますので、公正な価格競争が生まれます。結果、本当に欲しい法人への高額売却が可能になります。ネット上なのでオークションは1年365日開催。月間で2,300~2,500台、年間2万台が取引されています。2営業日で落札価格が決定し、3営業日で手元にお金が入ってきます。
――なるほど。てっきり個人が売買するサイトだとばかり思っていました。
個人による出品は可能ですが、落札はできません。古物商を保有する業者に限定しています。事故車をわざわざ買うことはないでしょう(笑)。
――そうですよね。ちなみにどういった車が出品されているのでしょうか?
例えば、
ほかには、
など、見た目的に損傷が激しいものから、そこまで……というものまであります。それでもドライバーにとっては修理に出すより、いち早く売却して現金化したいという思いもあるのです。
――どんな車種でもいいんでしょうか?
そうですね。バスや高所での工事作業車、稲刈り機、フェラーリやランボルギーニといった外国車もあります。
――今までこういったサイトはなかったんでしょうか?
中古車のオークションサイトは昔からありましたが、こういった事故車に特化したオークションサイトは、私たちが初めてだと思います。2009年前後、この事業を始めるにあたり、これまでどういうふうに事故車が買い取られていたのか調べてみると、そこに事故車専門の買い取り業者が介在していたことが分かったのです。ただどの業者も、買い値をかなり低く見積っていました。そして、それよりもはるかに高い金額で修理業者や解体業者に売っていたことが分かったのです。
ただ先ほども申しましたように事故車といえども車体は外のボディやエンジンなど99%はリサイクルできるわけですから、大いに価値があるものなんです。ただそういった事実がブラックボックス化され、誰も異議を唱える者がいなかったんです。
そこに新たに参入してきた私たちは、業界の因習にとらわれず、きちんとその事故車の価値を認めようとしました。さらに、「事故車は専業者に買い取りしてもらう」というそれまでの“言い値”文化にも反発。ドライバーさんや、法人の車両所有者に1円でも高くお返しできるよう、オークション事業を始めました。一部の法人のもとで事前に行ったテストではわずか3カ月で売り値が3倍に跳ね上がり、ここから一気に全国に広がり、類似企業が続々と現れました。
――業界に風穴を開けたわけですね。
そうですね。当時は「パンドラの箱を開けたね」と言われました(笑)。
――そもそも御社は主にどのような事情展開をしているのでしょうか。
2006年の創業以来、この「リンカーダイレクトオークション」を始めとして、インターネット上でサービスを行うのが弊社の事業内容です。ただ、いずれも念頭に掲げているのは、「『知ってて良かった』を、世界に」というスローガン。“そういうビジネスあるよね”というものではなく、“そんなものあるの?”というビジネスにアイデンティティを見出しています。
例えば日本初の中古太陽光発電所マッチングサイト「SOL-SELL(ソルセル)」。
また子会社の「株式会社エバーキュー」では、自分の服を撮影すれば、ブランド名の判別やどのくらいの金額でフリマなどで売れるのかすぐ値付けをしてくれるAIサイト「judgee(ジャッジー)」を立ち上げています。
――そんな中で事故車に目をつけたのは何か理由があるのでしょうか?
これは私の個人的な経験が関わっています。高校時代バイクで走行中、自損事故を起こしケガで1カ月半入院、以来それがトラウマとなり、PTSDに近い状態に陥ったことがありました。またこれは20歳の話ですが、車を走らせていたとき、深夜までの仕事がたたり居眠り運転。衝突事故を起こし、無理して買った車をわずか1カ月で廃車に。手元に残ったのは車のローンだけでした。このように、事故というものを身近に感じていたということが背景としてあります。
ですから同じように、経済的にもそして精神的にも辛い思いをしている人たちに1円でも多く還元すべきだと思いまして、参入させていただきました。
もちろん私たちは事業主ですから利益を上げないといけないのですが、必要以上の利益を上げるのには違和感を覚えていました。私たちは売買が成約しても手数料をいただくだけなので、確実にドライバーさんの手元にはより多くのお金が渡るようになっていると自負しています。
「日本最大級の事故車・故障車・廃車専用マーケットプレイス リンカーダイレクトオークション」

……事故車、故障車のオークション!? 事故車を買う人って、そもそもいるのだろうか? 誰がどんな目的で買うのか。そこで、このオークションサイトを運営している株式会社イードリーマー・山下亮社長に聞いてみた。
業者専用の会員制サイト
――このサイトの概要について教えてください。
2009年から本格始動した、事故車・故障車・廃車を扱う会員制のオークションサイトです。事故車を出品するのは、損害保険会社や全国の新車ディーラー、中古車店、自動車整備業者、修理業者など。全損事故や、修理を出しても高額になってしまうと判断したドライバーから引き取っています。対する落札者は、自動車整備業者、修理業者、中古車輸出業者、解体業者などになります。車の99%はリサイクルできますから。
――オークションということは一番高値をつけた法人が落札する?
いま申したように多くの業者が登録していますので、公正な価格競争が生まれます。結果、本当に欲しい法人への高額売却が可能になります。ネット上なのでオークションは1年365日開催。月間で2,300~2,500台、年間2万台が取引されています。2営業日で落札価格が決定し、3営業日で手元にお金が入ってきます。
このようにスピード落札、スピード入金がポイントです。もちろん全国どこにでもすみやかに車両配送します。
――なるほど。てっきり個人が売買するサイトだとばかり思っていました。
個人による出品は可能ですが、落札はできません。古物商を保有する業者に限定しています。事故車をわざわざ買うことはないでしょう(笑)。

個人取引用のページ
――そうですよね。ちなみにどういった車が出品されているのでしょうか?
例えば、

ほかには、

など、見た目的に損傷が激しいものから、そこまで……というものまであります。それでもドライバーにとっては修理に出すより、いち早く売却して現金化したいという思いもあるのです。
――どんな車種でもいいんでしょうか?
そうですね。バスや高所での工事作業車、稲刈り機、フェラーリやランボルギーニといった外国車もあります。
業界の常識を変えた、革新的サイト
――今までこういったサイトはなかったんでしょうか?
中古車のオークションサイトは昔からありましたが、こういった事故車に特化したオークションサイトは、私たちが初めてだと思います。2009年前後、この事業を始めるにあたり、これまでどういうふうに事故車が買い取られていたのか調べてみると、そこに事故車専門の買い取り業者が介在していたことが分かったのです。ただどの業者も、買い値をかなり低く見積っていました。そして、それよりもはるかに高い金額で修理業者や解体業者に売っていたことが分かったのです。
ただ先ほども申しましたように事故車といえども車体は外のボディやエンジンなど99%はリサイクルできるわけですから、大いに価値があるものなんです。ただそういった事実がブラックボックス化され、誰も異議を唱える者がいなかったんです。
そこに新たに参入してきた私たちは、業界の因習にとらわれず、きちんとその事故車の価値を認めようとしました。さらに、「事故車は専業者に買い取りしてもらう」というそれまでの“言い値”文化にも反発。ドライバーさんや、法人の車両所有者に1円でも高くお返しできるよう、オークション事業を始めました。一部の法人のもとで事前に行ったテストではわずか3カ月で売り値が3倍に跳ね上がり、ここから一気に全国に広がり、類似企業が続々と現れました。
――業界に風穴を開けたわけですね。
そうですね。当時は「パンドラの箱を開けたね」と言われました(笑)。
「知ってて良かったを、世界に」
――そもそも御社は主にどのような事情展開をしているのでしょうか。
2006年の創業以来、この「リンカーダイレクトオークション」を始めとして、インターネット上でサービスを行うのが弊社の事業内容です。ただ、いずれも念頭に掲げているのは、「『知ってて良かった』を、世界に」というスローガン。“そういうビジネスあるよね”というものではなく、“そんなものあるの?”というビジネスにアイデンティティを見出しています。
例えば日本初の中古太陽光発電所マッチングサイト「SOL-SELL(ソルセル)」。

また子会社の「株式会社エバーキュー」では、自分の服を撮影すれば、ブランド名の判別やどのくらいの金額でフリマなどで売れるのかすぐ値付けをしてくれるAIサイト「judgee(ジャッジー)」を立ち上げています。

サイトを立ち上げた原体験
――そんな中で事故車に目をつけたのは何か理由があるのでしょうか?
これは私の個人的な経験が関わっています。高校時代バイクで走行中、自損事故を起こしケガで1カ月半入院、以来それがトラウマとなり、PTSDに近い状態に陥ったことがありました。またこれは20歳の話ですが、車を走らせていたとき、深夜までの仕事がたたり居眠り運転。衝突事故を起こし、無理して買った車をわずか1カ月で廃車に。手元に残ったのは車のローンだけでした。このように、事故というものを身近に感じていたということが背景としてあります。
ですから同じように、経済的にもそして精神的にも辛い思いをしている人たちに1円でも多く還元すべきだと思いまして、参入させていただきました。
もちろん私たちは事業主ですから利益を上げないといけないのですが、必要以上の利益を上げるのには違和感を覚えていました。私たちは売買が成約しても手数料をいただくだけなので、確実にドライバーさんの手元にはより多くのお金が渡るようになっていると自負しています。
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