
今年2月放送のテレビ東京系『モーニング娘。20周年記念スペシャル』において、一夜限りの復活を果たした「ミニモニ。」。
オリジナルメンバーの矢口真里と辻希美に、現役のモーニング娘。’18メンバー2人を加えた編成だったが、当時の衣装に身を包んだ矢口&辻の違和感のなさに驚いた方も多かったはず。
歓喜の声が殺到し、Twitterのトレンド入りを果たすなど、大きな話題になったのは記憶に新しいところだ。
ここで、当時チビッコだったあなたも、すでに大きなお友だちだったあなたも、ミニモニ。が輝いていたあのころをあらためて振り返ってみよう。
小学生以下の子どもたちのハートをがっちりキャッチしたミニモニ。
01年1月、デビューシングル『ミニモニ。ジャンケンぴょん!』がいきなり大ヒットとなったミニモニ。。
モーニング娘。メンバーの中から、身長150cm以下という条件の下、矢口真里、辻希美、加護亜依を選抜。そこに、ココナッツ娘。
前年夏ごろにはモー娘。の看板番組で企画が動き出し、ファンに向けてアピール開始。年末にはテレビ東京系の子ども向け人気番組『おはスタ』でレギュラーコーナーがスタートしたのだが、この時点で成功は約束されていたのかも知れない。
結成4年目を迎えすでにトップアイドルになっていたモー娘。にとって、次なるメインターゲットは小学生以下の子どもたちだ。
この時点で辻13歳、加護12歳。年齢も近いが、番組で見せるその思考回路も子どもそのもの(笑)。漫画チックな原色使いのチェック柄の衣装、ポップでキャッチーな楽曲、キュートな振り付けと、子ども受けする要素が満載。ハートはがっちり鷲掴み状態である。
街にあふれかえった大量のミニモニ。グッズがその人気を証明
スピーディーなメディアミックス展開こそ、ミニモニ。
小学館の学年誌で漫画になり、6月には『おはスタ』内でアニメ化。同時期、2ndシングルが発売されるころには、子どもたちはそのキャラクターを完全に認知した印象。
それに応えるように、スーパー、文房具屋、ファンシーショップなどの店頭には、目移りするほどに大量のグッズが並び、アパレルも大人気に。ブームの加速の速さと、加熱ぶりは凄まじいものがあった。
よくよく見ると「チビモニ」だったりと、無許可のパチモノも多かったのだが、これも人気者だからこその宿命か。
年末には、アニメ映画『とっとこハム太郎』とコラボして「ミニハムず」としてもキャラクター化。ますますグッズのバリエーションは拡大して行く。
志村けんのバカ殿様とノリノリでコラボレーション
翌02年には、バラエティ番組での共演をきっかけに、志村けんのバカ殿様とコラボする形でCDをリリース。志村の持ちギャグ「アイ~ン」を全面フィーチャーした楽曲だったが、これまた子どもたちにバカ受け状態だ。
ここまでの流れ、計算尽くだったのか、行き当たりばったりだったのかはわからないが、この時点でのミニモニ。は。間違いなく子どもたちにとって、完全無欠のカリスマであった。
ちなみに、加護は小学生のころ「アイ~ン」をよくやっていて、あだ名が「加護アイ~ン」だったそうだ。
覚えてる?「デカモニ。」&「タモモニ。」
ブームの余波からこんな珍ユニットも登場している。
01年夏、日本テレビ系の音楽バラエティ番組『AX MUSIC FACTORYつんくちゃん。』から誕生した「デカモニ。」。
ユニットではなく、オリンピック代表バレーボール選手だった大林素子による1曲限りのソロプロジェクトだ。CDジャケットにはユニット風に4人の女性が登場しているが、これは大林素子の一人4役による。
元々歌手やアイドルに憧れていたと語るだけあって、ジャケットも歌もやる気十分!しかし、限定5,000枚のシングルにプレミアが付いたという話は残念ながら聞いたことがない。
02年春、テレビ朝日系『ミュージックステーション』では、辻&加護の2人が司会のタモリと「タモモニ。」を結成。
といっても、スーツにサングラス姿でタモリに寄せた2人が『ミニモニ。ひなまつり!』の替え歌で「タモモニ。サングラちゅっ!」と決めポーズしたぐらいのもので、この場限りの一発芸的なノリだった。しかし、一応つんく公認扱いになっているようだ。
03年2月、矢口のユニット卒業を持ってブームは沈静化。
ちなみに、当時からひとりだけ衣装もテイストも異彩を放っていたミカ。現在はロサンゼルスでブラジリアン柔術を学ぶ「柔術女子」になっているとか。
格闘技イベント『RIZIN』が本気でオファーを出しそうなのが怖いような、楽しみなような……。
(バーグマン田形)