尊氏 クズだな、君は。
旺太郎 フッ、お兄さんもなかなかのもんですよ。


2月25日に放送された『トドメの接吻』(日本テレビ系)の第8話。(関連)
「トドメの接吻」8話、真剣佑との対決はクズvsクズ。山崎賢人は愛をもってクズを制すか
「トドメの接吻」オリジナル・サウンドトラック
Ken Arai/バップ

睨み合った2人は、お互いをクズ呼ばわりする。クズ設定だった元ホスト・堂島旺太郎(山崎賢人)と、闇堕ちした並樹尊氏(新田真剣佑)。クズvsクズの様相。しかし、元々はそうじゃなかった。「どこで間違えた?」と自問する尊氏。本当に、どこでおかしくなったのだろうか。
では、2人がクズになったきっかけをここで振り返りたい。

“エイト”のせいでクズになった尊氏と、“お兄さん”のせいでクズになった旺太郎


●旺太郎
旺太郎が“カネのためならなんでもやるホスト”になった理由は、父・旺(光石研)に課せられた賠償金を払うため。しかも、事故の本当の原因は旺ではなく尊氏にある。
弟の光太はいなくなり、母の光代(奥貫薫)は光太に執着したまま。誰に頼ることもできない旺太郎は、生きていくためにクズになった。

●尊氏
もし旺太郎がタイムリープしなかったら、尊氏は闇堕ちしなかった。
美尊(新木優子)に愛される、完璧な兄のまま。「僕は美尊さえればいい」という言葉からも、美尊への愛は本物だとわかる。旺太郎がタイムリープしなかったら、彼は父・尊(山田明郷)の命も救っていた。

2人がクズになる原因は、お互いにあったのだ。では、今度は「クズの度合い」について比較してみよう。

●旺太郎
旺太郎は、人を殺していない。殺そうともしない。「秘密をばらす」と長谷部寛之(佐野勇斗)や青田真凛(唐田えりか)を脅すこともあったが、結局はばらしていない。クズとは言え、佐藤宰子(門脇麦)に優しさを見せることもある。旺に働きかけ、両親の復縁も促している。

●尊氏
手段を選ばず、平気で人(尊と長谷部)を殺す。しかも、自分の手を汚さずに布袋道成(宮沢氷魚)にやらせる。

「美尊を守るためだったら……、何だってしてやる!」

尊氏のクズっぷりの方が、ディープだ。「愛なんて捨てた」と言いつつ、愛を知っている旺太郎。養子として生きてきたがゆえ、本当の家族からの愛を知らない尊氏。もしかしたら尊氏は、人の愛し方を知らないのかもしれない。

旺太郎の本心は、美尊より宰子


旺太郎が愛を見せる対象は、あくまで宰子。美尊ではない。例えば、美尊から「結婚を前提に私と付き合ってください」と告白された時、旺太郎の表情は明らかに戸惑っていた。心底から嬉しそうじゃないのだ。

一方、宰子といる時の旺太郎は完全に素。気を許せる唯一の存在である。宰子の呼び掛けで母の命を救い、父の逮捕を回避させた。そもそも、宰子に何度も命を救われている。もはや、旺太郎にとって宰子は必要な存在だ。


「私、あなたの道具になる!」と宣言した宰子に対し、諭すように旺太郎は言った。
「道具だなんて言うなよ。俺は宰子を道具だなんて思ってない」

一瞬の静止はタイムリープの証?


春海一徳(菅田将暉)からヒントを与えられた尊氏は、勘付いたようだ。そして、旺太郎の家で待機する宰子を拉致する。
「どうして、いつも彼に邪魔をされるのか。君が力を貸してるんじゃないのか? 例えば、君がいれば過去に戻れるとか」

尊氏が宰子を誘拐する直前、旺太郎と宰子の様子がおかしかった。一瞬だけ目をつむり、すぐにパッと見開いて走り出す旺太郎。心ここにあらずの瞬間があり、携帯電話を落として正気に戻った宰子。不可解な挙動が、宰子のピンチの直前に2人に起こっているのだ。

あくまで仮説だが、これは未来からタイムリープした瞬間を表しているのではないか? 危機を脱するため、7日後から戻ってきた2人。だとすれば、宰子不在の自宅でニヤリと笑う旺太郎の表情の説明がつく。

宰子のピンチに旺太郎が駆け付けるはずの第9話は、今夜10時30分からスタート。
美尊ではなく宰子を巡り、旺太郎と尊氏が対決する。
「どうして、いつも彼に邪魔をされるのか」の言葉通り、今回も尊氏の目論見を旺太郎は阻止できるだろうか!?
(寺西ジャジューカ)

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