そして「エキレビ」ではいつも通りにレビュー!
『バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜』(テレビ東京・水曜21:54〜)第4話。
大杉漣さんの訃報ショックで、見ていても気を抜くと悲しい気持ちになってしまう『バイプレイヤーズ』ですが、かなりの強行スケージュールながら「最終話まで放送する」ことを決定してくれたテレビ東京。
そして
いつも通りにレビュー!

ユースケ・サンタマリアがウザすぎて悶える
今回は光石研メイン回。
前作の『バイプレイヤーズ』では、なぜか「女癖がメチャクチャ悪くて思わず不倫してしまう」というキャラ付けをされていた光石だが、今回は「仏の光石」ということで、どんなにヒドイことをされても怒らないというキャラに。
そんな光石の感情をちょいちょい逆なでてくるのが、朝ドラの監督としてやってきたユースケ・サンタマリアだ。
やたらと調子いいことを言うわりに約束は守らない、先輩に対して馴れ馴れしい、ナチュラルに無礼……普通だったらキレるわというウザさ全開。
コレを見ていて改めて思ったけど、ボク、役者としてはともかく、タレントとしてのユースケ・サンタマリアって正直苦手だわ……。
『バイプレイヤーズ』では役者が本人役として実名で登場してくるが、演じているキャラクターは、もちろん素の役者自身というわけではなく、その役者に対して世間が抱いているイメージを極端にキャラクター化している。
遠藤憲一が強面だけど小心者で動物好きだったり、大杉漣が仲間大好きだったり、松重豊が世話焼きだったり、田口トモロヲがサイコパスだったり……。
素の本人とは違うんだろうけど、何となくしっくりとくるキャラ付けをされている。
そういう意味では、光石研の「仏の光石」キャラもそれっぽい。とにかくいい人そうだし。(不倫キャラはどうか知らないが)
そこでユースケ・サンタマリアの今回のキャラですよ!
素の彼がどういう人なのかは知らないけど、バラエティ番組などで見せるあのウザい感じ、ボクの苦手なサンタマリアが濃縮されてキャラクター化されているのだ。
もう……見ていてキツイ……。
ま、しかし、こんなウザイキャラを本人役として実名で出演することをオッケーしているユースケ・サンタマリア。結構いい人なんじゃないかという気もするが。
里見浩太朗が『バイプレイヤーズ』好きだったらいいな
今回、もうひとりのゲストは、まさかの里見浩太朗! 黄門様ッ!
前作での役所広司ですら、「出る出るといいつつも、結局、出演しないんじゃないか?」と思っていたのに。……だって、テレ東の変なドラマだよ!?
本当に役所広司が出てきた時にはかなりビックリさせられたが、今回の里見浩太朗はさらに驚愕!
先週の予告編で見た時にも、絶対にそっくりさんだと思ってたもん。
こんな超・大御所がどうしてこんな変なドラマに……!? しかも、チョロッと顔を出すとかいうレベルではなく、かなり出ずっぱりだったのだ。
テレ東のキャスティング担当がメチャクチャ優秀なのか、意外とギャラがいいのか……!?
そのどちらでもなく、「里見浩太朗が『バイプレイヤーズ』のことを好きだから」だったらいいなと思う。
バイプレイヤーズの面々、そして『バイプレイヤーズ』という番組が好きだからという理由で逆リクエストで出演を希望してくる役者も多いらしいが(最終回に再登場する滝藤賢一もそのクチらしい)、里見浩太朗もそうだったら……素敵な話ですねぇ。
ドラマ内でバイプレイヤーズたちが演じている「島おじさん」に関して、里見はこんなことを語っていた。
「ボクね、みなさんのやっている島おじさん、大好き。だってみなさん、楽しそうじゃないですか。どこまでがセリフでどこまでがアドリブかわからなくて」
コレ、そのまんま『バイプレイヤーズ』に置き換えられるもん。
そんな素敵な里見浩太朗に対しても、サンタマリアは無礼な振る舞いを繰り返し、なんと「島おじさん6」役をオファーする。
「サンタマリアきさん! おいコラ!」
「名優・里見浩太朗さんを島おじさん6? はぁ? オレたちでもお前島おじさんギリギリぞ。それをお前、里見浩太朗さんを島おじさん6って!」
怒り慣れていない人がキレると本当にヤバイ&九州弁が全開になると何言ってるんだか聞き取れない!
自分に対してどんなに無礼な振る舞いをされても仏の心で許すけど、大先輩に対しての無礼は許さない! ……というあたりもグッときてしまう。
しかしその後、里見は「島おじさん6」ではなく、犬の神様「島犬」として出演することに。
もう、ドラマ内の設定とか関係なく、里見浩太朗に変なコスプレをさせて「ワオーンワオーン」とか叫ばせている、このドラマのスタッフがヤバイ! そして里見浩太朗、心広すぎる。
光石研はユースケ・サンタマリアじゃなくって、リアル『バイプレイヤーズ』のスタッフにキレた方がいいよ!
やるときゃやるから、テレ東は
『バイプレイヤーズ』もいよいよ今夜、最終回。
大杉漣が急逝した段階で、第4話は7割、最終回は3分の1程度しか撮影が終わっていなかったというが、第4話に関しては、光石以外のバイプレイヤーズが出てくるシーンが妙に少ない感じはしたものの、特に違和感ないエピソードに仕上がっていた。
最終回はおそらく大杉漣メイン回だと思われ、足りないシーンをごまかしつつキレイにまとめるのはさらにハードルが高いとは思うが、今週、光石研が言っていた「大丈夫だって、やるときゃやるから、テレ東は」という言葉を信じながら放送を待ちたい。
(イラストと文/北村ヂン)