review

「ベルリン・シンドローム」自分探しの一人旅からの拉致監禁、監禁被害者の心理の迫真

監禁が長期間に及ぶうち、2人の関係は単なるサイコ野郎と被害者ではなくなり、どちらが上位にあるのかも曖昧になる。誘拐や監禁の被害者が犯人と時間を過ごすうちに共感や同情を抱くストックホルム症候群という用語があるが、『ベルリン・シンドローム』というタイトルはこの用語を意識してつけられたものだろう。ストックホルム症候群は犯人に同情するだけだが、『ベルリン・シンドローム』ではあくまでクレアは脱出の望みを捨てない。絶対にここから逃げ出さねばならない。しかしこの男には多少愛着も出てきた。だけど、やっぱりコイツだけは許せん……。

ややこしすぎる監禁被害者の心理を、クレアを演じたテリーサ・パーマーは目つきや表情や座っている時の姿勢だけで表現する。そしてカメラはそれを懇切丁寧に追う。丁寧すぎて息苦しいくらいだ。「たとえイケメンだろうとも、同じ密室にいる男が何を考えているのかわからないとめっちゃ怖い」という生々しさは、監督ケイト・ショートランドが女性であることとも無関係ではないだろう。男が見ても「なるほど、これは怖いわ……」と納得させられるパワーがある。

果たしてクレアは無事に脱出できるのか、そしてアンディがどうなっちゃうのかは、ぜひ映画を見て確認していただきたい。おれはとりあえず、「知らない国に行くときは、現地語で『助けてくれ!!』はどう言うのかちゃんと練習しておこう」としみじみ思った。
(しげる)

【作品データ】
「ベルリン・シンドローム」公式サイト
監督 ケイト・ショートランド
出演 テリーサ・パーマー マックス・リーメルト マティアス・ハービッヒ エマ・パディング ほか
4月7日よりロードショー

STORY
ベルリンに旅行に来たバックパッカー、クレア。彼女は偶然出会った英語教師のアンディと恋に落ち、彼の家に泊まる。しかし翌日、部屋の鍵が閉められていることに気づき動揺。アンディを問い詰めたクレアは、彼の正体を知ることになる

あわせて読みたい

  • 「殺人者の記憶法」認知症の元殺人犯

    「殺人者の記憶法」認知症の元殺人犯

  • 新悪魔祓い「ドクター・エクソシスト」

    新悪魔祓い「ドクター・エクソシスト」

  • 「彼女の親に初めて会う」恐怖映画

    「彼女の親に初めて会う」恐怖映画

  • 映画「トンネル闇に鎖された男」が凄い

    映画「トンネル闇に鎖された男」が凄い

  • レビューの記事をもっと見る 2018年4月10日のレビュー記事
    「「ベルリン・シンドローム」自分探しの一人旅からの拉致監禁、監禁被害者の心理の迫真」の みんなの反応 2
    • 匿名さん 通報

      一人旅をしている女子が、常に出会った人とのツーショット動画を配信公開していて賢いと思った。襲ったら即座に動画視聴者によって通報され逮捕。

      1
    • 匿名さん 通報

      自分探し

      0
    この記事にコメントする

    \ みんなに教えてあげよう! /

    新着トピックス

    レビューニュースアクセスランキング

    レビューランキングをもっと見る

    コメントランキング

    コメントランキングをもっと見る

    トレンドの人気のキーワード一覧

    新着キーワード一覧

    エキサイトレビューとは?

    エキレビ!では人気のドラマやテレビアニメ、話題の書籍を人気ライターがレビュー、解説! 人気ドラマのあらすじや、話題の書籍が支持される理由の考察、国民的アニメに隠された謎の解明など話題の作品の裏話を紹介。

    その他のオリジナルニュース