『あな家』最凶不倫妻・木村多江とどう戦えば良いのか 夫婦問題研究家に聞く
木村多江の暴走に、今後も注目!?(画像は番組公式サイトのスクリーンショット)

中谷美紀主演ドラマ『あなたには帰る家がある』(TBS系/金曜夜10時~)で玉木宏演じる秀明とW不倫に陥る綾子を演じる木村多江が「怖すぎる」と話題だ。

最初は家庭的で儚げな女性に見え、いざ不倫に陥ると、とんでもない攻撃力を発揮する。

不倫相手と家族ぐるみでバーベキューに行き、不倫が相手の妻・真弓(中谷美紀)にバレて怒鳴り込まれると、「それで? そもそもあなたは誰かを許せるような人間なの?」と開き直り、淡々と批判してみせる。
「バーベキューのときの(あなたの)お料理、ひどかった。野菜の切り方も、洗い物の仕方も。妻の務めを果たせないくせに、要求ばかり。不満ばかり。何を被害者ぶってるの?」

さらに、不倫相手の好物のメンチカツを大量に手作りして妻の職場に差し入れたり、別れ話を切り出される際に手作りのトルティーヤを持参したり、相手の家族旅行の場所に偶然を装って現れたり、挙句、相手の家に押し入って、その娘に「ママと呼んで」と言ったり。

あまりの恐ろしさと腹立たしさに、イライラし通しの視聴者は多いだろう。

しかし、「これに似た状況は現実でもたくさんありますよ」と夫婦問題研究家の岡野あつこさんは言う。


男を奪い取るために手段を選ばない「自爆テロ」をする女


岡野さんいわく、真弓は最初に大きな間違いを犯してしまっているそう。
「ユースケ・サンタマリアさん(木村多江の夫役)が中谷美紀さんに『恨むなら、お前のダンナを恨め』と言いますが、それは大間違い。そんなことをしたら夫婦は壊れてしまいます。この場合、夫を盗ろうとしている木村多江さんを恨まないと、やり直しはできないのです。だって、他人の家を壊して、同じ土俵に立ってから、(狙った男を)奪い取ろうと『自爆テロ』をする女ですよ。
このタイプは、『目的達成型』で『燃え尽き型』ですから、目的を達成するためなら手段を選ばずなんでもしてきます。ぶち壊して、その後を狙う、五分五分の賭けに出ているわけです。こういうタイプに惚れられたら、強盗に入られたようなもの。冷静に相手を分析し、戦わないといけません。そこで奥さんが夫を許さずに、離婚してしまったら、また夫との関係が戻ってしまうかもしれませんよ」

このような状況で、綾子のような女と戦うには、どうするのが正解なのか。
「玉木さんは『自分がケジメをつける』と言いましたが、それも間違い。
ダンナが一人で『別れてくれ』と言っても、『奥さんに言わされている。可哀想』と思われますし、余計に火に油を注いでしまうだけ。下手したら、刃傷沙汰になってしまいますよ。二人そろって『もう来ないで』と言うことが大切で、できれば夫婦で弁護士を立て、警察と法律によって歯止めをかけるようにしましょう」

普通は「警察を呼ぶ」ことが威嚇になるが、それでも引き下がらない場合は、最悪の場合、引っ越しを検討する必要もあるとか。

また、家事能力などを批判してくる攻撃法には、ただただ腹が立ってしまうけど、どのように反撃すれば良いのだろうか。
「『野菜の切り方、ひどかった』などの発言は、ホントのことだけに、余計に腹が立ちますよね。
ただ、これは合法的な嫌がらせですから、感情的に怒ってしまってはダメ。相手はますます『この女には勝てる』と思ってしまうだけです。ですから、こういう相手に対しては『あなたは確かに妻として立派です。そこは私も学ばせてもらいます』と相手の強みを否定せず、いただいてしまったうえで、『私には子どももいるし、たくさんの思い出もある』と自分の強みを出しましょう」


妻にとって最良の選択は?


このような危機的状況では、「仕事をやめる、あるいは夫の迷惑にならない程度に減らして家庭を優先する」のが、夫婦を守るためには最良の選択だそう。
「ただし、夫婦を守るための選択で、夫婦はうまくいっても、自分らしさを殺すことになる可能性もあります。場合によっては夫を切り捨てて、子どもと二人で生きていくほうが成功することもあります。
自分らしさを大切にするか、夫婦を守るか、どの選択が良いのかは、自分や相手にもよるし、時期にもよると思います。いずれにしろ、長い目で見て出した結論なら良いですが、意地や一時的感情で出しただけの結論であれば、後悔することになりますよ」

ちなみに、夫の不倫に悩む女性からの相談を多数受けている岡野さんだが、このようなドロドロの状況から立ち直り、家庭を守れたケースは多々あり、お礼のメールを送ってくる人も多数いるという。

5月18日放送分では、離婚を決意した真弓だが、はたしてその後の家庭はどうなるのか。

ドラマの行方を見守るとともに、自分のもとにも絶対に訪れないとは言い切れない「最凶不倫妻・綾子」との戦い方をシミュレーションしてみるのも良いかも。
(田幸和歌子)