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ウェス・アンダーソン「犬ヶ島」これは傑作アニメ、王道にして奇怪で過剰なディテール

       
鍵のかかった檻に入ったまま死んだと思われたスポッツだったが、それは違う犬だったことが判明。まだどこかで生きているはずのスポッツを探し、犬ヶ島に住む伝説の予言犬ジュピターとオラクルを訪ねるアタリ少年と5匹の犬たち。一方メガ崎ではドッグ病の特効薬を研究し小林市長を批判していた渡辺教授が監禁され、その裏の陰謀を暴くべくメガ崎高校の新聞部員たちが動き出す。そしてアタリ少年を捕らえるべく追っ手を放つ小林市長一味。はたしてアタリ少年はスポッツに再開できるのか。そして小林市長たちの陰謀とは。

「メガ崎」という地名からわかるように、『犬ヶ島』はちょっとヘンテコな日本を舞台にしている。劇中でも日本人であるキャラクターたちは全て日本語で話し、画面に出るスタッフの字幕などには全て横にカタカナ表記も出る。いきなり出てくる相撲や和太鼓、巨大なコンビナートやカタカナで書かれた看板、ぶっ壊れた原子力発電所などなど、「合ってはいるけど、なんだか変」な日本描写がパンパンに詰まっているのだ。

しかし、この映画のスタッフはおそらくこの「ちょっと変な日本描写」を、完全に分かった上でやっている。なんせ監督が細部にこだわり抜くウェス・アンダーソンである。『犬ヶ島』でも全ての色彩と構図が完璧にコントロールされ、「ちょっとずれた、変な日本」を表現するために奉仕している。また、シンメトリカルな構図と固定されたカメラによる戯画的なムードも見所。なんせ『犬ヶ島』は、画面に映るもの全てを意のままにできるストップモーションアニメだ。犬たちの毛並みの汚さ(どの犬も臭そうなのである)から三船敏郎のような小林市長の表情、サビの浮いた犬ヶ島の施設や積み上げられたゴミのひとつひとつに至るまで、めまいがするようなディテールが集積されている。

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2018年5月28日のレビュー記事

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