特定の分野について愛があふれすぎたマニアの人々が、同人誌やイベントを通じてその世界の魅力を伝えるのが静かなブームになっています。
この分野への愛なら誰にも負けない! そんな猛者たちが集まる、マニアの、マニアによる、マニアのための同人イベント「マニアフェスタ」が、このほど東京・清澄白河(きよすみしらかわ)で開催されました。

路地裏の「アレ」が好きすぎてハンコを作っちゃった女子
こちらは、路上の落し物写真収集マニアと路上の園芸マニアの女性2人組アートユニット「サボテンズ」のブース。
下町の路地裏の軒先でよく見かける、町中の園芸や見覚えのある造形物たちを再現する「家(いえ)ンゲイはんこ」を出品していました。

あ、これ、居酒屋のトイレでよく見かけるやつだ……

はたまた、架空の選挙ポスターや

エアコンの室外機、プラスチックの漬物樽……
あるある。たしかに路地を歩いていると、こういうの見かけますよね。
気に入ったはんこを組み合わせれば、自分のセンスを頼りにお好みの路地裏を作り出すことができます。


詳しい!見やすい!”架空の街”の地図

こちらは地図クリエイター「地理人(ちりじん)」こと今和泉隆行(いずみ・たかゆき)さんのブース。
実際には存在しない架空の街「中村(なごむる)市」の市街地図を作って販売しています。
鉄道や幹線道路はもちろん……

道路沿いのコンビニもアイコンつきで表示。便利…!

でもこれ、全部実在しません。
すべて空想の世界なのです。空想でここまでディティールを詰められるって、すごい……
8歳のころからこうした「架空地図」づくりを始めたという今和泉さん。
作品づくりが認められ、テレビドラマの劇中に登場する架空の地図の製作を担当したこともあるとか。
好きを極めると、新たな世界がひらけるんですね!
大学の水で「飲み会」を開くサークル

こちらは「大学の水飲み比べサークル」。
有名な学校のロゴがズラリ。

さっそくいくつかいただいてみます。オススメは……
「いちばんマズいと評判なのは、最近なにかと話題な【某有名大学】のお水です。いかがですか?」
(ゴクリ……)
ああ。うん…… 言われてみると……。
これ以上のコメントはやめておきましょう。
大学の水、といってもキャンパスで取水しているわけではなく、北アルプスなどの有名な取水地で採取されたものを仕入れて学校のラベルを貼ったもの。
しかし、同じ水源でも取水地がどれほど上流に近いか、などの違いで味に違いが出てくるのだそうです。
普段見ているものでも、その種類の違いを細かく見ていくとこんなに楽しめるものなんですね。毎日を楽しく過ごすコツって、新しい視点を持つことなのかも。
いろんなことに関心をもって突きすすむマニアの人々の世界。彼らを追いかける「マニアマニア」も急増中とのことです。
(天谷窓大)