最後の砦、R-指定(→→twitter)がFORK(→twitter)を倒し(→「フリースタイルダンジョン」「視聴率下がってそのケツを拭きに来ただけや」R-指定×FORK超ヤバい)、次なる2代目モンスターACEの登場である。
即興のラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』5th season Rec 3-8(→公式、→テレビ朝日、→Abema)で毎週火曜日深夜放送。
いままでの振り返りが、いつになく長いのは、いろいろ時間調整のためか。
8小節2ターンのMCバトルの3本勝負で、ライブもあり、ジャッジもあり、振り返りあり。
これらを、30分番組(CMを除けば23分ぐらい)の中に詰め込み構築するのは超難関パズルだろう。
今回のバトルは、R-指定とACEのみ。
煽りVで、R-指定はACEを「初対面の人でもホテルに連れていけるぐらいの強引さ、あ、あくまでもキャラクターですよ」と語り、
ACEはR-指定を「ラップと発声が上手くて当たり前の事がルーティーンとして根付くから上手く聴こえる。穴だらけですよ」と語る。
先攻のR-指定。
前回のFORKの言葉を受けて「FORKの後にダジャレが来ちゃった」とかます。
これが強烈で、後々まで影響を与える。
そこから、あまり韻も踏まず、こんこんとストレートな説教。
ACEが「はい来ましたよブーメラン そんな陳腐な韻ばっかりふーんでな」と返す。
R-指定が放った「ブーメラン」というワードを受け取り、「ふーんでな」と韻を踏む。
通常なら「うまい」って感じのところだ。
が、R-指定はブーメランで韻を踏んでない(よね?)のと、「ダジャレが来ちゃった」のディスとが、邪魔をする。

さらにR-指定「お前 ダジャレ 俺 本ジャレ」と冷静に返す。
以前、審査委員のいとうせいこうが番組で「ダジャレと本ジャレの違い」を解説していた(言葉の響きだけじゃなくて意味もかかってるのが本ジャレ、だったっけ?)。
「俺、おしゃれじゃないけど本物」と続ける。
「まな板の鯉」「(約束は)果たしなよBoy」と固い韻を踏んで、
最後に「韻をよんでるかもしらんけど、お前は全然ライムも思考も読めてない」と冷徹な解説を浴びせる。
ACEは「本ジャレ」と「ほんじゃね」と踏み、
「まな板の鯉」から「マザーファッカー」「学んで」「また来い来い、おいおい」を繰り出す。
「ま」の頭韻と、「鯉」「来い」「おい」の重なり。
内容と固い韻で攻めたR-指定と、勢いと手数で攻めたACEの対決になった。
4対1でR-指定が獲る。
2ND BATTLE。
先攻のACE「フロウだけでこの内容届けていくよ」というフレーズと、前半の聞き取りにくさを、R-指定はすかさずピックアップする。
R-指定「何ひとつとして聴き取れない」と頭でかます。
状況把握能力と、相手の弱点をすかさずピックアップして、短い言葉で的確に突き刺すフレーズにしてしまう能力の高さの凄さ。
「言葉の勝負を投げたお前 なら そんな奴らに興味などない」
ダメ押しのディス。
ACE「Creepy Nutsマジで聴いたことないしって人はどんだけいますか? いないらしい 忌々しい」と
Lillyさん解説するところの「ナイスパス」を出してしまって、
対するR-指定が「全員が聴いてる 全員が知ってる」と絶好調。
「俺が進んでく ACEが滑ってる」とディスへの転換も巧妙。
「聴き取れる」「君のレベル」で韻を踏みつつフレーズとして綺麗なディスでしめて上々。
クリティカルでR-指定の勝利。
次回、呂布カルマ(→twitter)(→『SUPERSALT』)とR-指定の対決である。あの奇跡のバトル(→神回「フリースタイルダンジョン」呂布カルマ×R-指定、審査員驚愕、会場騒然、壮絶な幕切れ)がまた巻き起こるのか!(テキスト/米光一成 イラスト/まつもとりえこ)