今回は手越祐也が出演!
頭のおかしいクイズ司会者・城山登場
新ゲーム「ジ・アンカー」がスタート(原作では「ザ・アンカー」だったけど、「ジ・アルフィー」と同様、母音はじまりなので、ドラマの方が正しいよね)。
仰向けになった状態で縛り付けられた3人組の頭上で、碇(アンカー)が巨大な振り子状態で行ったり来たり。
A〜Zまでのパネルをめくり、出てきたクイズを3人組が順番に答えていく。正解ならUPポイントが増え、不正解だとDOWNポイント。
パネルをめくった時に「A」が出ると「アンカー問題」という特別な問題。これに正解すると、それまで貯まっていたUPポイント分、碇が上に移動。不正解だとDOWNポイント分、碇が降下。
振れている碇が、頭に当たる高さまで降りて来ちゃうと、3人組はおそらく死!
全問(26問)終了時に、スタートの時よりも碇が上がっていれば完全クリアで3人にリングを各3つ。下がっていてもギリ生き残ってさえいればリング1つずつ。
……と、ざっくりこんな感じのゲーム。
実は、通常問題の正解不正解はあまり意味がなく、とにかくパネルの中に6問隠されているというアンカー問題を確実に正解していけば余裕でクリアできるハズなのだが。
厄介そうなのが、クイズ番組形式になっているこのゲームの司会者・小太郎ヒルマウンテン ウィリアムス・ハリソン ジャガーサタケ・ジェームス城山(手越祐也)。
3人組でやって来た挑戦者たちが、恐怖で仲間割れし、上っ面の友情が壊れていくのを見るのが大好きなキチガイだ。
そのためならば、肝心なルールを事前に教えなかったり、解答順を意図的に決めたり、本来予定されていたものとは違う難し〜い問題を出したり。
これまでのゲームでは、とにかく仕掛けられた謎を解くことができればクリアできたわけだが、「ジ・アンカー」では、時にルールすらねじ曲げることが可能な司会者が存在するため、こいつをどうにかしなければクリアなんてできそうにないのだ。
変顔全開でキチガイを演じる手越くんが好きになってきたよ
この司会者・城山。頭のおかしい登場人物が続々出てくる原作……いや、福本伸行漫画においても、一際クレイジーなキャラクターだった。
顔面にタトゥーなのかメイクなのか、奇妙な模様を入れており、バナナ状のウンコを5本頭に乗っけたような髪型(理由があるのだが)。そして、メチャクチャ頭がおかしいという最高なキャラ。
このヤバイやつを、主演・加藤シゲアキと同じNEWSのメンバー・手越祐也が演じるというこで、「ジャニーズにこんなキチガイを演じることができるのかいな?」と心配していたのだが、なかなか吹っ切れた演技をしてくれた。
さすがに、顔面の変な模様や、ウンコ髪型は再現していなかったものの、このテンションが異常に高いクレイジーなキャラをバッチリ演じきっていた。
……というか、セリフ中に「子猫ちゃ〜ん」というワードをぶっ込んできたりと、かなり手越自身にキャラを寄せてきているのだ(手越はNEWSファンのことを「子猫ちゃん」と呼んでいた)。
正直、これまで役者としての手越くんの演技をほとんど意識して見たことがなかったのだが、顔芸全開でぶっ飛んだキャラを演じる手越くんを、ちょっと好きになってしまったよ。
この城山というキャラ、とにかく「偽善」や「友情」といったものを憎んでいるのだが、どうしてこんな性格になってしまったのか……というあたりは「Hulu」にて配信されているスピンオフ作品『ゼロ エピソードZERO 城山小太郎編』の方で詳しく描かれている。
NEWSの増田貴久がゲスト出演した際も、増田主演のスピンオフが「Hulu」で公開されていたように、NEWSファンに向けたサービス的な側面が強いのだろう。
しかし、わざわざ本編に入れ込むほどではないけど、知っておくとドラマがさらに楽しめる、サブキャラクターのスピンオフをネット有料配信するという試みは、なかなか面白い。
手越くん演じる城山は、こんなにイケメンなのに、なんでキチガイ&性格がねじくれてしまったのか?
城山のキャラが気になった人、及び手越くんファンは是非。
仲間の中二病なイケメンが引っかき回してきそう
さて「ジ・アンカー」。
原作ではこのゲームにゼロ、ヤクザ、ボンクラな仲間という組み合わせで挑戦している。
天才、バカ、バカという組み合わせだ。
対してドラマ版では、ゼロを慕い、役に立ちたいということで志願してきたヒロシ(岡山天音)、そして前回、ゼロのライバルでもある標(佐藤龍我)を殺そうとしていたユウキ(小関裕太)。
天才、バカ、まあまあ頭がキレる……という組み合わせなのだ。
原作では、ゼロ以外が正解するのはほぼ期待できない状態だったが、ドラマ版ではユウキもそこそこ正解してくれそうで、単純に考えれば難易度が下がるはず。
ところがこのユウキ、本当に何を考えているのか読めないのだ。
自分は安全圏にいながら、一方的に標を見殺しにすることが可能だった前回のゲームとは違い、「ジ・アンカー」は、ゲームに失敗=3人とも死亡ということ。
思いっきり自分の命も懸かっているというのに、アンカーの上下を決める「アンカー問題」に不正解しても「ヤッベエ〜」なんてニヤニヤしているのだ。
「好き勝手やる代わりにいつ死んでもいい」なんて中二病感あふれることを言っていたらしいが……。
このドラマ、キチガイなイケメンが出過ぎだろう。
意図的にゼロを妨害してくる司会者・城山とともに、自分の命を投げ打ってまでゲームを引っかき回してきそうなヒロシの存在も気になるところだ。

1000億円 VS 100兆円
この「ジ・アンカー」に挑戦する前、標が気になることを言っていた。
「ゼロ、手を組まないか? ふたりで一緒に在全(梅沢富美男)を倒そう」
標の目的は賞金1000億円などではなかった。
在全を倒して総資産100兆円を奪い、金を使って腐った世の中を変えたい。そのためなら自分は死んでもいいというのだ。
1000億円でも想像の範囲外だが、さらに100兆円!
「俺の今の目標はリングを4つ手に入れること、それが在全に勝つってことなんだ」
とか言ってるゼロとはスケールが違う。
総資産100兆円持っている人から1000億程度奪ったところで、痛くもかゆくもないだろう(そもそも賞金として自ら出している金だし)。
この、標による「在全を倒す」計画。連載が途中で止まっている原作ではまったく描かれていないだけに、ドラマ版でどういう展開になるのか気になるところ。
……最終回になっても在全との決着はつかず「映画版に続く」になりそうな予感もするが。
(イラストと文/北村ヂン)
【配信サイト】
・日テレオンデマンド
・Hulu
・TVer
『ゼロ 一獲千金ゲーム』(日本テレビ系列)
原作:福本伸行『賭博覇王伝 零』(KCデラックス 週刊少年マガジン刊)
脚本:小原信治
演出:丸谷俊平
主題歌:NEWS「生きろ」(ジャニーズ・エンタテイメント)
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:櫨山裕子、秋元孝之
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ