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「人生100年時代」に死とどう向き合うべきか 宗教学者に聞いてみた

       

日本人の宗教心はゆるく、曖昧で、わかりにくい


「人生100年時代」に死とどう向き合うべきか 宗教学者に聞いてみた

――本書でもっとも興味深かったのが、「死後世界を信じているか、いないか」を問うアンケートでした。日本では宗教に対してネガティブイメージを持つ人が一定数いる反面、このアンケートでは、若者ほど信じるという人が多く、70歳以上に信じない人が多いという結果が出たんですよね。一般的には、若い人ほど虚無的で「神などいない」という人が多く、高齢者ほど信心深いイメージがあるのに意外ですね……。
これは経済至上主義とならざるをえなかった戦後の若者が、そのまま老人になったからだ、という分析もおもしろかったです。「この60年で日本は随分宗教的になった」とも書かれていましたが、それはなぜだとお考えですか? 本来、日本人は宗教的な国民だということでしょうか?


正木 キリスト教みたいに毎週教会に行ってお祈りをするとか、イスラム教みたいに毎日何回も聖地メッカに向かってお祈りするとか、そういう行為で、宗教心があるかないかを判定するのは、少なくとも日本では無意味です。
なぜなら、日本人の伝統的な宗教は、日常生活のなかに、宗教がいかにも宗教らしい形であるとは限らないからです。そもそもお彼岸やお盆に、墓参りをするのは、立派な宗教的行為です。初詣も盆踊りも、外国人の目には、宗教的な行為にしか見えません。ところが、日本人の多くは、それが宗教的な行為とは考えていません。
よく指摘されるとおり、日本はおそらく世界でいちばんキリスト教徒が少ない国です。では、なぜ少ないのか。自分では気付いていませんが、日本人の多くが宗教を持っているからです。ただし、日本人の持つの宗教はゆるくて、曖昧で、キリスト教やイスラム教のようにいかにも宗教らしい宗教ではないのです。

こういう事実もあります。明治維新以降の近代化の過程で、日本人は欧米の列強に追いつけ追いこせとばかりに、欧米をモデルとみなし一生懸命がんばってきました。がんばらないと欧米列強の植民地にされてしまうので、仕方なかったのです。この過程において宗教は邪魔でした。文明化の敵でした。だから排除されがちでした。
その後、第二次世界大戦でこてんぱんに負け、ついで高度成長で経済至上主義となり、日本はなんとか生き延びました。そしてバブル期・バブル崩壊を経て、いま日本人の多くは、一息ついて、自分たちの足もとを見つめる余裕がやっと生まれてきた気がします。すると、もともと持っていた宗教性が復活しつつあるのではないか。私は、そう考えています。

――たしかに初詣も盆踊りは宗教的な行為というより、季節のイベントとして捉えている人が多いですね。経済優先で精神的なものを置き去りにしてきた結果、何か依リどころを求めているのは確かなんだけれども、それが何かはまだわからない、といった感じもします……。


死後の世界は、科学では解き明かせない!?


――神、魂、幽霊といった目に見えない世界の話をしていると、必ず「死後の世界は科学で証明できないのだから、そんなものはない」と水を差してくる人がいます。先生の著書では、「死後の世界は科学の担当ではない」「宗教的真実と科学的真実は両立する」と書かれていましたが、これはなぜですか?

正木 死後世界があるかないか、科学的に究明しようとしている人びとは、日本にもいます。現に私自身、その種の団体から依頼されて、講演もしています。
たとえば、臨死体験の場合、臨死はあくまで「死の直近」であり、「死」そのものではないので、いくら臨死体験を研究しても、死後のことはわかりません。少なくとも現状では、完全に死んでしまった人が、はたして何かを見ているのか、感じているのか、探るすべはありません。

ようするに、死後の領域は科学的な方法論では解明しようがないのです。
また、科学にはおのずから限界があります。たとえば物質の根源を探るためには、加速器が必要です。しかし、現時点で最大の加速器をもってしてもまだ十分ではありません。もっともっと大きな施設が必要とされています。ところが、今ある施設以上に大きなものを建てるのは、技術的な問題以前に、経済的に無理なようです。

科学は理論があって、その理論が実験によって確かめられて初めて真実と認定されます。でも、もはや実験ができなくなりつつあるのです。そうなると、科学も理論だけになります。理論だけで証明することができないなら、宗教と似たようなものです。というように、先端科学の領域では、今、とても皮肉なことが起こっています。
ちなみに、アメリカでは国を挙げて、「脳のアポロ計画(ブレイン・イニシアティブ)」を進めています。脳の神経伝達の仕組みをすべて解明して、コンピューター開発に応用しようという計画です。もし仮に、脳の神経伝達の仕組みをすべて解明できたとして、死後の領域を解明することは可能でしょうか。人が生命の危機に遭遇したとき、脳はどういう対処するかがわかるくらいで、死後の世界は未解明のまま残ると思います。

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「「人生100年時代」に死とどう向き合うべきか 宗教学者に聞いてみた」の みんなの反応 36
  • 匿名さん 通報

    宗教のイメージが悪い?そりゃあ、○価学会のせいでしょ。

    19
  • 匿名さん 通報

    宗教のイメージが悪い?そりゃそうだろ しつこい勧誘、信者はただの集金マシーンか財布なんだから

    16
  • 匿名さん 通報

    宗教のイメージが悪い?そりゃそうだろ 毒ガスまいたり、知らないやつと強制的に結婚させられたりするんだから

    14
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2018年9月18日のコネタ記事

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