
相撲が大好きで、以前から日本武道館のような伝統的な会場でコンサートを行なってみたいというポールの想いがついに実現した初の両国国技館公演が11月5日(月)に行われた。
会場外には色鮮やかなポール・マッカートニーの「のぼり旗」が掲げられ、さながらポール場所といった雰囲気の中、「ア・ハード・デイズ・ナイト」で開幕。
5曲目には、36年ぶりに全米1位を獲得した最新アルバム『エジプト・ステーション』から、「シンキョクデス!」というMCに続いて大ヒット・シングル「カム・オン・トゥ・ミー」を披露。12曲目「フロム・ミー・トゥ・ユー」の前には「ドスコイ、ドスコイ。ごっつぁんです」と話し、股を広げて腰を下げるポーズをとった。14曲目「ブラックバード」の時には会場が狭いのでアコギの生音が聞こえ、ザ・ビートルズのレコードのようにポールの足踏みの音まで聞こえた。
また、国技館は東京ドームに比べて客席との距離が近いこともあって、ポールも積極的にファンとのコミュニケーションを図り、「東京出身の人は何人いますか?」「東京以外の出身の人は何人いますか?」と観客に質問。両者同じくらいの歓声があがると「どちらもようこそ!」と話したかと思えば、叫んでいる男性に対しポールも、日本語になっていない“めちゃくちゃ日本語”で返し、会場は爆笑に包まれる一幕もあった。観客がポールから見える距離だったので、全体にポールのジェスチャーが大きく、観客いじりがドームに比べて多かった。それがポールのパワーになってより良い演奏につながった。

後半に入り「サムシング」の前には、ジョージでなく、「ジョン、リンゴにも捧げます」と話したかと思えば、「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」の後に「僕の日本語でOK?」と積極的に話し、「007死ぬのは奴らだ」では、国技館でもおなじみの炎と爆発音があり天井が白い煙に包まれた。アンコールでは今回会場で配られた赤と青と白の3種類のサイリウムによって、あたかも客席がユニオンジャックになるような光景が見られた。
さらに、ステージ上のメンバーとも距離が近くてバンドの一体感が増し、まるでライブハウスにいるような、ロックバンド本来のライブの醍醐味を体感できるステージだった。
最後は「ごっつぁんです。また会いましょう。シー・ユー・ネクスト・タイム」と言って締めくくった。

≪セットリスト≫
1. ア・ハード・デイズ・ナイト(ザ・ビートルズ)
2. ハイ・ハイ・ハイ(ウイングス)
3. オール・マイ・ラヴィング(ザ・ビートルズ)
4. ワインカラーの少女(ウイングス)
6. カム・オン・トゥ・ミー(ポール・マッカートニー / 最新アルバム『エジプト・ステーション』収録)
6. レット・ミー・ロール・イット(ウイングス)
7. アイヴ・ガッタ・フィーリング(ザ・ビートルズ)
8. マイ・ヴァレンタイン(ポール・マッカートニー)
9. 1985年(ウイングス)
10.夢の人(ザ・ビートルズ)
11. イン・スパイト・オブ・オール・ザ・デンジャー(ザ・クオリーメン)
12. フロム・ミー・トゥ・ユー(ザ・ビートルズ)
13. ラヴ・ミー・ドゥ(ザ・ビートルズ)
14. ブラックバード(ザ・ビートルズ)
15. クイーニー・アイ(ポール・マッカートニー)
16. レディ・マドンナ(ザ・ビートルズ)
17. ファー・ユー(ポール・マッカートニー / 最新アルバム『エジプト・ステーション』収録)
18. ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(ザ・ビートルズ)
19. サムシング(ザ・ビートルズ)
20. オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ(ザ・ビートルズ)
21. バンド・オン・ザ・ラン(ウイングス)
22. バック・イン・ザ・U.S.S.R.(ザ・ビートルズ)
23. レット・イット・ビー(ザ・ビートルズ)
24. 007死ぬのは奴らだ(ウイングス)
25. ヘイ・ジュード(ザ・ビートルズ)
<ENCORE>
26. アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア(ザ・ビートルズ)
27. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ)(ザ・ビートルズ)
28. ヘルター・スケルター(ザ・ビートルズ)
29. ゴールデン・スランバー(ザ・ビートルズ)
30. キャリー・ザット・ウェイト(ザ・ビートルズ)
31. ジ・エンド(ザ・ビートルズ)

≪公演情報≫
【ポール・マッカートニー フレッシュン・アップ ジャパン・ツアー 2018】
2018年11月8日(木)愛知・ナゴヤドーム
開場16:30 / 開演18:30(予定)
問い合わせ:キョードー東海(TEL.052-972-7466 / 月~土10:00-19:00)
詳細:http://freshenup-japantour.jp/
■ポール・マッカートニー ジャパンオフィシャルサイト