噂を知ったトキワが「迷惑」か「迷惑じゃないか」をキレ気味で聞いていたのが、いつになく荒れていて可愛かった。
しかも、6話のラスト。コオ先生がトキワの頭を撫でて、顔を近づけて……。
放送を見ながら「ひえー!」「わざわざそんな風にする!?」なんて叫んでいるうちに6話が終わってしまった。

家族になる軌跡、第5、6話
5話ではトキワとすず芽(趣里)、二組の親子の関係を軸に物語が展開。
すず芽(趣里)は、芸者の道に進むも、母からの理解が得られずしばらく冷戦状態だった。音楽教師の母からすれば、芸一本食べていく芸妓の仕事が不安定に見えるのも無理はない。
高円寺家ではコオ先生に好意を寄せて騒がしいすず芽だけど、原作の5巻では芸妓としてのすず芽をフォーカスしていて、カッコイイすず芽に出会える。
すず芽親子は、結局は似た者同士。お互いああ言えばこう言う素直になれずにいた。
徳丸先生が、すず芽に子どもの頃に食べていたキャンディーポットをあげたシーンで、「子どもじゃないんだけど!」と突っぱねたすず芽に「子どもになれ〜」と一言返していたけど、血縁関係がないトキワ親子の方が、ずっと自分の気持ちに素直で、ストレートにぶつかっていた。
6話では、香子(喜多乃愛)とロミをきかっけに、コオ先生と異母兄弟の頼子(ホーチャンミ)が再び昔の兄弟の関係へと戻ることができた。
これまで坂の上動物病院やコオ先生を避けてきた頼子。
「もっと遊びたかった、もっと話したかった、もっともっと」と本音をこぼす頼子に、「いつでもきてくださいよ、香子ちゃんもロミちゃんも姉さんも。僕はいつでもここにいますから」。
実の親子でも分かり合えない一方で、血縁がなくても家族として関係を築いている人もいる。そもそも他人同士が結婚して家族になるわけで、言い合いではなく話し合いをすることや、素直になるととか、この5、6話ですーっと入ってきた。
トキワのかっこよさ
てっきりトキワが産んだと思っていた大地(矢村央希)が、実は夫の連れ子だったことがわかり、トキワのかっこよさが際立ってきた。
子どもを引き取らない選択もできたかもしれない。夫の南米行きを後押しした自分を責めながら、母としての腹のくくり方、前向きに進む強さが伝わってきて、大地を育てながら夫を待ち続ける強いトキワ。
5話で大地が夫の実家へ泊りに出かけた夜。コオ先生と飲み誘ったトキワ。
「付き合ってください!」の言葉にコオ先生はハッとしていたけれど、普段は凛としているトキワが、お酒を飲み進めるにつれて気まぐれな猫っぽく見えたのがかわいかった。
それに翻弄されるコオ先生。4話の最後に言えずにいた言葉は、6話でも聞けなかった。
今回のコオ先生
いまどきあんな熱の測り方をするか!?と思いつつも、ドキドキした6話のラスト。
コオ先生とトキワがキスしていたという目撃情報も、実はコオ先生の目のゴミをとってあげていただけ。6話の最後に、「お話があります」とトキワと二人きりになったものの、おでこに手を当てて熱がありますねとコオ先生。
紛らわしというか、惜しいというか……。
6話の冒頭で、キス目撃の噂が流れたことで、「コオ先生はどう思ってるんですか?」と怒りながら聞いたトキワに「迷惑じゃないですよ」とコオ先生。
最終的にトキワから「迷惑です!!」と強く言い切られてやりとりは終わってしまったけど、ここ2回ほどでコオ先生とトキワの距離が縮まっていることは確か。
さて、次回は難しい手術が待っているよう。コオ先生とトキワも進展がありそうだ。
金曜ナイトドラマ「僕とシッポと神楽坂」第7話は今夜23時15分から放送。
(柚月裕実)
金曜ナイトドラマ『僕とシッポと神楽坂』
テレビ朝日系にて、10月12日(金)スタート 毎週金曜よる11時15分から放送
出演:相葉雅紀(嵐)、広末涼子、趣里、小瀧望(ジャニーズWEST)、渚(尼神インター)、矢柴俊博、矢村央希、アトム、ミーちゃん、大倉孝二、村上淳、かとうかず子、イッセー尾形
原作:たらさわみち『僕とシッポと神楽坂』(officeYOU 集英社クリエイティブ)
監督:深川栄洋(『神様のカルテ』『60歳のラブレター』)ほか
脚本:谷口純一郎、国井桂
音楽:林ゆうき
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:都築歩(テレビ朝日)、松野千鶴子(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/shippo/