脚本:福田 靖
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

106話のあらすじ
モデル秀子(壇蜜)に既成概念を破壊するのよと誘われ、忠彦(要潤)は苦悩のすえ、新境地に到達する。
一方、萬平(長谷川博己)の麺作りは煮詰まっていた……。
今日は歴史的な日になりましたね
2月5日、萬平さんのモデル安藤百福さんの興した会社・日清が即席袋麺、即席カップ麺および即席カップライスの価格改定を発表しました。値上げです。
ラーメン編に入ったところでの価格改定発表とは商売人だなあと感心するばかり。「まんぷく」だったら、世良さんがやりそうなことですね。
さて。岡(中尾明慶)と森本(毎熊克哉)はどうやら吉乃(深川麻衣)に一目惚れした様子で、神部(瀬戸康史)は気が気ではありません。
かつて、自分がかなり年の離れたタカ(岸井ゆきの)に恋い焦がれ、みんなから非難轟々だったことはすっかり抜け落ちているようで、がさつな男たちから義妹を遠ざけようとします。
岡と森本がかなりしかめっ面で、ぽわ〜んとなってるのを隠そうとしているにしても、この表情で良いの?と思いましたが、でれっとなってコミカルになりすぎるのをセーブする、俳優としての挟持でしょうか。
香田家では、秀子がマンボで踊り、忠彦がなにか勢いよく絵を描き出しました。
できた絵は、秀子のパッションを描いた抽象画。
赤緑色盲になったため赤色を使ってこなかった忠彦が赤を大胆に使って、殻を破った感がありました。
「今日は歴史的な日になりましたね」(秀子)
絵を見た吉乃の瞳にはてなマークが映っていることがSNSで話題になりました。
コミカル演出ながら上品さを保っています。
「う!」「あ!」とうめきながら筆をふるう要潤さんもすてきに面白い。
レコードがとまり、針がじりじりしているところと、忠彦の荒れた息遣いの重なりも、文学的な気さえします。
「あさイチ」で監督変わったのかと思った発言がありましたが、細かい部分に、善き朝ドラを愛する者たちの“安達もじり監督”(朝ドラクラシックの旗手と呼びたい)はまだ失われてはいないと感じました(と信じたい)。
絵が完成すると、秀子は別人のようにあっさり帰っていきます。
「奥様 芸術家の妻があれくらいのことでうろたえてはいけませんわ」
あくまで“仕事”。しかも、秀子は、作家の内面から未知の領域を引き出すところまでやってのけたかなりの有能さでした。
最初のラーメン
その頃、萬平(長谷川博己)は、味付け麺をどう乾燥させるか、試行錯誤が続いています。
塩漬け案は塩辛くなってしまい失敗。次に考えたのは天日干しや陰干し。
福子はパーラー白薔薇でパート中も実験が気になってなりません。
「最初のラーメン」を食したくてたまらないのです。
でも、なかなか「最初のラーメン」はできません。
萬平は闇雲にやってもダメ、もっと麺の勉強をしないといけないと反省します。
「どうして僕にそういうふうに言ってくれなかったんだ 福子 勉強しなさいって」
「おまえが僕のことを一番理解しているんだ 僕の暴走を止められるのはおまえだけなんだぞ」
と福子に甘える萬平。こういうのを笑って受け入れられる人と無理!と思う人がいるでしょう。皆さんはどちら?
福子は当然受け入れています。
福子「わかりました 萬平さん 明日図書館に行って 麺のことをしっかり勉強してきなさい!」
萬平「わかった ハハハ」
つづく
なんでそうなるの! (コント55号のギャグ)
この場面は日本の伝統ホームドラマのように見えて全く違うものですし、ましてコントでもありません。
例えば、朝ドラクラシックが「カーネーション」、朝ドラモダンが「半分、青い。」、朝ドラパンクが「あまちゃん」、朝ドラミュージカルが「てるてる家族」としましょう。そんなふうに朝ドラにもいろいろありますが「まんぷく」は唯一無二の即席朝ドラーメンとでも言いましょうか。とにかく、誰もやらないことをやってのけていることだけは事実です。
モデル企業の値上げも含めて、今日は即席ラーメン記念日になりました。
(イラストと文/木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
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「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
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