脚本:福田 靖
演出:渡邊良雄
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

111話のあらすじ
萬平(長谷川博己)の即席ラーメンの開発は続き、家計が苦しくなってきた。ひそかに困っている福子(安藤サクラ)に、真一(大谷亮平)がお金を貸すと持ちかける。でもひとつ、条件が……
「なんもかんもそっくりや怪奇現象や」
110回の放送後、ツイッターのトレンドには、「真一さん」が入っていました。困っている福子に手を差し伸べる気の利いたところと、できた麺を一番に食べたいというかわいらしさが支持されました。
真一さんは証券マンの実績はあまり役に立ってないけれど、人としてのありようとしては、「まんぷく」の救い。当初、萬平ヒロイン説がありましたが、萬平主役、真一ヒロインだったら華あるなあ。
近江谷先生から状況を聞きつけて神部(瀬戸康史)が萬平を訪ねてきます。
そのころ萬平は、金枠をつくり、麺を入れて油に入れて揚げるところでした。
神部は、パーラー白薔薇で「香ばしくてこしがあってチキンスープも絶品で」と食べた自慢。
話を聞いた、敏(松井玲奈)、アキラ(加藤雅也)、しのぶ(牧瀬里穂)がうらやましそうにすると、
「あれは僕やから食べさせてもらえたんです」「萬平さんは完璧主義者ですからちゃんと完成するまで誰にも食べさせません」と牽制。
ひとり、世良(桐谷健太)だけ、「油であげた麺なんて気持ち悪くて食べられたものじゃない」と否定します。
香田家に戻った神部は再び「香ばしくてこしがあってチキンスープも絶品で」と食べた自慢。
「あれは僕やから食べさせてもらえたんです」「萬平さんは完璧主義者ですからちゃんと完成するまで誰にも食べさせません」と同じ話を繰り返す神部。
鈴が「油であげた麺なんて気持ち悪くて食べられたものじゃない」と言い、
繰り返しに気づいた神部は、「なんもかんもそっくりや 怪奇現象や」と慄きます。
ここで、同じパターンじゃないかというのは簡単ですが、ここには意図があるような気がするのです。
人生、同じようなことが繰り返されるものというのは自明の理だし、実際、「リフレイン」を演出の手法としている作家もいるのです。
マームとジプシーの藤田貴大は劇中、何度も何度も同じ台詞や場面を繰り返す作品で有名です。彼はそれをリピートではなくリフレインと呼びます。何度も何度もあるシーンや台詞が繰り返され積み重なる演出は、演者にも観客にも同じことにもかかわらずなんだか違う感情や身体感覚をもたらします。
“僕の舞台作品で取り扱われるシーンの反復は、リピートではなくて、“シーンが助長されていくリフレイン”なのだと気づいたのも、それくらいの時期で、それからは反復されるシーンのことを、僕らはリピートではなく、リフレインと呼んでいます。これは大きな発見でした。
取り扱う事柄を、より多面的に描くのにも有効でしたし、多くの登場人物の心情風景に濃淡をつけるのにも、さらに言えば、ある街を描くうえでも、一番の武器になったように思います。“(パフォーミングアーツ ア~ティストインタビューより 聞き手:扇田昭彦 2011年11月18日配信)
はい、これ、2018年7月25日に書いたレビュー
「半分、青い。」98話。この展開デジャヴュ? 漫画家編をなぞってないか
の語尾だけ変えたものです。リフレインしてみました。
即席ラーメン師匠は、高度な芸術“リフレイン”手法まで即席ラーメン化してみせます。
そして、公式ツイッターでは、「皆様、お知らせです」と、13日の放送で、「家族と関係者を集めた試食会が開かれます」と発表。視聴率アップ対策でしょうか。
(イラストと文/木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
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「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
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