脚本:福田 靖
演出:渡邊良雄
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

「連続テレビ小説 まんぷく 下 」
128話のあらすじ
昭和45年5月、まんぷくラーメン発売から11年が経過。萬平(長谷川博己)は60歳。業界は飽和状態で、倒産する会社も出てきた。
安藤サクラすごい
立花家が信用金庫理事長時代の家に戻って11年。当然、テレビもあって、大阪万博の様子が映っています。
源(西村元貴)と幸(小川紗良)もすっかり大人に。
源は、萬平の会社につとめていて、幸は70年代ファッションに身を包んだ大学生。
萬平さんはメガネが変わりました(丸メガネから、上の縁だけ黒いメガネに)。
萬平さんは、11年間、自社商品が体にいいことを証明するために、毎朝、まんぷくラーメンを食べています。
すごい、毎朝即席ラーメンの生活って……。米やパンをラーメンに置き換えているってことなんでしょうか。モデルの安藤百福さんも、ラーメンを食べ続けていたらしいですけど、長生きされましたね。
すごいなと唸ったのは、安藤サクラ。福子のリビングでの座り方、喋り方が、中年のおばちゃんそのもの。
ちょっと首が詰まって、肩があがって前に。
たぶん、もともとそんなに姿勢のいい人ではないから、これまでがんばって意識的に姿勢をよくしていたと思うのです。初期の頃のインタビュー記事には、体幹をまっすぐにすることを意識していると語っていましたし。
その気遣いもすばらしいですし、ちょうど先週末、日本アカデミー賞最優秀女優賞を受賞されたところでの、この圧倒的な老け演技。俳優としての巧さを、見せつけてくれたと言えるでしょう。樹木希林さんが、わかいときに老け演技がうまかったことを思い出しました。
朝ドラの後半戦が停滞する理由のひとつに、若い俳優さんの老け演技が、がんばっているけれど無理があって、ドラマにハマれなくなるということがありますが、安藤サクラさんの起用の意味が最後の一ヶ月に生きるような予感にワクワクします。
首元をスカーフで見せないようにしている衣裳スタッフさんとの連携もいいのだと思います。
まんぷく食品では、真一(大谷亮平)は専務、森本(毎熊克哉)は、製造部部長、岡(中尾明慶)が営業部部長、神部(瀬戸康史)は商品開発部部長になっています。
神部のおっちゃん感と、忠彦(要潤)のおじいちゃん感がちょっと似ていておもしろかったです。メガネをちょっと下げているからでしょうか。老けのわかりやすい見せ方はこれ、ですね。
寝室シーンの変化
「まんぷく」でおなじみなのが、夫婦の寝室シーン。萬平、福子がしみじみ語るのは、たいてい寝室です。
新婚のときはちょっとラブラブ、こどもができて、いわゆる川の字、と横になり方でも時代によって変わりました。そして、60代と50代のいま、マッサージし合うというシチュエーションに。
すごくいいシーンになりそうなところ、萬平が福子の肩を揉んであげながら、いろいろ語り合うところで、カメラがやたらとぐーっと顔に寄っていくのが、なんだかおかしかった。
引きでずっとふたりを撮っていても、絶対、長谷川博己さんと安藤サクラさんなら保つと思うのですが、なぜか、我慢できずにアップにしようとしてしまうのは、視聴率20%以上の番組だからでしょうか。
しかも、片方のアップを抜くために、片方の顔が切れてしまうし、じょじょにじょじょに顔に寄っていくのが、何回もあって、へんな感じがしましたが、このシーンの安藤サクラさんはあまり老けて見えず、なんだかみずみずしかったので、カメラ固定してじっくり映すと若さがバレそうだったからかもしれません。
朝ドラの演出は凝った映像で作り込まず、俳優のアクチュアリティーに肉薄するため、ときに、容赦ないようにも感じるのです。そこも面白いんですけどね。
(木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
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「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
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