3月27日(水)に、収録された全15曲がオリジナル曲のフルアルバム『Dreaming!』をリリースする、ときのそら。2017年9月のデビューから約1年半、夢の横浜アリーナ単独ライブに向けての大きな一歩を踏み出すVTuberアイドルの活動を、陰になり日向になり支えてきたのが、親友で裏方の友人A(愛称は、えーちゃん)

「そらの夢は、私にとっても夢」VTuberアイドルときのそらの親友&裏方友人Aがさらに語る
ときのそらと友人A(右画像)のこだわりが詰まった、デビューアルバム『Dreaming!』(画像は通常版)。切ないバラードからロックまでバラエティに富んだ全15曲でVTuber界の歌姫の魅力を堪能できる

「エキレビ!」のときのそらメジャーデビュー記念連載第3回となる友人Aインタビュー後編では、メジャーデビュー決定までの経緯や、『Dreaming!』に込めた思いなどを聞いた。

前編こちら
ときのそらインタビュー前編こちら

自由に楽しそうにやっているところも、そらの良いところ


──親友あるいは、裏方として、そらさんに「ここは直して欲しい」と思うところはありますか?

友人A (配信や収録で)私が一緒にいると安心するのか、気が緩んで、すごく自由にし始めるんですよね(笑)。そらともさんなら、観ていて思い当たるところもあるかもしれないんですけれど。

──ものすごくリラックスしている様子は伝わります。

友人A そういう自由に楽しそうにやっているところも、そらの良いところの一つだと感じているんです。でも、たぶん今後も活動を続けていく中、私がそばにいなくて、そらが一人で立つ現場も増えていくと思います。メジャーデビューするということもあるので。
だから、一人の時ももっとリラックスして、いつものそらのように(自由に)できたら良いんじゃないかなって。直して欲しいというよりは、「一人でも大丈夫かな」と心配なんですよね。一人で司会をやっている時とか、緊張して固くなっていることもあるので。

──メガネの少年を見守るネコ型ロボットのような心境なのですね。そらさんは、元々、そういった一人の場が苦手だったり、人見知りをしたりするタイプなのですか?

友人A 初対面の人に対しては、意外と人見知りをするタイプなんです。例えば、二人で取材を受けると、取材中、すっごく私の方を見てくるんですよ。
「えーちゃん、助けて! これで大丈夫かな?」みたいな顔で(笑)。でも、同じ方とか同じ環境で2回目に会う時は、自分から積極的に喋ったりしていますね。VTuberのお友達に関しても同じで、初対面だとけっこう緊張しがちですけど、2回目以降はすごく打ち解けていたりします。(ウェザーロイドType_A)Airiさんとコラボをさせていただいた時も、最初に動画(【そらポン生放送前日談】Airiちゃんを心理テストで大解剖したのそら【互いに気遣い】)を撮った時には、わりと固くなっていてて敬語混じりだったんです。でも、次に会った生放送(【7/19(木)20:00~】ときのそら&ウェザーロイドType_A Airiコラボ生放送【投げ銭OK】)の時には、いきなりすごく親しい感じになっていました。
「そらの夢は、私にとっても夢」VTuberアイドルときのそらの親友&裏方友人Aがさらに語る
ときのそらと、お天気お姉さんアンドロイドでVTuberのウェザーロイドType_A Airiとのコラボ動画では、心理テストアプリをプレー。初対面でお互いに気づかいながらも、相性抜群の掛け合いを見せた

ときのそらの営業資料を作って、有名レーベルへアピール


──そらさんのメジャーデビューに向けてのプロジェクトは、いつ頃から具体的に動いていたのでしょうか?

友人A 動き出したのは去年の夏くらいです。そら自身がもっと音楽の活動をやっていきたいということをずっと言っていたので、営業資料みたいなものを作って、いろいろな有名レーベルさんへアピールしに行きました。
その中で、ビクターエンタテインメントさんが興味を持ってくださって、メジャーデビューが決まったんです。

──営業の段階からえーちゃんさんが動いていたのですね。では、その後のアルバム制作に関しては、どのような立場で関わっていたのでしょうか?

友人A 役職名を付けるとしたら、プロデューサー兼ディレクターという感じかなと思います。

──アイドルプロデューサー「えーちゃんP」になったのですね。

友人A あはは、そうですね(笑)。例えば、曲作りを誰にお願いするかとか、CDのジャケットのデザインはどうするかとか、特典はどうするかとか、そういうところも全部関わっています。
とはいえ、作曲家さんや作詞家さんに私がいきなりお願いしたりすることは難しいですし、ビクターエンタテインメントさんなどにご協力していただいた部分も、もちろん大きいです。

──メジャーデビューが決まったことを、そらさんに伝えた時の状況などを教えてください。

友人A メジャーデビューが正式に決まりそうだった頃は、ちょうど普段の生放送と、アニメ『バーチャルさんはみている』や、ドラマ『四月一日(わたぬき)さん家の』の収録などが重なっていたんですね。とても有難いことではあるのですが、すべてを並行してやっていかなくてはならない状況だったので、そらはすごく疲れてもいて……。忙しさに加えて、新しいことに挑戦するプレッシャーも重なっていたのだと思います。だから、私は早くそらに伝えて、喜ばせてあげたかったのですが、「やっぱり、無しになりました」とひっくり返る可能性がある状況では伝えられないので。

「そらの夢は、私にとっても夢」VTuberアイドルときのそらの親友&裏方友人Aがさらに語る
2月21日に配信された「テレビ東京ドラマ『四月一日さん家の』出演記念!ときのそら・響木アオ生放送」では、ときのそらと共演者の響木アオが、初のVTuberドラマの撮影時のエピソードなどを語った

──そうなると、逆にショックで落ち込んでしまいそうですね。

友人A そうなんですよね。ようやく正式に決まって伝えた時、そらは泣いていましたね。「今まで頑張ってきて良かったから、これからも頑張る」と言ってるのを見て、自分も頑張ってきて良かったなと思いました。

──泣いているそらさんを見て、もらい泣きしたりは?

友人A 私は、どちらかと言えば励ましている感じでした。すごく感慨深くはあったのですが、その時点では、CDができているわけでも、発売したわけでもないので。
まだ緊張感があったのかもしれません。

──でも、それだけ忙しい状況でメジャーデビューも決まるとなると、忙しさだけを考えれば、さらに大変になるわけですが。そらさんは元気になったのですね。

友人A やっぱりそらにとって、「歌」は特別なものみたいですね。元々、この活動を始めた原動力なので。忙しさよりも、嬉しいという気持ちや、前向きに頑張ろうという気持ちがまさったみたいです。

どんな人も、1曲は好きになってもらえる曲がある


──そらさんのデビューCDは、どのような作品にしたいと考えていましたか?

友人A ファングッズのように、そらとも(ファンの愛称)さんだけに刺さるものではなくて。全曲、自信を持って、どんな人にも聴いてもらえるように、そらを一人のアーティストとして売り出せるような作品にしたいと思っていました。例えば、(初回限定版の)スリーブケースのデザインも、いわゆる「かわいいアイドル」のイメージになり過ぎないよう、アーティストとしてのイメージを出せるように意識しました。
「そらの夢は、私にとっても夢」VTuberアイドルときのそらの親友&裏方友人Aがさらに語る
華やかなステージの上で、颯爽と歌い踊るときのそらの姿が描かれた『Dreaming!』初回限定版の豪華スリーブケース。初回限定版には、その他にも豪華特典が付属している。詳細は本文の最後でも紹介

──このアルバムがきっかけで、そらさんを好きな人が増えて欲しいという気持ちも強かったのですね。

友人A はい。アーティストとしてのときのそらを好きになってくれる人もいたら良いな、ということはすごく考えて作りました。

──デビューアルバム『Dreaming!』には、そらさんが憧れていた作詞・作曲家の渡辺翔さんも参加し、『IMAGE source』『ブレンドキャラバン』の2曲で作詞と作曲を担当しています。

友人A そらが、LiSAさん『oath sign』という曲をすごく好きだというのは以前から聞いていたので、その曲を作られた渡辺さんには、ぜひお願いしたいなと思っていました。あと、『コトバカゼ』という曲を作って下さった多田慎也さんも、嵐さん、ももクロ(ももいろクローバーZ)さん、AKB48さんなどの曲を担当されていて、「アイドルソングといえば!」という方なので。ある意味、アイドルとしての活動を本格的に始めるそらへのプレゼントになれば良いなと思って、お願いしました。

──その他にも、特に印象的なエピソードのある曲があれば、教えてください。

友人A 『好き、泣いちゃいそうだ』という曲のタイトルは、実は私の提案を採用していただいたんです。歌詞や曲ができてから、『泣いちゃいそうだ』というタイトルになって。でも、歌詞の内容は「泣いちゃいそうだ」と言いたいのではなくて、「好き」と言いたいのが本音かなと思ったので、「『好き、泣いちゃいそうだ』の方が良いと思います」と提案したら、それが採用していただけました。最初に曲を聴いた時、爽やかで素敵な曲だなと思ったことも含めて、特に印象に残っている曲です。

──メジャーでリリースされる曲のタイトルを決める経験なんて、なかなか無いですよね。

友人A 本当にそうですよね! これまではただ聴く側だったので、CDを作る時には、こういう作業があるのかとか全然知らなかったことが多かったです。すごく良い経験になりました。
「そらの夢は、私にとっても夢」VTuberアイドルときのそらの親友&裏方友人Aがさらに語る
ビクターエンタテインメントの『Dreaming!』特設サイトでは、最新情報を随時更新中。各ストアーごとの先着オリジナル購入特典についての詳細もまとめて紹介されている

──そらさんのメジャーデビューについて宣伝するために、えーちゃんさん個人もVTuberさんと色々なコラボ配信をして活躍しています。エキレビ!の読者にも、『Dreaming!』の魅力を伝えていただけますか?

友人A 収録されている全15曲がカバーではなくオリジナルなのですが、本当に1曲も捨て曲が無くて。ジャンルもばらばらなので、どんな人も、どれか1曲は好きになってもらえる曲があると思います。それに、どんな場面で聴いていただいても、その場面に合うような曲が見つかるはず。だから、ぜひ一度、聴いていただけたらと思います。あと、特典に関して言えば、初回限定版に収録されているオリジナルボイスドラマのキャストさんもすごく豪華で。『アイドルマスターシンデレラガールズ』島村卯月役大橋彩香さんと、『けものフレンズ』サーバルちゃん役尾崎由香さんに参加していただいて、一緒に収録をしたんです! もう「やばーい!」ってなりました(笑)。このお二人については、ときのそらを全然知らない方でも「おお!」と思ってもらえるところかなと思いますし、自分にとっては夢のような経験になりました。

──そのキャスティングに関しても、えーちゃんさんから提案したのですか?

友人A そらともさんにはバレていると思いますが、これについては自分の趣味も入っています(笑)。もちろん、しっかりとした意図もありますよ! そらの今後を考えて、プロで、エネルギーを持っている人の隣で仕事をして、色々なことを学んでほしい、吸収してほしいと思いました。

そらが夢に辿り着くための助けの一つに、自分もなれていたら


──『Dreaming!』の発売日、3月27日(水)まで1か月を切りましたが、今の心境を教えてください。

友人A 私は心配性なので、すごく楽しみな気持ちとともに、どういう反応があるんだろうという緊張感もあります。ずっと「本当に良いアルバムなんです!」と言い続けて宣伝をしていますが、自分以外のいろいろな方にとっても、同じように良い作品になっているのかなって。

──ファンの皆さんは100%喜んでくれるのでは?

友人A そらともの皆さんは「ときのそらの初めてのCD」ということで、きっとすごく楽しみにしてくださっていると思うので。まずは、その大きな期待をきちんと越えられるものでないといけないですし。それとはまた別軸として、ビクターエンタテインメント所属のアーティストとしてのときのそらが、多くの人にどれくらい受け入れてもらえるのかについても、楽しみでもありますが緊張感もあります。このアルバムによって、「ときのそらって、こういうアーティストなんだな」と初めて知る人も多いと思うので。
「そらの夢は、私にとっても夢」VTuberアイドルときのそらの親友&裏方友人Aがさらに語る
アルバム発売から約1か月後の4月25日には、ときのそらを主人公としたライトノベル『ときのそら バーチャルアイドルだけど応援してくれますか?』も発売。原作・原案にはときのそらと友人Aも参加している

──「ときのそら」とは、えーちゃんさんにとって、どのような存在ですが? 

友人A そらは私にとって何だろう……。親友であり、アイドルですかね。自分がファンみたいな。

──さすが、そらとも1号です。

友人A まさに、そうです(笑)。親友兼アイドルって変な感じもあるのですが、やっぱり親友目線もありつつ、ファン目線でも見ているところがあるので。

──では、活動を開始して約1年半、そらさんの成長や活躍を間近で見てこれたことは、親友としてもファンとしてもすごく嬉しい時間だったのでは?

友人A きっと、そらも(今の状況に)すごい実感が湧いているかといえば、そうじゃないのかもしれないな、と思うのですが。私も「そらがアイドルなんだ」ということに、すごい実感が湧いているかと言われたら、そうじゃない感覚もあって……。でも、いろいろな企画などで、そらに出て欲しいというお話があったり、こうして取材をしていただけたりすると嬉しいですし。活動を応援してくださる人がいっぱい増えているのを見ると、すごく嬉しいな、良かったなって思います。最初は自分一人だけだったので……。なんだか、完全にファンの感想みたいになっちゃって、すみません(笑)。

──では、「横浜アリーナでの単独ライブ開催」というそらさんの夢は、えーちゃんさんにとっては、どのような意味を持つものですか?

友人A 私にとっても夢ですね。もちろん、実現のためには自分以外の方もたくさん関わってくださることになると思うのですが。私もそらが夢に辿り着くための助け、支える存在の一人になれていたら良いなって。そらや周りの人からそう認めて欲しいということでもなくて、自分がそう思うことさえできれば、それで充分です。それを目指すことで、自分もいろいろと成長できるはずなので、大きな意味があることだと感じています。

──そらさんのお母さんは、横浜アリーナでのライブを最前列で見たいそうですが、えーちゃんさんは、どこで見たいですか?

友人A 私は舞台袖か、関係者席で見たいですね(笑)。やっぱり、私はそういう裏方のポジションが一番しっくりくるので。最近は、『Dreaming!』を宣伝したくて、(VTuberとして)いろいろなコラボに呼んでいただいたりもしていますが、自分はVTuberというタイプでないことはすごく実感しています。自分自身を積極的に売り出すことには、今も抵抗がありますし。

──Pなら、関係者席よりも舞台袖の方が似合うのでは?

友人A あはは、そうですね。じゃあ、舞台袖にある幕とモニターの横で観ます(笑)。
(丸本大輔)

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ときのそらデビューアルバム
『Dreaming!』
2019年3月27日(水)発売

≪初回限定盤≫
2CD(アルバム+ボイスドラマ)
価格:3,400円+税 品番:VIZL-1558

【初回限定盤特典】
豪華スリーブケース
オリジナルボイスドラマ(ゲスト声優:大橋彩香、尾崎由香)
購入者限定ミュージックビデオ視聴コード
“君といつも一緒にいるよ”オフィシャル壁紙
【封入特典】
限定VRイベント参加応募シリアルコード

≪通常盤≫
CD
価格:2,800円+税 品番:VICL-65163
【封入特典(初回生産分のみ】
限定VRイベント参加応募シリアルコード

≪CD収録内容≫
【初回限定盤・通常盤共通】
1. Dream☆Story
2. ヒロイック・ヒロイン
3. コトバカゼ
4. ほしのふるにわ
5. 冴えない自分にラブソングを
6. IMAGE source
7. ブレンドキャラバン
8. 未練レコード
9. 海より深い空の下
10. そんな雨の日には
11. メトロナイト
12. Wandering Days
13. 好き、泣いちゃいそうだ
14. おかえり
15. 夢色アスタリスク(Dreaming! ver.)

≪『Dreaming!』特設サイト≫
https://www.jvcmusic.co.jp/tokinosora/65163/