
後ろの方までお客さんがいっぱいで、忘れられない景色が更新された(ユーキ)
――2019年も快走を続ける超特急ですが、2018年の目標だったスーパーアリーナ(以下、SSA)に立ったとき、どんなことを思ったか、今改めて教えていただけますか?
カイ:言葉にするのは難しいですが、“楽しかった”というのが率直な気持ちです。2年前に立った横浜アリーナより、会場の形状がSSAは縦長なんですよ。だから、日本武道館ほどでないけど、その分お客さんに囲まれている感も強かったし、それが心地よかったです。
リョウガ:目標にしてはいたんですが、ステージに出て行く直前まで8号車(ファンの呼称)で埋まってるかどうか不安でしたね。天井付近から登場して、スモークが晴れたとき、SSAが8号車でいっぱいになっていた景色は圧巻でしたし、感激しました。
タカシ:うん。僕もそう思ってた。
ユーキ:うん。チケットはソールドアウトしてたけど、ふたを開けるまではお客さんがいないんじゃないか、出て行ってみたらスタンドの方はガラガラなんじゃないかと不安でしたから。

――だから、スモークが晴れた瞬間、笑顔だったんですね?
ユーキ:はい。出て行ったら後ろの方までお客さんがいっぱいで、忘れられない景色が更新されたなって思いました。
ユースケ:僕も好きなアーティストさんのライブを見ていた会場だったから、そこに立てて特別な気持ちになりました。実際に立ってみて、8号車のみんながいっぱいいてくれた。超特急って特別なグループなんだな、8号車さんに支えられているグループなんだなって。(オープニングの)スロープに立って気持ちが引き締まったし、最後まで全力で頑張ろうって改めて思いましたね。
――ライブ冒頭のMCで、リョウガさんは「まだSSAに立ったにすぎない」と言いました。その気持ちは次第に変化したのですか?
リョウガ:2018年の目標に掲げてきたステージだったので、そこで何ができたかどうかでその1年が決まってしまうと思うんですが、今となっては2018年の目標は完璧に達成できたと思います。あの時点で出せる力をすべて出し尽くした、力を使い果たせた。そしてその翌年、つまり2019年の今、『GOLDEN EPOCH』のツアーをいい意味で最低ラインにして、前に、上に進んでいきたいですね。


――なんだか2019年のリョウガさんは、とても頼もしくなったなぁと。
リョウガ:今だけですよっ。あははははは……。
タクヤ:なんだよ、それ(笑)。SSAは個人的にも1番と言っていいほど楽しめたライブでした。一つ一つの流れだったり、構成だったりが見てくださる方にも分かりやすい内容だったと思いますし、やっている側も感情がこめやすかったので、それが楽しさにつながったのかなって思います。
タカシ:SSAという大きな会場で僕の歌声を届けられること、響かせることができてほんまによかったなって思います。ただ、1日限りのライブだったし、わずか2時間で8号車にとっても貴重な2時間を濃いものにしたいと思っていたのでプレッシャーも感じていました。
――これまでに何度かアリーナクラスのライブを経験しましたが、それによってアリーナが似合うグループになってきたという手応えはありますか?
タカシ:どうかな……。大きなステージに立てることは僕らにとってもとても意義があることだけど、自分たちから「アリーナが合ってきた」という感覚はなくて。毎年毎年目標を立てて、もっともっと上へ、もっと多くの方に超特急を知ってほしいと思って走り続けている。それが超特急のイメージかなって僕は感じていますね。


――セットリストも随所にこだわりを感じました。過去のシングル曲をメドレーにして遡った意図はなんだったのですか?
ユーキ:メドレーから「need you」につながるセトリだったんですが、「need you」(のダンス)は僕的に過去を遡るイメージで作ったんです。『GOLDEN EPOCH』というタイトルだし、メドレーでもそうやって振り返るような感じにしようと思いました。どんどん古い曲へとさかのぼって、今現在の「need you」に着地するような、そんな感じでしたね。
リョウガ:久しぶりの曲もあったので、いい意味で変わってるし、いい意味で変わってないなと。
――具体的に、どんな部分で変化を感じましたか?
リョウガ:単純なところで言えば、(古い曲は)ダンスのフォーメーションが変わったりして見え方も変わりますよね。でも、当時踊っていた空気感みたいなものはリハーサルをしながら思い出したりしたので、そういう意味では変わらないんだなって。



ライブとは違った視点で見られるところも映像作品の良さ(カイ)
――SSAライブで個人的に印象に残る楽曲を挙げるなら?
タカシ:初披露の楽曲も多かったし、SSAという会場でライブを披露したということを考えると「a kind of love」ですね。『GOLDEN EPOCH』は過去を遡りつつ、黄金時代へと入っていくというイメージでライブを作っているんです。そういうことを考えると、2018年初めてのシングルで、自分の中でもいろいろと新しいことが始まる楽曲でもあった。どの曲も特別ですが、僕なりの決意も込めているし、「a kind of love」は他とはまた違った特別感がありますね。
――ライブを取材させていただいた当日のメモに、「どんな心境で歌っているんだろう」と記していました。
タカシ:見ている方もいろいろと感じてくれていたんですね。ただ、歌っているときは、晴れ晴れとした気持ちでした。愛に溢れた歌ですし、明るい気持ちでみんなと進んでいきたいという、前向きな明るい気持ちで歌っていました。
ユースケ:どの曲も大事にパフォーマンスしていましたが、僕的にはダブルアンコールですね。それまでずっと盛り上がってきて、さらにもう一段階“お待たせしました!”みたいな楽曲、「超特急です!!!!!!!!」を1年かけてようやく披露できた。待っていてくださった人もいたと思うので、SSAという大きな区切りとなるようなライブで披露できたことが嬉しかったです。



ユーキ:僕はSSAバージョンとして、リョウガにピアノの演奏をお願いした「霖雨」ですね。。曲に合わせて、それぞれのダンサーが個性を出すソロのダンスで魅せれたのも良かったなって。個々の成長を感じていただける場になったし、僕らならではの「メインダンサー&バックボーカル」というスタイルや、超特急の新しい姿を見ていただけたんじゃないかなと思います。
――ピアニストとしてデビューした感想は?
リョウガ:いやぁ、もう、プロとしてピアニストをされている方には申し訳がないというか……。人前での初演奏がSSAという大舞台。規格外の展開で、現実味が感じられませんでした。
タクヤ:(笑)。僕は「Party Maker」が印象深いです。間奏からサビにかけて、メインステージからセンターステージに走って行くんですが、サビに入るところで銀テ(キャノン砲)が飛ぶんです。あの時の自分の音ハメの感覚が気持ちよかったなって。超個人的な感想ですが(笑)パフォーマンスをする側だから体感できることですし、やっててめちゃめちゃ楽しかったですね。
リョウガ:「Time of GOLD」は、火薬による80連発とかのド派手な演出だったので、それも印象に残っていますね。『GOLDEN EPOCH』っていうタイトルらしく、豪華な演出ができたんじゃないかなって思いました。オープニングもそうでしたし、見せ方としてもレベルアップできているんじゃないかと思います。
――皆さん、熱くないのかなと心配になりました。
リョウガ:それが、意外に熱くないんですよ。ただ、燃えかすが残っていたので、アンコールでそれが気になりましたが(笑)。あと、タカシは破裂音が苦手なので、それでちょっと影響はあったかもしれません。
タカシ:……バミリまで(ビビって)いけなかった…。
カイ:(笑)。僕は「Fashion」かな。シングル『Jesus』のリリースから、4カ月経ってようやく初披露できましたからね。8号車のみんなも「やっと来た!」って感じだったろうし、ここからタクヤがプロデュースした衣装になってるんですよ。


――初披露の楽曲や演出も多かったですが、アクシデントや混乱はありませんでしたか?
ユーキ:やっぱり新曲がてんこ盛りだったので、頭の整理は必要で。初披露はやっぱり特別なものだし、そこへの意識は強かったです。そのあとに大阪城ホールもあって、そことはまた違う演出だったので、こんがらがらないように気をつけました。
ユースケ:幸いにも、すごいアクシデントとかはなかったんじゃないかなって思います。
カイ:僕はそうでもなかったんですが、「Time Wave」の早着替えはタカシとタクヤ、ユースケあたりまではすごく忙しそうでした。「先に通して!」って感じで(バックステージでは)かなり急いでましたね(笑)。
リョウガ:そうそう。あと、「need you」の時に着るジャケットは、暗闇から飛んでくるんですよ。真っ暗だから、どこにあるかほとんど見えないなかで、感覚だけでキャッチしてました(笑)。
カイ:衣装が光る素材なので、その一瞬の光を見つけて掴んでた。
リョウガ:「ここだ!」って感じでね(笑)。
――Blu-rayならではの楽しみ方、見どころを教えていただけますか?
タクヤ:「Fashion」から僕が衣装を担当させてもらったんですが、「霖雨」はリョウガがピアノを弾くスペシャルバージョンだったので、ピアノを弾くリョウガと歌うタカシだけジャケットを着せたいと思ったんですよ。細部にもこだわりたくて、ジャケットの胸元にブローチを付けたんですが、それがもし映っていたら見て確かめてほしいですね。
カイ:どんなデザインか、確認してください。
――うぅ、めちゃめちゃ気になります!
タクヤ:タカシのブローチはかろうじて見えるかもしれないけど、リョウガは座り位置的に見えるかどうか……。あの日だけのジャケットデザインなので映っていてほしい。それぞれに“らしい”ものを取り入れてデザインしました。そこ、スルーされたら悲しいので、ぜひチェックしてほしいですね。
タカシ:映ってなかったら、リョウガが買い取って普段から着ればいいよ。
リョウガ:あれ、普段着はきついでしょ。
カイ:大丈夫、大丈夫。
リョウガ:何、無責任なこと言ってるんだよ!(笑)
タカシ:(ふざけながら)たしか、本物のガリガリ君がついてたんだったっけ?
リョウガ:そう。だから弾いてるうちに溶けてきて……。
全員:爆笑


ユーキ:僕としては、「超特急です!!!!!!!!」で出てきた時に、メンバーがそれぞれ何をしゃべっているかも注目してほしいですね。僕から始まって、みんなが何を言っているかBlu-rayなら分かるかなって思うので。
――いい意味でカオスですものね、あの冒頭は。
ユーキ:まさに、“カオス”な人もいるので、確かめてみてください!
カイ:細部まで繰り返し見れるのも映像作品の良さですけど、ライブとは違った視点で見られるところもいいなって思うんですよね。ライブ中って、やっぱり自分が推してるメンバーをどうしても追っちゃうと思うんです。でも、Blu-rayなら自動的に画面が切り替わっていくから、「あの曲で、○○はこんな表情してたんだ」って気づけることも多いのかなって。好きなメンバーはもちろん、他のメンバーの気づけなかった魅力を再発見できるきっかけになると思うし、そうやって好きなメンバーがどんどん増えていったら僕らも嬉しいです。
タカシ:僕は……、僕だけを見てほしいですね(きっぱり)。
――え!? カイさんの素晴らしいコメント、聞いてました?
リョウガ:ユーキが仕込んだに決まってるって!
タカシ:(苦笑)はははは。(メモを指差しながら)これ、言えって言われて。
ユーキ:(ご満悦で)よかった、よかった。うわ~、楽しい。

――相変わらずワチャワチャしつつも、さらなる飛躍も感じられる超特急ですが、4月からは全国開通を目指してツアー『EUPHORIA~Breakthrogh,The Six Brave Stars~』もスタートしますね?
ユーキ:春から夏にかけてのツアーなので、季節感もバッチリと盛り込んだ内容にしたいです。ラストの沖縄まで、それぞれの土地ならではの工夫もしながら、皆さんと楽しい時間を過ごせるライブを作りたいですね。初めてライブに来てくれる方も多いと思うので、「これぞ超特急のライブだぞ」というものを見せたいです!
タカシ:ライブはもちろんですが、毎週末メンバーと旅するような感じもあるし、初開通の土地はどんな美味しいものがあるかも楽しみですね。
――その土地の美味しいものは、ツアーに出るからこそのご褒美ですよね。
カイ:海ぶどう、大好き! あのプチプチ感がたまりません。
ユースケ:神奈川県出身なので、川崎でのライブも個人的に楽しみです。学生時代に行ったことがある会場で、今度はステージに立てるんだと思うと嬉しいです。ツアー日程には、パシフィコ横浜も組まれていて、神奈川県の公演が多いので地元として気合が入りますね。
タカシ:5月の鳥取と島根は初開通なんですが、そこも僕は楽しみです。超特急としてあまり行けなかったところだし、個人的にも妖怪好きなので水木しげる先生の出身地である「境港商店街」にも行けたらいいなって。
リョウガ:だから髪型が最近、鬼太郎みたいなんだ。
タカシ:誰が、鬼太郎やねん!(笑) あと、島根は曽祖父が暮らしていたので、小さい頃におばあちゃんと一緒に一週間過ごしたことがあって。すごくのどかでいいところだったので、そこに行けるのは感慨深いものがあります。
タクヤ:僕は初開通の場所はどこも楽しみだし、このツアーで全都道府県開通の目標が達成できるのが何より嬉しいんですね。結成当時からずっと掲げてきた夢の一つを、やっと8年目にして叶えられるので「お待たせしました」という気持ちですし、全力でぶつかっていきたいです。
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