脚本:福田 靖
演出:渡邊良雄
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

連続テレビ小説「まんぷく」オリジナル・サウンドトラック2 バップ
149話のあらすじ
齢80、いつ死んでもおかしくないから、生きている間に「ありがとう」を言いたいという鈴(松坂慶子)の意向で、生前葬が賑々しく行われた。
ありがとう と伝えたくて〜
「ありがとう」という響きに、去年活動を再開した、いきものががりの「ありがとう」の歌い出しが思い浮かんでしまいます。
克子役の松下奈緒がヒロインだった「ゲゲゲの女房」の主題歌です。
立花家に祭壇、棺が置かれ、鈴は棺の中に、遺影は忠彦(要潤)の描いた絵。
立花家、香田家、神部家、岡家、小野塚家がせいぞろいして、「渡る世間は鬼ばかり」のようでした。
まず、死に装束を身に着けた鈴が挨拶し、棺に身を横たえます。「シュール過ぎる」と忠彦(要潤)。
それから、世良(桐谷健太)が弔事を述べます。それがこのドラマの振り返りになっており、最終週にふさわしい構成ですね。
それから、敏子(松井玲奈)とハナ(呉城久美)。弔事を詠まれるたび、鈴が起き上がり「ありがとう」とお礼を言うことが繰り返されたようです。塩軍団から鈴のお手伝いになった赤津裕次郎(永沼伊久也)が久々に登場。「赤津─!」と鈴が元気よく名前を呼びました。ものすごく短い時間のサプライズ登場でした。
最後に克子、福子も挨拶することに。克子が涙ながらに、母への思いを語り、福子もまた……。
148話の咲(内田有紀)の表情に続き、松下奈緒、安藤サクラが、突然、いわゆる朝ドラぽい、いい娘の演技を披露します。俳優ってほんとうにすごい。求められるものにすぐに口調も表情も切り替えられるんですね。
ふだんは母親のことを雑に扱う娘たちではありましたが、それは親しいからこそで。こういうときでもないとあらたまって「ありがとう」となかなか言えません。生前葬は、あらたまって言えるいい機会といえるでしょう。実際、死に際ですと意識も朦朧としてちゃんとした話ができなかったりしますから。あとで、もっと元気なときに話しておけばよかったと後悔しますから。
「朝ドラ」、初めての生前葬(たぶん)。
回想にもなるし、実際に亡くならないから、死を見たくない人にもやさしく、互いにありがとうを言い合う感動の場面にもなる。これもひとつの発明です。
なにより痛快だったのは、鈴のいい意味の復讐になっていたことです。彼女がみんなに「ありがとう」と言いたいということでしたが、やっぱりみんなが鈴に感謝を語るしかないわけで。これまで全然感謝されず、CMに出たいと言っても無視されてきた鈴が、ついに“主役”になったのです。この花道のために、いままで、邪険にされてきたのかもしれません。
それにしても、萬平(長谷川博己)が最後にした挨拶が興味深かった。信頼できる仲間がいる、家族、親族、福子……、「福子を生んでくれてありがとう」と福子ありきのお礼。世良には、彼と鈴とのダイレクトの関係性がありますが、萬平にとっては、どこまでいっても“福子のお母さん”なんですよね。ブレてないなあ、萬平さん。ほんとうに「世界はふたりのために」。面白い! あと2回!!
(木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
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「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
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