

何と読む?「蚯蚓」
「蚯蚓鳴く」で秋の季語。
とはいえ、発音器官を持っていないので鳴いたりはしない。
正解は「みみず」。
秋の夜、ジィィィーと長く地面から聞こえてくる音を、蚯蚓が鳴いているのでは?と想像して「蚯蚓鳴く」と言った。
蚯蚓の鳴き声が聞こえると思えるほどの静けさを表す空想的な季語だ。
ケラ(漢字では「螻」と書く)がジィィィーと鳴くので、その鳴き声を蚯蚓のものだと勘違いしたと主張する人もいる。
蚯蚓鳴くや土の達磨はもとの土
正岡子規の句である。

何と読む?「百舌鳥」
秋、鋭い声で鳴く。
百の舌をもつ鳥とかいて「百舌鳥」。
正解は「もず」。
モズ科の鳥。
秋に、尾を上下に動かして、キーッキーッキイキイキイと鋭い声で鳴き「もずの高鳴き」と呼ばれる。
求愛の時期に、いろいろな声で鳴くので、「百の舌をもつ鳥」と書くのだろう。
「鵙」とも書く。
鵙の声かんにん袋破れたか
小林一茶の句である。

何と読む?「牛蒡」
「牛蒡引く」で秋の季語だ。
「牛蒡蒔く」なら、春の季語。
正解は「ごぼう」。
牛蒡は、秋に引き抜いて(なかなか引き抜けないらしいよ)収穫する。
牛蒡掘る黒土鍬にへばりつく
高浜虚子の句である。
(テキスト:米光一成 タイトルデザイン/まつもとりえこ)