出演する20名のライバーは、全員がYouTubeチャンネル登録者数10万人以上の人気者で、平日開催にも関わらず入場券は一旦完売。
このライブでは、動きに制約の多い普段の2Dの姿ではなく、自由に歩き踊れる3Dの体となったライバーたちが9組のユニットに分かれて登場。初めてライブに出演するメンバーも多く、3Dモデル初披露勢も3人。本編の楽曲はすべてライブ初披露という初めて尽くしの一夜に。
大トリのJK組(月ノ美兎、静凛、樋口楓)のパートでは、20人全員が同時に登場するサプライズ演出もあり、にじさんじファンにとっては、日々の応援に対するご褒美の詰め合わせのような2時間弱だった。

ライブ開幕前の場内アナウンスからサプライズ
開演時間が迫り、ライブ定番の注意喚起アナウンスが流れた。美声だ。最後の「静凛でした」という名乗りに驚くと、会場もざわめく。筆者と同じく、最後まで気づいてない人も多かったのだろう。
ライブは、VTuber好きとしても知られるDJ WILDPARTYによるDJパートで開幕。11月に販売されるアルバム「にじさんじ Music MIX UP!!」の収録曲から、出演者の関係で、このライブでは披露できない曲を選んだセトリで会場を沸かせると、最後は樋口楓の代表曲「響鳴」。会場の熱気はさらに高まった。
ライブ本編の最初に登場したのは、物述有栖とシスター・クレアのユニット「pure☆palet」(☆は白抜きハートマーク。
2組目は、先日エキレビ!で対談を公開した鈴鹿詩子と竜胆尊の仲良しコンビ。T.M.Revolutionと水樹奈々のデュエット曲「Preserved Roses」を歌った後、小柄な竜胆は、ちょいちょいと手を動かして鈴鹿の顔を下げさせると、頬にキス。突然のキスシーンに驚きの声が上がる中、鈴鹿は驚き硬直した。
歌い終えた4人のMCパートの後は、男性ライバー叶と葛葉のユニット「ChroNoiR」が二人組男性バーチャルアイドル「LIP×LIP」の「ロデオ」をカバー。叶の3Dモデルはこの日が初披露で、ファンが手足の動く叶を見るのも初めて。二人がすれ違いざまにハイタッチすると歓声が響いた。
本間ひまわりとドーラの仲良しユニット「usus」は、オリジナル曲「Buzz!!りムーヴメント」のフルバージョンを初披露。二人の口癖なども盛り込んだ歌詞をハイテンポなリズムに乗せて歌う姿は、ファンを温かな気持ちにさせた。
「ChroNoiR」と「usus」のMCでは、ライブ定番の客席への呼びかけが行われ。

チャイカ&椎名がまさかのバラードを披露
5組目は、まず小学4年生の森中花咲が一人で登場。バラード曲「この闇を照らす光のむこうに」を歌い始め、「この曲はソロなのかな?」という空気になった頃、同期の剣持刀也が現れ、デュエットになった。
筆者にとっては、森中の歌声はこの日最大の驚き。配信や動画で可愛い歌声を聴いたことはあったが、静かなバラードでも、広い会場でかき消されず響く歌声に評価を改めた。
6組目は、悪ふざけが大好きな二人、花畑チャイカと椎名唯華。back numberの「瞬き」という選曲には意表を突かれたが、ふざけることもなく、幸せの意味を描いたバラードを真面目に歌う。しかし、森中、剣持も加わってのMCパートでは、このペアらしさを発揮。椎名は、司会役の剣持に進行無視の即興ラップ勝負を仕掛けてウザがられた。
また、3Dモデル初披露のチャイカは「楽しくてしょうがない」と、筋骨隆々な肉体も駆使して大はしゃぎ。突然、ダイナミックなジャンプを見せるなど、トークの流れとは無関係な動きでも会場を笑わせた。
7組目のえると緑仙は、水樹奈々の代表曲の一つ「ETERNAL BLAZE」をデュエット。二人の歌声はソロパートもサビのハモりも美しい。また、緑仙のパート中、えるが得意のオタ芸で盛り上げると、えるのパートでは緑仙がお返し。クールキャラの緑仙が3Dモデル初披露のステージでオタ芸を打つ姿は、意外だが微笑ましかった。
続いて、3人組ユニット「ぷりずむりりっく!」がオリジナル曲「STARRY WORDS」を披露。小柄でマスコットキャラのような小学3年生の宇志海いちご。気を許した相手には鋭いツッコミもするが、姿や歌声は愛らしい小学4年生の勇気ちひろ。中学3年生にしては少し幼めなルックスの家長むぎ。歌の合間には3人が追いかけっこのように走り回る楽しいステージだった。
特に、約1年半前のデビュー配信では緊張からの腹痛に耐えながら震える声で配信していた家長が大観衆の前でリラックスしてライブを楽しむ姿からは、推しの成長を見守るというファンの醍醐味を感じられた。
JK組のステージで締めた後、次のビックイベント情報発表
5人のMCの後の大トリは、にじさんじの看板ユニット「JK組」。3人の後ろ姿がシルエットとして映し出されるという登場から、オリジナル曲「Dive with me!!!」のフルバージョンを初披露した。
歌うとアイドル声で高音も奇麗な月ノ美兎。高い歌唱力と声量でJK組の歌声を支える樋口楓。歌唱時も変わらぬ美声の静凛。普段の配信内容と同じく、歌声も個性がバラバラの3人。だからこそ、一緒に歌うと声のバランスが良く、広がりのある音を響かせるのがJK組。登場した瞬間から会場のテンションは最高潮だと感じていたが、歌声でさらに会場を盛り上げていく。
事前にTwitterで予告していた三者三様のコールアンドレスポンスの後、3人の後ろに、この日の出演者が全員集合。システム的な制約などで、大人数が同じ場所で活動するのは難しいと言われるVTuberだけに、20人が勢揃いした光景は想定外のサプライズだった。

JK組によるMCパートでは、3人も作詞などに関わった「Dive with me!!!」の製作秘話も披露。最後に樋口がアンコールはないけれど、この後に大きなお知らせがあると予告。JK組の去った後、スクリーンで二つの新情報が発表された。
一つ目は、この日のライブのBlu-ray化(2020年1月29日発売)。
そして、シスター・クレアによる優しい声のアナウンスで、にじさんじ初の大型ライブイベントは終了。
新時代のエンタテインメント集団「にじさんじ」の面々が大相撲の殿堂で、どんな「初めて」を体験させてくれるのか。
「にじさんじMusic Festival」の終了後には、出演者の多くが感想配信を実施(文末にリンク集を掲載)。3つのグループに分断されて行き来できなかったという楽屋の様子など、ライブの裏側がそれぞれの視点から語られているので、推し以外のメンバーのアーカイブも視聴することで、新たな発見があるかも。
「『にじさんじMF』出演者の感想配信アーカイブ」
【月ノ美兎】
https://youtu.be/S7SU4URdfLQ
【静凛】
https://youtu.be/fzAXEPMTXUc
(寝落ち推奨配信の中で裏話や感想などを語っている)
【樋口楓】
https://youtu.be/RX5trvgJ_0o
【剣持刀也】
https://youtu.be/aaZYF8paGVc
【える】
https://youtu.be/zARurlQZNGo
【鈴鹿詩子】
https://youtu.be/_f2t1snsrnY
【本間ひまわり】
https://youtu.be/GWbXdfxwOCo
【家長むぎ】
https://youtu.be/UdsUvEVDTH8
【葛葉】
https://youtu.be/9evMVJbX6o4
【叶】
https://youtu.be/jevArHdSczc
【物述有栖】
https://youtu.be/Krom7DGbMqw
【シスター・クレア】
https://youtu.be/s0u0r1Pl5y4
【緑仙】
https://youtu.be/b-RMXZUVSTY
【ドーラ】
https://youtu.be/n4jh0WZ1z_c
【宇志海いちご】
ゲーム配信内で、今度、感想配信を行いたいと発言。
【勇気ちひろ】
https://youtu.be/gF3xBER-pxA
【花畑チャイカ】
https://youtu.be/00ICcoxnbPM
【竜胆尊】
https://youtu.be/v9teZSqfNvc
【椎名唯華】
https://youtu.be/S8V9Lcz0_nk
【森中花咲】
https://youtu.be/8y918Q8eOZc
(取材・文=丸本大輔)