読売テレビ・日本テレビ系ドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」第2話が、1月19日に放送された(毎週日曜22時30分〜)。

ネガティブな性格の囲碁棋士・川田レン(清野菜名)は、メンタリストで同じ大学に通う森島直輝(横浜流星)の催眠術(?)によりミスパンダに変身。
ミスパンダは、闇に隠された真実を炙り出し、“クロ”と認定したターゲットを嬉々として公開処刑する。
考察「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」2話。ミスパンダは本当にレン?  利き腕が気になる
イラスト/たけだあや

第2話あらすじ&おおまかな謎


レンと直輝が通う東京誠立大学で、学長(阿南健治)がナイフを持った男に襲われる事件が発生。容疑者の男は3浪中の浪人生で、学長の息子・俊一(中尾暢樹)の不正入試疑惑を知り、その怒りからの犯行だった。

元文部科学省事務次官の柳本(渡辺裕之)と副学長の池渕(モロ師岡)は、すぐに記者会見を開き、不正入学が事実だったと発表。これにより、俊一は学内で居場所を失ってしまう。そんな中、ミスターノーコンプライアンス(佐藤二朗)から、指示を受けた飼育員(横浜流星)は、ミスパンダ(清野菜名)と組んで事件にシロクロ付けようと動き出す。

1話完結型の今作には、縦軸に大きな謎が存在する。

・母の麻衣子(山口紗弥加)が療養生活をするきっかけとなった10年前の事件

・レンが10年前の事件でネガティブになった理由

・レンの部屋には麻衣子と2人の少女が映った写真があるが、片方は黒く塗りつぶされている。

・麻衣子の病室にも同じ写真があるが、塗りつぶされているのはレンの写真と逆の少女

・元敏腕刑事で直輝の父・哲也の死

・法務大臣である佐島源造(佐藤二朗)が、ミスターノーコンプライアンスを名乗って世直しをする理由

・コアラ男の正体

・ミスパンダの身体能力の謎

主な謎はこんなところだ。

ミスパンダはレンではない


第2話では、10年前の事件が連続放火事件であることが明らかになった。ここで注目したいのは、レンが火を見てパニックを起こしたシーンだ。

バイト中、10年前の火事を思い出したのかレンは、「お姉ちゃんが燃えて……」とつぶやき、また別のシーンでは、「リコ、ごめんね。私だけが生きてて」とも言っている。火事に巻き込まれたのは、レンの姉でリコという名前だったのだろう。


また、呼び捨てにしていることから2人は双子か年の近い姉妹だった可能性が高い。おそらく、麻衣子と写真に写っている2人の少女が、レンとリコだ。

レンにリコという姉がいたことを踏まえたうえで、興味深いのは、ミスパンダが消防車のサイレンを聞いて火事をフラッシュバックしたシーンだ。火事についてレンは、「お姉ちゃんが燃えてて」と他人視点だったのに対して、ミスパンダは、「周りが燃えてて……」と自分視点で火事を思い出していた。

利き腕についてもおかしな点がある。レンは左手で囲碁を打つことから左利きであることが明らかになっているのだが、ミスパンダは右手に笹を持ち、人を指さすときも右手を使っている。

これらのことから、ミスパンダはレンではなく、リコである可能性が生まれる。もしくは、レンの中で生きるもう一つの人格のリコが、催眠術によって表に出てきているのかもしれない。

利き腕からわかるもう一つのこと


麻衣子は、ラストに「本当、リコが死んでくれてよかった」と恐ろしいセリフを吐いていた。その直後に、麻衣子が一人の少女を可愛がり、もう一人の少女を檻に閉じ込めて虐待している回想シーンが流された。これをそのまんま受け取れば、"可愛がられているのがレン"で、"檻に閉じ込められているのがリコ"ということになる。

しかし、この回想シーンにも利き腕について気になる点があった。
可愛がられていた少女が右手でスプーンを持っていたのに対して、檻に閉じ込められていた少女は、左手でバナナを拾っていたのだ。

つまり、利き腕で考えると、可愛がられていたのが右利きのリコで、檻に閉じ込められていたのが左利きのレンとなるのだ。

では、なぜレンを檻に閉じ込めていたのだろうか?

公式サイトの麻衣子の紹介では、「レンのことを溺愛しており、囲碁の才能をいち早く見抜いて天才囲碁少女として育てた」の一文がある。逆に言うと、「リコには囲碁の才能がなかった」ともとれる。

麻衣子は、囲碁の才能のない普通の少女であるリコを普通に可愛がり、囲碁の天才であるレンを"可愛がり過ぎて檻に閉じ込めた"のではないだろうか?

溺愛と虐待に見せかけた回想シーンは、普通の愛情と歪んだ愛情が描かれていたのだ。

第2話の冒頭で直樹がレンを見て、「『檻から出して!』と言っているような気がした」と言っていたが、こう考えるとつじつまが合ってくる。
(さわだ)

■「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」
出演:清野菜名、横浜流星、要潤、白石聖、山崎樹範、山口紗弥加、佐藤二朗
脚本:佐藤友治、蛭田直美ほか
演出:遠藤光貴、松永洋一、汐口武史
制作著作:読売テレビ
主題歌:Billie Eilish「bad guy」
白でも黒でもない世界で、パンダは笑う。
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