アジアのプリンス=チャン・グンソクはファン思いの最高の王子<略歴・キャラクター分析>
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チャン・グンソク=略歴・キャラクター分析

コロナ禍のおうち時間増加により、『愛の不時着』『梨泰院クラス』などの韓国ドラマが大ブームとなり、「Dynamite」でビルボード1位を獲ったBTSや、アカデミー賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』がワイドショーでも話題になった2020年、日本は第4次韓流ブームに突入した。

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第1次ブームはドラマ『冬のソナタ』で中高年女性に浸透し、第2次ブームはKARA、少女時代の日本デビュー、そしてドラマ『美男<イケメン>ですね』でより一般層に広がり、第3次ブームではBTSやTWICEから若者世代にまで拡大。第4次ブームで男性の心も掴み、韓国カルチャーはもはや日常に。


チャン・グンソクこそ、第2次韓流ブームをけん引した男と言っても過言ではないだろう。そして、彼がアクションを起こす度に関連ワードがトレンド入りするなど、今なお高い人気を誇っている。

俳優として確固たる地位を確立

チャン・グンソクは、1987年8月4日生まれの33歳。6歳のときにキッズモデルとして芸能活動を始め、1997年にシットコム『幸福も売ります』に出演したのを機にテレビに進出。『女人天下』(2001年)、『プラハの恋人』(2005年)などの大ヒットドラマで子役として活躍した。


大人の俳優として注目されるようになったのは、高視聴率をたたき出したドラマ『ファン・ジニ』(2006年)。朝鮮最高の妓生(キーセン=芸妓)ファン・ジニ(ハ・ジウォン)と、グンソク演じたキム・ウノの切ない初恋の物語は、視聴者の心に残った。


そんなチャン・グンソクを一躍スターにしたドラマといえば、社会現象を巻き起こした『美男<イケメン>ですね』(2009年)だ。大人気イケメンバンドA.N.JELL(エイ・エンジェル)に、双子の兄ミナムの身代りとなり男として加入することになった妹ミニョ(パク・シネ)の恋模様を描いたラブコメディ作。

チャン・グンソクはA.N.JELLのリーダーでボーカルのファン・テギョンを演じたが、テギョンの悲しい生い立ちと、ミナムに対する不器用なツンデレぶりに女性たちはノックダウンされ、ドラマはアジア中で大ヒット。チャン・グンソクも一躍トップ韓流スターにのぼりつめた。



『美男<イケメン>ですね』は単なるラブコメというだけではなく、音楽ドラマの要素も強く、劇中でA.N.JELLが歌う楽曲も大ヒット。FTISLANDのイ・ホンギ、CNBLUEのジョン・ヨンファなど、A.N.JELLメンバーに本物のバンドマンを加えたことで、ドラマと音楽の親和性がアップし、FTISLAND、CNBLUEもドラマ効果で大ブレークを果たした。




おりしも日本ではKARA、少女時代の日本デビューを端にしたK-POPブームの真っ最中。『美男<イケメン>ですね』は地上波放送も相まって大ヒットし、2011年には玉森裕太(Kis-My-Ft2)主演でTBSでリメイクドラマも制作された。また、FTISLAND、CNBLUEも相次いで日本デビューを果たした。

歌手活動も絶好調

チャン・グンソクも2011年に日本で歌手デビュー。デビューシングル「Let me cry」は、彼の人気ぶりを示すように、海外アーティスト史上初のオリコン初登場1位を獲得。堪能な日本語で日本のマスコミにも引っ張りだこに。

日本デビュー半年後の11月には初の東京ドーム公演『JANG KEUN SUK 2011 THE CRI SHOW IN TOKYO DOME THE BEGINNING』も成功させ、名実ともに「アジアのプリンス」となった。


アーティストとしてはソロ活動と並行して音楽プロデューサーBIG BROTHERとTEAM HというEDMユニットを結成し、中華圏、東南アジアでも作品をリリースし、ライブ活動も精力的に行った。



彼はファンを「うなぎ」と読んでいるが、これはファンが自身の大好物であるうなぎのように自分にパワーをくれる存在だからという。そんな「うなぎ」たちに支えられ、東京ドーム公演以降も日本ではコンスタントにアリーナ規模でのツアーを行ってきた。

ライブに行ったことがある方はおわかりだろうが、音楽はもちろん、ファンを大事に思う気持を日本語で直接伝えてくれる彼の言葉にウソはない。そして、うなぎをとことん楽しませてくれる、最高の王子ぶりを見せてくれるのだから、たまらない。


『美男<イケメン>ですね』以降は、主演俳優としてドラマ『メリは外泊中』『ラブレイン』『キレイな男』『テバク~運命の瞬間~』『スイッチ~君と世界を変える~』、映画『きみはペット』『劇場版 テバク 運命の瞬間』に出演。
2016年には、ガールズグループI.O.Iの誕生で社会現象を起こした大人気デビューサバイバルオーディション番組『PRODUCE101』の初代国民プロデューサー代表を務め、巧みなトークで番組を盛り立て、俳優とはまた違った一面を見せた。





約2年間の服務を経て召集解除(除隊)

2018年7月から社会服務要因(公益勤務)として約2年間の代替服務を行い、2020年5月に召集解除(除隊)。翌月にはYouTubeで無料配信のオンラインファンミーティング『2020 JKS FANMEETING Online STAGE_夢[Dreams]』を開催し、ファンの前に変わらない姿を見せてくれた。

オンラインファンミーティングでは「2年ぶりにマイクを持つ」と、彼にしては珍しいちょっと緊張した表情を見せたが、「8時に起きて9時に出勤し、夕方6時に退勤するという規則正しい生活をしたおかげで、体と心が健康になり、人生の大きなターニングポイントになった。

自分自身の人生の目標や、方向を整理することができた時間」と服務期間を語ったが、「僕が勤務していた消防災難本部は95%が男性なので、出会いはなかったです」とユーモアを交えることも忘れない。

そして約2時間の公演で「家に帰ろう」などの日本語曲を含めた10曲を披露すると最後に、「愛している。日本のファンのみなさん、ありがとうございます。
すぐに行きますから、ぜひ待っていてください」と日本語でのメッセージも。


このオンラインファンミーティングに先駆けて行ったオンライン記者懇談会では、「新しい会社を作ったので、これから始まる人生の責任は、すべて自分にある。より慎重に動くべきだが、つまらない人生は過ごしたくはない。作品においても急がず、余裕をもってやっていくつもり。これからの物語は、僕の生きざまで見せたい」と、今後の出演作への期待も高めてくれた。

昨年末には、オール日本語によるオンラインファンミーティング『2020 JANG KEUN SUK X’mas Online Fan Meeting ~always with U~』を開催し、日本のうなぎたちとのクリスマスを楽しんだグンソク。
イベント終盤には、ファンへの想いをしたためた手紙を日本語で披露し、その率直な気持ちを再会を待ちわびるファンにしっかりと届けてくれた。

そんなグンソクから、日本のファンに嬉しい知らせが舞い込んだ。3月10日に、じつに3年7ヶ月ぶりとなる新曲「Star」が配信される。ティザーではアコースティックギターを手に曲作りをする彼のナチュラルな姿が映し出されていたが、久々の新曲は、まるで彼が耳元で優しく語りかけてくれるような優しい歌声が映えるポップバラード。

また5月にはニューシングルも発売されるという。歌手として、俳優として、30代のチャン・グンソクのさらなる活躍に期待したい。


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リリース情報

Digital New Single
『Star』
2021.03.10リリース
配信先一覧:https://lnk.to/JKSstar

チャン・グンソク ジャパンオフィシャルサイト

https://www.jang-keunsuk.jp/


Writer

坂本ゆかり


レコード会社の制作・宣伝、Webメディアの編集長を経てライターに。女性誌、Webなどで主にアーティストのインタビューを担当

関連サイト
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