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SUGIZO 配信ライヴでジャンル・国籍・人種・宗教・文化のあらゆる壁を超え混ざり合う総合芸術を提示

SUGIZO 配信ライヴでジャンル・国籍・人種・宗教・文化のあらゆる壁を超え混ざり合う総合芸術を提示
Photo by Keiko Tanabe

4月20日(火)、SUGIZOが自身2度目となる配信ライヴ『SUGIZO LIVE STREAMING FROM TOKYO EPISODE II~VOICE OF LEMURIA~』をstudio W(WOMB LIVE)にて開催、生配信した。本来ならば1月の実施を予定していたのだが、新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑みてやむなく延期に。2020年12月にリリースした最新オリジナルアルバム『愛と調和』からの楽曲を今回、満を持してライヴ初披露した。

本公演の基本編成は2020年10月に開催した初配信ライヴ同様、COSMIC DANCE QUARTET。MaZDA(マニピュレーター、シンセサイザー)、よしうらけんじ(パーカッション)、ZAKROCK(VJ)に加え、スペシャルゲストとして鬼才トランぺッターの類家心平、妖艶かつ神秘的なベリーダンサーNourahが加わった布陣だ。音楽のみならず映像・照明が重要な役割を果たすのがかねてからのSUGIZOライヴだが、こと配信ライヴでは、画面上で魅力が最大化するよう計算し尽くした撮影・スイッチング・映像加工を行っている。また、オンライン用ミックスはSUGIZOが“サウンドアルケミスト”と呼び敬愛するDub Master Xが務め、最高水準の音質で届けられた。

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Photo by Keiko Tanabe

ライヴの幕開けは、ヒーリング音楽作品としての『愛と調和』を象徴する1曲「Nova Terra」。アルバムのインスピレーション源となった屋久島の森の緑、差し込む光、生命力に満ちた水を音楽・映像・照明の三位一体で神秘的に表現していく。真っ赤なライトに切り替わり「FINAL OF THE MESSIAH」が始まると、スクリーンにはライヴタイトルが大写しに。そこには、1曲目とは別人のようなロックスターのオーラをまとったSUGIZOの姿があり、画面越しのオーディエンスを挑発的に手招きしていた。SUGIZOのギターと類家のトランペットは共に狂騒的で、木霊のように響き渡った。

「NO MORE NUKES PLAY THE GUITER」を続けて放ち、「NO NUKES」の文字を背に、「NO MORE!」とシャウトする幕切れは圧巻。反戦のメッセージを熱烈に示した後は、青い光に包まれた静けさの中、ドイツの現代音楽家シュトックハウゼンの影響で生まれた電子音楽「Raummusic」へ。アタック感を完全に消し去ったかのような柔らかいタッチで、コードを繰り返し爪弾くSUGIZO。よしうらは金属の鎖をスネアに叩きつけて鈍い音を鳴らし、最初は穏やかだった類家のトランペットも次第に高揚。すると、映像表現も連動して内なる世界から雄大な自然へと変化していく。

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Photo by Keiko Tanabe

次曲「FATIMA」はSUGIZOのライヴに欠かせない曲で、かねてから海とベリーダンサーのモチーフが映像で繰り返し表現されてきたのだが、今回は生身のベリーダンサーNourahが登場。画面から飛び出して来たような彼女が白い衣装とヴェールをなびかせ、レーザー光線に照らされて舞い踊る情景は、幻想美の極み。さらに、配信画面上では海の映像などがオーバーラップされ、奥行きのある美しさを立ち上げていた。

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Photo by Keiko Tanabe

ヒジャブをまとい祈る女性の映像から始まった「ENOLA GAY RELOADED」では再び、深紅の世界をバックに激情を放出するSUGIZO。その殆どがインストゥルメンタルであり言葉を介さないSGZ MUSICだが、核実験のキノコ雲、原発の脅威をモチーフとした映像がオーディエンスに問い掛けるものは大きい。「NO NUKES」のメッセージを刻んだ大きなフラッグを振り、その同じ手でギターを握れば、迸る強い念そのもののような艶やかな音色を響かせる。SUGIZOにとって社会問題に向き合うことも音楽を奏でることも地続きで同義なのだ、と痛感する曲である。曲調の切り替わりと完璧に連動した照明、ズームを駆使した鮮やかなカメラワークも相まって、画面越しであっても臨場感とダイナミズムが伝わったことだろう。

基本的には歌唱もMCも無くノンストップで突き進んでいくSUGIZOのライヴ。終盤を迎えて披露した「Decaying」では、SUGIZOと類家が交互に音を鳴らし、全く展開の読めないインプロビゼーション的プレイバトルを熱く繰り広げた。メンバーのフォーメーションは360度円を描くように内側を向く形で、SUGIZOと類家は対面。距離は離れているが、映像の切り替えによって2人が間近にいるような迫力が感じられた。

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