
「リゼるる」が振り返る「ラジオ開始からの1年」
「にじさんじ」に所属する人気バーチャルライバー(VTuber)のリゼ・ヘルエスタと鈴原るるがパーソナリティを務めるラジオ番組『リゼるるListen』。昨年4月の放送開始から人気を集め、一周年を迎えた今年の4月からは、文化放送「超!A&G+」の「にじさんじアワー」枠に移動。毎週日曜日の14時半から放送されている。5月29日(土)には初の番組イベント『にじさんじアワーFestival リゼるるListen』が開催。東京のZepp Hanedaで、3Dモデルによる公開収録やミニライブが行われ、オンライン生配信も決まっている。
エキレビ!では、昨年4月の番組スタート直後以来となる「リゼるる」インタビューを実施。前編では、ラジオイベント開催が決まっての感想や、この一年間での変化などについて語ってもらった。
まさかのZepp Hanedaで、想像のはるか上をいきました
──ラジオ『リゼるるListen』の初めての番組イベントが開催されることの感想を教えてください。リゼ ラジオのイベントをこんなにも大々的にやっていただけることが嬉しいと同時に、すごくびっくりしています。るるちゃんはどう? 最初に聞いた時、びっくりしなかった?
るる めちゃめちゃ、びっくりした。だって2000人以上も入る会場でラジオのイベントって……。恐れ多い感じもしますが、リゼ様と一緒にラジオのイベントをやりたいとは前々から言ってたので、言ってれば夢ってかなうんだなって思いました(笑)。
公開収録やライブをやる予定なんですけれど、『リゼるるListen』を聴いてくれているみんなに、いつも私たちがどんな感じで収録しているのかをお見せできるのも嬉しいし、リゼるるでライブをやりたいというのも番組の初期の頃から言ってたことなので、それも嬉しいです。まさか夢が二つ同時にかなうなんて、まだ、ふわふわしてあまり実感がないです(笑)。
リゼ 私が想像していたラジオイベントって、私たちがブースの中にいて、ブースの外の道端からお客さんが見ているような感じだったんです。
るる そうそう! 私が想像していたのも、そういう規模のイベントだった。
──それが実現できたのも、番組が好評で1年間も続いてきたからだと思います。1年間パーソナリティを続けてきて、改めて、YouTubeでの個人配信とラジオの違いを実感していることはありますか。
るる 配信はぶっつけ本番で、カットや編集もなくそのままなんですけど、『リゼるるListen』は収録番組なので、意外とカットされてるところもあるんです。放送で聴いて「あ、あそこがカットされたんだ」って思ったりすることもあるし、自分でも二度楽しめるような感覚もあります。
リゼ わかるわかる。「こんな流れだったっけ?」ってなったり。あと、私は普段の配信だと、視聴者さんのコメントありきで喋ってるというか。コメントを見ることで、視聴者さんがどんな温度感で聴いてくださっていてるのかわかるんですけど。ラジオはそれができないまま、30分ぐらい喋り続けなきゃいけないので、ちょっと不安になります。

るる うん。
──ラジオには構成作家さんの作った台本もありますが、普段の配信はフリーで話している分、台本があることの難しさなどを感じることはありますか? それとも、台本に沿って話すことにもなれましたか?
リゼ ラジオの台本って、各コーナーで話す内容に関する指針が書いてあって。フリートークの部分も、例えば4月だったら「ゴールデンウィークが近いですね。みたいな話題はどうですか?」とかの提案が書いてあるんです。私の場合、そういう目安みたいなものはあるとありがたいタイプ。それは、ラジオがはじまった頃も、今も変わらないかな。
るる リゼ様は、逆なタイプかなと思ってた。
リゼ 本当? なんで?
るる リゼ様、自分では「フリートークは苦手」と言ってるけど、私の中ではすごく上手なイメージがあったから。台本とかはないほうが自由にやれるのかなって。
リゼ 全然そんなことないよ。あると、とても助かります(笑)。
るる 私も話題を自分で見つけるのが苦手なので、台本があると、すごく助かります(笑)。
リゼ 構成作家さんが、我々の配信をすごくよく見てくださっていて。「にじさんじ」のイベントの話題とかもすごく細かく拾ってくださるんです。
るる 前日の配信の出来事を書いてくださっていることもあって。
リゼ あるある。だから、すごくやりやすいですね。
──台本の内容が、配信中の面白いコメントのような役割を果たしているのですね。
るる あ、そうもしれないです。
リゼ そうだね。それにラジオのときは台本だけでなく、収録中も作家さんが適宜、カンペ的なのを差し込んでくれたりもするので。
るる いろいろと手助けしてくれるんです。実質、コメントみたいになっていて助かってます。
「こういうとき、リゼ様はどんな風に話すのかな?」って考える
──1年前のインタビューでも話されていた雑談に対する苦手意識は、1年間の経験を経て克服できましたか?るる 私は、最初の頃に比べたらですが、雑談、得意になりました!
リゼ 素晴らしい!
るる たぶん、『リゼるるListen』での経験のおかげもあるし、私の中では、リゼ様がめちゃくちゃ参考になるの。
リゼ え、私が?
るる リゼ様は、言葉の引き出しがめちゃくちゃあって。
リゼ ないよー。
るる 一人で配信してるときも、「こういうとき、リゼ様はどんな風に話すのかな?」ってリゼ様のことを考えると、言葉が出てくる。
リゼ るるちゃんが配信で雑談しているときには、「イマジナリー・リゼ」が一緒にいるんだ(笑)。
るる うん。スタンドみたいに私の隣にリゼ様が立ってる(笑)。
リゼ 面白いポーズをして横に立ってるんだね(笑)。
るる あはは(笑)。でも、本当にリゼ様のことを思い出してるよ。
リゼ それは嬉しいな。私も当初に比べれば、だいぶ苦手意識はなくなりました。一人でやる雑談配信は、いまだにまだ難しいなと思ってしまうけれど、『リゼるる』での雑談に関して言えば、るるちゃんとすごく息が合うようになったことが大きくて。
るる 最初に比べたら、すごく仲良くなったし、いろいろとリンクするようになった気がする。
リゼ 会話の呼吸がわかるようになってきたというか、「るるちゃんは、このタイミングでこういうことをしゃべるかな」ってことが少しわかるようになりました。
るる 私も番組の回数を重ねるたびにリゼ様像がどんどんはっきりしてきて。最近は、(想像でも)具現化できるようになりました(笑)。
リゼ それで、私、スタンドになったんだ(笑)。

──番組が始まる前はほとんど絡んだことがなく、にじさんじファンの間でも「リゼるる」という概念は存在しなかったことを考えると、すごい変化ですね。
るる ラジオがはじまった頃は、たぶんリスナーさんも「この二人で、どんな化学反応が起こるんだろう」みたいな感じで、少しそわそわしながら聴いてくれていたと思うんです。でも、今は「リゼるる」が馴染んでいることがわかるのもすごく嬉しいですね。
リゼ うん。普段の配信でも、リスナーさんのコメントに「るるちゃんとはどう?」とか、るるちゃんの名前が自然と出るようになりました。みんなの中でも「リゼるる」の二人でラジオをやってるという印象がちゃんとあるんだなーって嬉しくなります。
LINEの交換は、私たちにとっては、めっちゃ大きな出来事
──番組の内外を問わず、「私たち仲良くなれた!」と、特に実感した出来事などを教えてください。るる LINEを交換したよね。
リゼ 私たちにとっては、めっちゃ大きな出来事だよね。
──リゼさんは個人配信でも、るるさんとLINEを交換したと嬉しそうに報告してましたね。
るる 私も切り抜き動画で見ました(笑)。でも、LINEを交換してしばらくは、お互いにスタンプを送り合うくらいで、メッセージは送れなかったんです。でも、『リゼるるListen』の企画で、お互いに電話をするというミッションを与えられて。その企画で連絡を取ってからは、私、リゼ様にめちゃくちゃLINEを送るようになりました(笑)。
リゼ 私も、あの企画以来、るるちゃんにめちゃくちゃLINE送るようになった。人間、 一度、殻をやぶるとすごいですね(笑)。ちょっとしたことでもLINEできるようになりました。
るる 遊びにも気軽に誘えるようになって。前は誘う前に「リゼ様、忙しいかな」とか思ってたのに、今は気軽に「この日空いてる?」とか聞けます。
リゼ わかるわかる。もし今回ダメでも、また機会あるし、みたいな感じで楽な気持ちで聞けるようになりました。
るる そもそも私は、LINEをあまり見ないというか、使ってなかったんだけど。リゼ様と交換してからは、けっこう気にするようになったかも。
リゼ 本当に? それがきっかけなの(笑)。
るる うん。
──お二人は、お互いの配信もよく見ているそうですね。
るる もともとリゼ様の配信はよく見ていたけど、最近は貼りつくように見てるかも(笑)。今朝のゲリラ配信も見ちゃった!
リゼ マジで? 朝の8時だよ?
──リゼさんにしては、非常に珍しく朝配信をしていましたね。
るる 「リゼ様、朝から配信やってる! 超レアなんだけど」と思って。しかも、(特殊なマイクを使った)ASMR配信だったから、朝から耳が幸せでした。
リゼ るるちゃん! せめて、「今朝、見てたよ」って教えておいてよ(笑)。本当に知らなかったから、ビックリした。
るる ガチ感があって、ちょっと気持ち悪いかなって(笑)。でも、時間が空いてる時は、本当によく見てる。
リゼ 私も見てるよ。るるちゃんとは、配信時間がずれてるから見やすいんだよね。自分の配信が終わった後、るるちゃんの配信が始まることが多いから。
るる そうそう。リゼ様の配信はちょうど、自分の配信の前の時間帯にやってることが多いので。

──話は変わりますが、鈴原さんは今年に入ってから、可愛い子猫(むくちゃん)を飼いはじめたそうですね。これは単なる想像なのですが、鈴原さんが子猫を飼いたいと思った理由に、リゼさんが猫のように可愛いメスライオンを飼っていることは関係ないですか? 私も友人から可愛いペットの話を聞いてると、飼いたくなったりするので。
るる けっこう、ありますね〜。
リゼ あるんだ!(笑)。
るる リゼ様もそうだし、ライバーさんって、猫ちゃんを飼ってる方が多いんです。私も家でする作業が多いので、猫ちゃんに寂しい思いをさせることも少ないだろうし、飼ってみたいなと思うようになって……。
リゼ (オンライン通話で)打ち合わせをしてるとき、るるちゃんの後ろでむくちゃんの気配がすると、ちょっとニッコリします。
るる たまに、鳴き声が通話に入ったりするんです(笑)。
──猫を飼うにあたっては、相談もしたり?
るる 相談という感じではないですが、マネージャーさんも含めて3人で話した時、マネージャーさんが何かペットを飼いたいという話をしていて。「私も飼いたいんですよね」とは話していたと思います。その後、飼いはじめて1週間くらい経ったときに初めて写真を見せて、「実は、私も飼いはじめたんだ」って話しました。
リゼ いきなりだったので、「えー!」ってなりました。
るる たぶん、いちばん最初にリゼ様に言ったと思う。
リゼ そうなんだ! 小さくて、めちゃくちゃかわいかったー!
※リゼ&るる後編はこちら
丸本大輔
フリーライター&編集者。瀬戸内海の因島出身、現在は東京在住。専門ジャンルは、アニメ、漫画などで、インタビューを中心に活動。「たまゆら」「終末のイゼッタ」「銀河英雄伝説DNT」ではオフィシャルライターを担当した。にじさんじ、ホロライブを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)の取材実績も多数。
@maru_working