今や世界有数の長寿国である日本。それ自体は歓迎すべきことではありますが、超高齢化社会に低金利時代、コロナ禍の影響もあって将来の不安は山積み。人生100年時代であるからこそ笑顔で楽しく暮らしていくためには、将来を見据えたお金の管理が重要と言えます。とはいえ専門用語の多い金融商品はハードルが高く、リスクの大きい冒険は避けたいところ。けれども使う予定のないお金は着実に増やしておきたい……。というのがお金に関する万人の思いです。

「とりあえず貯金」の堅実派が増えている?

NISA、iDeCo…だけじゃない! 大人になった我が子に伝えておきたい、お金の預け先とは?

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特に近年は長く続く不況のため、必要のないお金は「とりあえず貯金」と考える若い世代の堅実派が増えていると言います。ところが金利のことを考えると、他の貯め方も知りたいと思っている人も多いのでは。火事や盗難のリスクがあるタンス預金よりはいいかもしれませんが、できればもう少し率のよい資産運用を考えたいものです。

NISA、iDeCoだけじゃない。「守りの投資」とは?

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できる限り低リスクで、損することなく資産運用したい。そう思ったときの金融商品に、国が資産運用としてつくった制度の「NISA」「iDeCo」が知られています。

「NISA」は運用できる金額などに制限はあるものの、株式や投資信託などでの運用利益が非課税になる制度のこと。「iDeCo」は掛金や投資先を自分で決めて運用し、60歳以降に年金形式で受け取れる私的年金として活用できる制度です。拠出時・運用益・受取時、いずれも税制上の優遇措置を受けられます。

ともにどちらかと言えば「攻め」より「守り」の立場に立つ使いやすいものではありますが、「NISA」は投資なので当然ながら株価によって損失が出ることがあります。「iDeCo」は自分の年金をつくるためのものなので、原則60歳までは資金を引き出すことはできません。

そんなときに注目したいのが、国がつくったもう一つの資産運用である「個人向け国債」です。「国債」と聞くと個人には関係のない大企業のものと思いがちですが、個人向けの国債はとにかく使い勝手の良さが魅力です。

知ってた? 実は手軽な個人向け国債という選択肢!

そもそも「国債」とは国が毎月発行する「債券」のこと。「債券」とは企業や団体が銀行などから資金調達をするときに発行される借用証書のひとつ。つまり国債を購入するということは、国に対してお金を投資するということになります。国債では定期的に利子が支払われ、満期になれば元本の返済も受けられます。

若い世代にとっては気後れしがちな投資というものも、個人向け国債は国が発行している+国が元本を保証しているので安全です。利子の受け取りは半年ごとの年2回で、たとえ金利が下がった場合でも0.05%(年率)の利子は国が保証してくれるという安心感も見逃せません。

購入は1万円から可能で、毎月購入できます。それも銀行や証券会社など身近な金融機関で取り扱われており、面倒な手続きは必要ありません。旅行や転職などで急にまとまったお金が必要になった場合も、購入後1年を経過していればいつでも1万円単位で中途換金が可能です(ただし、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます)。

株などの通常の投資のように、こまめに市場をチェックして売ったり買ったりしなくていい「個人向け国債」は、資産運用の初心者でも運用しやすいのがとてもありがたいところです。

●ココがポイント!
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※発行後1年以上経過で換金可能です。
※直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。


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シンプルな購入手続きと選べる3プラン

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購入方法もいたって簡単です。銀行や証券会社など国債を取り扱っている金融機関で国債の口座を開設し、購入申し込みをすればいいだけ。金融機関によってはインターネットで購入できるところもあるため、自分に合った購入先が選べます。また個人向け国債は毎月発行されているので、始めるタイミングもさまざまな都合に合わせられます。

個人向けの国債には「変動10」「固定5」「固定3」の3種があります。「変動10」は実勢金利(金融市場で適用されている金利)に応じて半年ごとに金利が変化する10年満期タイプで、金利によっては受取利子が増えることもあります。「固定5」は5年満期タイプ、「固定3」は3年満期タイプで、ともに満期まで発行時の利率が変わらないので、発行した時点で投資結果を知ることができます。すべてのタイプで金利の下限は0.05%(年率)のため、「変動10」で実勢金利が0.05%を下回ったとしても0.05%の金利は保証されます。

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※1 国債の利子は、受取時に20.315%分の税金が差し引かれます。ただし「障害者などの非課税貯蓄制度(いわゆるマル優、特別マル優)」の適用を受け、非課税とすることができます。この制度については、税務署などにお問い合わせください。 ※2 基準金利は、利子計算期間開始日の前月までの最後に行われた10年固定利付国債の入札(初回利子については募集期間開始日までの最後に行われた入札)における平均落札利回り。 ※3 基準金利は、募集期間開始日の2営業日前において、市場実勢利回りを基に計算した期間5年または3年の固定利付国債の想定利回り。 ※4 中途換金の特例:災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害により被害を受けられた場合、又は保有者本人が亡くなられた場合には、上記の期間に関わらず中途換金できます。 ※5 直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を乗じているのは、国債の利子の受取時に20.315%分の税金が差し引かれているためです。

NISA、iDeCo…だけじゃない! 大人になった我が子に伝えておきたい、お金の預け先とは?

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財務省「個人向け国債」紹介ページを見る

今だからこそ、個人向け国債デビュー!

一見難しそうに感じる「個人向け国債」ですが、知れば知るほどメリットのみ。元本&最低金利保証の安全性もさることながら、満期前は解約しなければ引き出すことができない定期預金とは違って、急にお金が必要になった場合でも中途換金ができるという安心感つき。身近な金融機関で毎月購入できる手軽さも、使いやすいポイントと言えます。

使う予定のないお金は未来の自分のためにしっかり備えておきたい、という若い世代の人にこそ利用してもらいたいのが「個人向け国債」です。思い立ったら無理なくスタートできるので、資産運用だけでなく、資産管理という視点でも取り入れたい安心安全のマネープランです。

財務省「個人向け国債」紹介ページを見る
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PR:財務省

イラスト:ゆいざえもん
取材・文:前原雅子