日本経済団体連合会は23日までに防衛装備移転の拡充を政府に提言し、拡充推進を求めた。


 経団連は「同盟国・同志国に対する適切な防衛装備移転は安全保障上の有効な手段の一つ」などとし「供給先拡大を通じて、わが国の防衛力そのものである防衛生産・技術基盤の強化にも寄与する」と主張。


 経団連は「わが国の防衛装備移転案件の約8割は自衛隊の装備品の修理等にとどまり、完成品の海外移転といった大型案件は極めて限定的だ」とし「防衛装備移転を進める姿勢を明確に打ち出す『防衛装備移転戦略・基本計画』を策定し、相手国とのハイレベル協議や外交ルートを通じて、わが国の防衛装備品の特性や信頼性等に対する、相手国の理解の醸成を図りつつ、在外公館の防衛駐在官を活用した現地市場の動向把握や商慣行への対応等、窓口としての機能強化を戦略的に推進する方針を盛り込むべき」などとしている。


 また完成品などの防衛装備移転に「政府が司令塔を設置すること」も求めた。加えて「司令塔の下に官民による新たな協議体等を設けることが望ましい」と軍需企業と政府側が協議する場を設けるようにも要請している。


 さらに「防衛装備品の国内需要の拡大によって供給能力に制約を抱える企業に対しても、装備移転に必要な経営資源を追加的に投入できるよう積極的な支援が求められる」と軍需企業への支援も求めた。


 安倍内閣時代の安保法制制定以来、なし崩し的に防衛費の増大、事実上の武器輸出緩和、防衛装備品製造という軍需産業育成・支援拡大が続いている。(編集担当:森高龍二)

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