コロナ禍が長期化している。新型コロナウイルス感染症の流行によって真っ先に打撃を受けたのは観光業だ。
8月10日に東京商工リサーチが2021年の1月から7月までの旅行業の倒産状況についてレポートを発表しているが、これによれば、7月までの負債1000万円以上の旅行業倒産件数は累計19件で、前年同期と比べ11.7%の増加と2桁の増加となっている。
負債額については18億4700万円で、昨年6月に負債278億円の大型倒産が発生しているため前年比では93.6%の反動的減少となっている。本年は負債1億円未満の小規模倒産が89.4%と約9割を占め、従業員規模別では5人未満が16件で最多となっており、前年同期と比べ60.0%の増加、構成比84.2%を占め、小規模業者での倒産が勢いを増している。原因別でみると「販売不振」16件が最多で、前年同期と比べ23.0%の増加、構成比は84.2%と全体の8割超となっており、やはり需要回復の見通しが立たないことが倒産の増勢に直結しているようだ。
レポートは「小規模業者には経営体力に乏しく、海外旅行に特化した業者が含まれ、コロナ禍の長期化に耐えられなくなった倒産が増えている」と分析しており、インバウンド需要蒸発の長期化がジワジワと小規模破綻を増勢させているようだ。