4月10日(土)、11日(日)に名古屋の日本ガイシホールでSKE48高柳明音松井珠理奈の卒業コンサートが開催された。初期からグループを支えてきた2人の大きすぎる卒業。
この後、SKE48はどうなっていくのか。キャプテンであり劇場支配人でもある斉藤真木子に話を聞いた。(3回連載の3回目)

【写真】ファンもメンバーも涙、松井珠理奈卒業コンサートの模様【10点】

――珠理奈さんと高柳さんが卒業すると、SKE48は1期生0人、2~4期生が1人ずつ、5期生2人というグループになります。

斉藤 自分が最古参メンバーになるとは予想していませんでした。これまで多くのメンバーの背中を見送ってきたけど、私は旅立つ人の覚悟にたどり着けない自分というものを痛感していました。「みんなすごいな。なんでその決心ができたんだろう」って。

――17~18歳、あるいは20歳で卒業していくメンバーも多いですよね。

斉藤 私は高校卒業や成人という節目の力を借りて卒業することができませんでした。というより、SKE48で頑張ろうという選択肢しか私にはありませんでした。その間、つらいこともあったけど、ひとつひとつのお仕事に対してのモチベーションが下がったことはありません。私は14歳でこの世界に飛び込んできたけど、その時点では生涯をかけようと思っていたわけではありません。
でも、気づいたら12年も在籍していて、夢だったものがいつしか仕事になっていきました。

――斉藤さんの場合は、14歳にして将来の就職先を見つけられたのかもしれませんね。

斉藤 そうかもしれないです。もしかしたら、SKE48じゃなくて別のグループに入っていたら、違う未来が待っていたかもしれません。もしNMB48の1期生になっていたら、山本彩ちゃんやみるきー(渡辺美優紀)と一緒だったかもしれない。でも、その2人と肩を並べて踊る姿なんて、とてもじゃないけど、想像できない(笑)。14歳でSKE48を受けようと思って、よかったなって思います。

――キャリアの積み方でいえば、竹内彩姫さんが卒業後、ゼストに入社しますね。どう思いますか?

斉藤 私はSKE48の劇場支配人として、会社に片足を突っ込んでいるような身ですけど、彩姫は前を向いて、新しい世界を求めたんでしょうね。パフォーマンスが全然衰えていないから、もったいないなとも思っちゃいますけど、ちゃんと将来を考えていたことを尊敬します。セカンドキャリアを用意してくれるわけですから、いい会社だなと思いました。

――最後にお聞きします。
2日間の卒コンでグループの顔とも言うべき存在が旅立っていきました。グループとして分岐点に立っていると思いますが、何か見えているものはありますか?

斉藤 珠理奈さんが12年間も絶対的エースでしたが、そのエースが卒業してしまう。過去には一度もなかった事件とも言えますよね。珠理奈さんがいなくても、SKE48は続いているんだと、残されたメンバーは証明し続けないといけません。ただ、別の角度から考えれば、これからは何にだってなれるとも言えます。「絶対」がないのなら、自分たちが違うものを作っていけばいいんです。今はスタッフさんたちが本気になっているのを感じます。それはそうですよね。特に去年はライブも公演も握手会もできなかった時期があったんですから。必死にならないはずがない。それはメンバーも同じです。

 かといって、焦っているわけでもなくて。
不思議なことに不安は感じていないんです。スタッフさんたちが新しい舞台を用意してくれると信じて、私たちは真面目に活動していくだけです。現役も卒業生もファンを悲しませることはしない。アイドルである以上、そこは肝に銘じないといけませんね。

――グループの変化に敏感でありたいと思いながら見守りたいです。

斉藤 これからは何が起きても驚かないと思います。2人が卒業したという事実をスタッフさんにはうまく利用してほしいです。今までできなかったことができるじゃないですか。シングルの立ち位置でそれを表現してもいいし、ライブで新しさを見せてもいいですよね。今回のコンサートで感じたのは、みんなが参加する何かがあると、グループとしてのモチベーションが上がるということです。だから、今が一番みんなの気持ちが上がっています。やっぱりライブしてこそSKE48だなって思いました。


――次のライブのオープニングは、斉藤さんがオレンジ色のバスを運転しながら登場するんですよね? メンバーが乗ってるバスを。

斉藤 それ、いいじゃないですか! じゃあ、大型の免許取りますか(笑)。

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